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ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


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第122話 「ところでこのチャーシュー、豚じゃない気がするんだけどなにこれ」 「百合厨」

神聖歴583年 夏の中月 25日



「という訳で散々な目にあった」

「まぁ、うん。お疲れ」



 ひと月近くかけたフィールドワークは、一先ず終了した。無事に、とは言いづらい。


 大変だった。転覆した船は数日の補修でなんとか航行できるようにしたんだが、帰路がもうヤバかった。教授陣が陸ザメの死体も持っていきたいと駄々をこねたせいだ。船を持ち上げるほどの巨体を持ち帰るとしたら、船で引っ張っていくくらいしかない。つまりヒヒンタマクスに負荷が集中する。テイマーであるオリオが途中で泣きを入れ、帰路は港を横断するのではなく岸沿いに休みながら移動する事になり、そのため当然時間もかかる。結局行きの3倍時間がかかった。


 そして問題はそれだけではない。当然日数がかかる以上はその間に飲み食いする必要もあるため、懸念されていた食料の枯渇が起きた。冒険者組が狩りをしたり手が空いている人間が湖で釣りをしたり食料確保に努めたが、それでも足りなかった為やむなく引きずっている陸ザメの一部を食料に回す事が決定。血抜きと内臓除去は十分やったから多少はマシになってるがやっぱりアンモニア臭い肉をフィールドワーク参加者たちは食べることになった。


 アンモニアはアルカリ性だから、酢とかの酸性のものにつければ臭いは消すことが出来る。研修のためマグロ漁船に半年ほど乗っていた時期に海上料理の手ほどきを受けた事があり、厄介者だったサメの処理その他は俺も出来るんだが……本職の調理師ではないため流石にこの人数だと全員分の食事なんて用意できない。申し訳ないがうちのパーティーと薬学部の人たちに食事を提供するのが手いっぱいだった。


 臭い臭いと呻きながら陸ザメの肉を焼いて食べる他の班を眺めながらの食事は気まずかった。恨みがましい目で見られたが、その恨みは船を壊した陸ザメと食料が枯渇するまで粘った教授陣、それに料理が出来る奴を連れてこなかった自分たちに向けて欲しい。


 それに陸ザメの死骸に惹かれるようにやってくる魔物も問題だった。特に湖の魔物は水中から陸ザメの死骸を奪おうとしてくるので面倒臭いし、水中だからこちらの攻撃がなかなか届かない。そもそも水の中に対応できるのが『白鳥』を使って水中戦にもある程度対応できるのが俺かザンム、それにオリオのヒヒンタマクスくらいで、船を引っ張る最重要な役割を持つヒヒンタマクスを戦闘に出すわけにもいかないため俺達二人のどちらかが都度出張る事になる。


 当然休む暇もないほど忙しかった。夜間も俺かザンムが起きてなければならないため、湖を超えるまでの3日間は互いに交互に眠って体を休める必要があったんだ。その分倒した魔物の数は増えたから実入りは大きくなるんだが、ここでも問題はある。まず帰ってきて三日経つが正式な報酬とは別にある討伐した魔物の競売は現在進行形で行われていてまだ時間がかかるのだ。


 共同で討伐した陸ザメやその他の魔物は他の冒険者チームとの兼ね合いもあるため早めに処理され、その分のお金は入ってきた。なんと数十人で分けたのに一人頭金貨4枚の収入だ。特に陸ザメは皮から骨から使える部分が多いため非常に高額になったらしい。あの百合厨には苦労をかけられたからなぁ、最後の最後に役立ってくれて良かった。



「ありがたいこった。だがまぁ、あれが通常時でよかったぜ。陸ザメは仲のいい女の子と女の子が一人の男を取り合ってる姿を見たら発狂して、全身を真っ黒に染め上げて襲い掛かってくるバーサクモードがあるからな。あの状態だと強さも普段の数倍に跳ね上がるし、女の子だけじゃなく男まで見境なく食いまくるから質悪いんだ」

「マジで質の悪い生き物だってのは良く分かった」



 報酬を受け取りに行った際、全体の指揮役だった狼人種の冒険者がそう言っていた。カルデラの魔物はなんでこう、変態臭が凄い奴ばっかりなんだろう。アングラー四天王といい独自の文化が独自過ぎる気がする。



「これも土地柄って奴だろうかねぇ」

「サニムも負けてはないと思うけどね。ひたすら木を切って燃やす行為が祭りになる町だし」

「冬場に暖を取るというのは大事な事だから(震え声)」



 久しぶりに会ったロゼッタと近況報告がてらの会話を行い、不在だった間のあれこれを確認する。特に困ったことは無さそうだが、こういう長期不在になりそうな仕事の時は事前に教えてくれと苦言を呈された。これに関しては当初の予定じゃとっくに帰ってたから、と言い訳をしたいところだ。文句は君が通う大学の教授陣に言って欲しい。


 その教授陣も頭痛の種だ。特にネズコさんと生物学の教授等、魔物の死体を欲しがってる連中だ。帰りがけに俺が駆除した水棲の魔物の競売が中々終わらないのもこの連中が原因だったりする。



「ね? ね? タロゥくんタロゥくん! おばちゃんさぁ、あの全身水草だらけの貝の魔物欲しいんだよね! あいつに生えてる水草がどういうものなのか調べたいんだ! ほら元雇用主と雇用者の仲でしょ! 仲良し! ちょっと融通とか手心とかあれば嬉しいかなって! あ、ネネちゃんとデートしたいならいつでも言って! おばちゃんが3000年の恋愛テクでネネちゃんとの仲を取り持ってあげる! あの子も君の事をけっこうかなーり好いてるみたいだし押せばもうイケるよ! 納屋でズブリだよ!」

「ネズコ先生! それは流石に職権乱用でしょう!」

「横暴! 横暴だ!」

「素直に競売で買ってください。あと、俺まだ10歳で精通もしてないんで」



 大体こんな感じだ。まぁ理由は単純で、競売は大学側だけではなくカルデラの商人たちも参加しており、珍しい魔物の死体は商人たちが財力に物を言わせて買っていくため彼らの限られた予算だと確保が難しいのだろう。


 まぁ、同じ釜の飯を食ったという訳ではないが1月近く共に過ごした相手であるし、仮にもこいつらはカルデラ大学の教授である。実態は兎も角権威としては近隣でもトップの連中だから恩を売っても損はない。1学科に1体ずつ程度なら吝かでもないんだが、単にモノを渡すだけじゃね。その時は感謝しても、その感謝は決して長続きしないって事も前世の経験から知っている。だが、じゃあどうすれば良いかとなると少し考えてしまう。



「なるほど。だからいの一番に私の所に来たわけね」

「それだけじゃないけどな。長く留守にして心配かけた。すまん」

「……ラーメン。食べさせてくれたら許したげる」



 こういう点で信頼できる人物が、俺の中ではロゼッタだった。彼女はカルデラ大学で経営学や統治についてを学んでおり、俺が狩ってきた魔物の価値も俺以上に知っている人物だ。折角の成果を譲渡する以上は、最大限の利益を得たい。それを得るためにはどうすればいいのかを相談したかった。



「ふーん。わかった。じゃ、私の方で上手く転がしてあげる」

「うん、頼む」

「ところでこのチャーシュー、豚じゃない気がするんだけどなにこれ」

「百合厨」

「ゆ……ゆりちゅ? 良く分かんないけど、すっごくさっぱりしたラーメンねこれ。海の香りを感じるわ」



 ズルズルとサメラーメンを啜りながら相談をすると、ロゼッタは満面の笑みで仕事を請け負ってくれた。頼りになる笑顔だ。少しサディスティックに見えるのは気のせいだろう。ネズコ先生、その他教授陣。南無。


お気に入り・☆評価よろしくお願いします!


タロゥ(10歳・普人種男) 


生力67 (67.0)

信力134 (134.9)UP

知力53 (53.0)UP

腕力72 (72.0)UP

速さ70 (70.0)

器用60  (60.0)

魅力64 (64.0)UP

幸運36  (36.0)

体力72 (72.0)UP



技能

市民 レベル4 (85/100)UP

商人 レベル3 (100/100)ー

狩人 レベル4 (66/100)

調理師 レベル3 (100/100)ー

地図士 レベル3 (100/100)ー

薬師  レベル3 (51/100)

剣士 レベル6 (21/100)

木こり レベル2 (70/10)

楽士 レベル3 (58/100)UP

教師 レベル3 (83/100)

パチン・コ流戦闘術 レベル6 (100/100)ー

テイマー レベル2 (83/100)UP

絵師 レベル3 (90/100)

語り部(紙芝居) レベル5 (100/100)ー

水兵 レベル2 (45/100)

執事 レベル3(100/100)ー

乗馬 レベル0(23/100)




スキル

夢想具現 レベル3 (100/100)ー

直感 レベル5  (12/100)UP

パチン・コ流格闘術 レベル6(100/100)ー

パチン・コ流武器術 レベル6(100/100)ー

飛行術 レベル3 (65/100)UP

フォークダンス レベル5(100/100)ー

フォークマスター  レベル1 (100/100)ー

念話 レベル2 (72/100)

女たらし レベル6 (88/100)UP

野獣の眼光 レベル0(21/100)

ネゼ・カルデラ式マナー レベル3 (46/100)

釣り師 レベル4(32/100)UP



英雄スキル

夢想具現仏恥義理(ぶっちぎり)



カルデラ近隣地図

https://kakuyomu.jp/users/patipati123/news/822139845715828802

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