↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/140

第66話 そんなんで強くなれたら苦労しませんよ

神聖歴580年 秋の中月 10日



「では互いに礼。はじめ!」


「てやぁ!」


「へやぁ」



 コーケンさんの声に合わせて相手が突進してきたので、すっと半歩だけ体をズラして足を引っかけるとそのまま相手はすっ転んでいった。え、これで引っかかるんかいって感じだが相手は俺と同年代の道場生だからね。これがもっと上の道場生だと普通に試合になるんだけど、同年代の子は勢いだけで突っかかってくるから簡単にあしらえちゃうんだ。



「そこまで。タロゥの勝ち」


「ありがとうございました」


「……ありがとうございました!」



 一礼すると相手の子が悔しそうな顔で頭を下げてきた。うん、負けた後でもちゃんと頭を下げられるのは偉い。うちの道場で学ぶ道場生は挨拶だけはきっちりと仕込まれてる。開始と終わりの挨拶をしなかったらその瞬間猛烈に叱り飛ばされるから体で覚え込んでいるのだ。


 その後、同じように同年代の子供たちと試合を行うが、二人目は剣をぶん投げてきたのでかわしてそのまま近寄って鼻先に正拳突きを寸止め、三人目は槍持ちだったので距離を取ろうと突き出してきた槍を横から掴んで引き寄せ、そのまま腕を掴んで背負い投げ。


 四人目は破れかぶれで突進してきたので一人目と同じように足を引っかけようとしたら飛んでかわしてきたので、ちゃんと試合を見てるんだな、と感心しながら着地の瞬間に足を蹴とばして仰向けに転がし、下段正拳突きを顔面前に寸止めする。



「タロゥ! 次は私と戦え!」


「お、リリィか。いいぞ」



 さて次の相手は誰かと胴着を整えていると、この1月余りで何度も対峙した青髪の少女が声をかけてきた。


 リリィ。普人種の少女で、年齢は俺と同じ7歳。綺麗な青髪を後ろで束ねた、凛々しい顔つきの少女だ。


 同年代が相手だと何故か俺が指導してるみたいになるんだが、このリリィ相手だと話が変わってくる。彼女は俺が初めて組手で戦った同年代の女の子で、コーケンさん曰く「英雄級に至れる才能かも」という期待の道場生だ。


 そして同年代だと唯一俺と試合になる相手でもある。なんなら10回やると3回は負けたりするくらいの実力だ。間違いなく同年代だとトップレベルと言っていいだろう。



「お前が! その重しを着て無手で戦ってるのに! 自慢できるか!」


「いや、それも含めての実力だからね」



 リリィの得手は双剣だ。両手に剣を持つと言うと非常に攻撃的に見えるかもしれないが、基本的に双剣の本領は受け、つまり守りにある。相手の攻撃を片手で受け、片手で攻撃するのが基本だから待ちの戦法が主体となる。


 ただ、リリィはこのセオリーからかなり外れた戦い方をしており、初手特攻→連続攻撃→押切るという超絶脳筋戦法をとってくる奴だ。これが何とかなるのは純粋にリリィ自身の才能というか戦闘センスと組み立て能力の高さによるもので、相手の動きに対して先の先を取って行動を阻害し、最善手を相手に打たせないように立ち回っているからだ。


 この道場の若い子に突撃バカげふんげふん。破れかぶれで突っ込んでくる奴が多いのは、同年代でぶっちぎりに強いリリィの戦法が超攻撃的だっていうのも影響しているようだ。傍から見るとなんの考えもなく突進してるようにしか見えんからな。



「よっと」


「くっ!」



 俺とリリィの戦いは互いのスタイルがかみ合いまくっており、基本的に攻めるリリィを俺がしのぎ切れば俺の勝ち、攻めきれればリリィの勝ちだ。リーチの差を読み違えて鎧に剣が当たったら負けってのは大分ハードだが、困難な闘いを楽しんでこそ元日本男児。一瞬一瞬、負ける可能性がチリチリと首筋を舐める感覚に自然と笑みを浮かべながらリリィの左手の突きを顔を傾ける事でかわし、剣を握る左手に頭突きを入れる。少し焦ったな、リリィ。もっと細かく刻むように突いていればこんな隙はなかったろうに。


 剣を取り落とす事はなかったが、体が泳いでしまったリリィの懐に入り込み、胸襟を掴んで投げ飛ばす。もちろん落とし切る前に減速しておくと、リリィは受け身を取る様にズダァン、とわざと大きな音を立てて道場の床に身を横たえた。



「そこまで。今日はタロゥの勝ちだな」


「ありがとうございました」


「……ありがとう、ございました! コーケン師範代! 型稽古の指導をお願いします!」



 互いに立ち上がり、向かい合って一礼。リリィは悔しそうに表情を歪めながらも礼を失することなく頭を下げた後、コーケンさんに指導を強請り始めた。ひぇぇ、熱心やなぁ。試合後にコーケンさんの地獄組手とか俺は考えたくもないぞ。


 ただ、この感想は俺だけのようで、リリィ以外にも俺に負けた道場生はコーケン師範代やその他の指導員に声をかける事が増えているらしい。なんでだろうと思っていたら、俺をこの道場に紹介してくれたネネのお兄さん、メメさんが答えを教えてくれた。



「タロゥは組み手を全然やらずに一年近く型稽古だけやってたでしょ。コーケン師範代とつきっきりで」


「はい、そうですね」


「あれで特別扱いとか思われてたんだけどね。そのタロゥが実際に戦ったらここまで強かったから若い子は目の色変えちゃってるんだよ。あの子たち、基礎の型も覚えてないのに試合ばかりやりたがってたからね」


「はぁ……そんなんで強くなれたら苦労しませんよ」


「全くだね。まぁ、道場としては学ぶ者が増えるのは大歓迎だけど、タロゥと良く戦ってるリリィはもっと先まで見える子でしょ? あの子の意識を変えさせるためにタロゥとぶつけたんじゃないかな」



 メメさんはそううんうんと頷きながら言ってるが、それってつまり俺は良い感じにコーケンさんに使われたって事かな。実際にリリィは俺と戦ってからは明らかに型稽古とかに身が入る様になってるし、急激に力をつけているように見えるし。


 指導者としてのコーケンさん、もしかして俺が思っている以上に有能なのでは。


タロゥ(7歳・普人種男) 


生力30 (30.0)UP

信力99 (99.9)ー

知力30 (30.0)UP

腕力36 (36.0)UP

速さ30 (30.0)UP

器用31  (31.0)UP

魅力30 (30.0)UP

幸運20  (20.0)

体力33 (33.0)UP



技能

市民 レベル3 (100/100)ー

商人 レベル3 (93/100)UP

狩人 レベル3 (100/100)ー

調理師 レベル3 (100/100)ー

地図士 レベル2 (72/100)UP

薬師  レベル2 (41/100)UP

我流剣士 レベル3 (83/100)UP

木こり レベル2 (45/100)

楽士 レベル2 (60/100)UP

教師 レベル2 (2/100)UP

パチン・コ流戦闘術 レベル4 (1/100)UP

テイマー レベル0 (50/100)UP

絵師 レベル2 (53/100)UP

語り部(紙芝居) レベル4 (56/100)UP



スキル

夢想具現 レベル2 (100/100)―

直感 レベル3  (2/100)UP

格闘術 レベル2  (56/100)UP

剣術 レベル4  (11/100)UP

弓術 レベル3  (13/100)UP

小剣術 レベル3 (13/100)UP

暗器術 レベル3 (13/100)UP

斧術  レベル2 (2/100)UP

フォークダンス レベル5(40/100)UP

フォークマスター  レベル0 (40/100)UP

念話 レベル0 (45/100)UP

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。