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夜夜一夜(よながよっぴて)~奇の断片~  作者: 夏の月 すいか


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17/21

ユニットバスのアパートに住んでいた頃の話

 風呂トイレがユニットバスのアパートに住んでいた頃の私の話。


 シャワーを浴びるとトイレ側の床にある排水口から水が(あふ)れるようになった。

 そういやしばらく掃除をしていなかったと思い、翌日の休日に掃除をすることにした。

 

 フタ(ヘアキャッチャー)を外すと、固まったシャンプーやコンディショナーや髪の毛が詰まっていた。

 さらに封水筒を中から取り出し、隙間からもドロドロの髪の毛をゴソッとかき出した。

 仕上げにパイプユニッシュをかけて、しばらく放置する間、部屋に戻って本を読んでいた。

 10分くらい経った頃、「ゴトンッ」と大きい音が響いた。

 吸盤で壁に張り付けてあるタオル掛けがよく落ちるので、今回もそうだろうと思って気にしなかった。


 それから30分くらい経って、そろそろいいかなと思い、パイプユニッシュを流すために浴室兼トイレのドアを開けたら、壁に掛かっていたシャワーが落ちていた。

 勝手にホースがフックから外れて落ちているのもおかしいが、落ちている場所がまた、奇妙(おか)しかった。

 

 普通に落ちたならばシャワーヘッドは浴槽の中に落ちるのだが、シャワーヘッドが落ちていた場所は、浴槽の隣。

 便器の前、床の上だった。

 これは、シャワーホースが何らかの力で一度浮いてから落ちたのでないと、あり得ない場所である。


 私はビビりなので怖くて深く考えることは止めたのだが(見て見ないフリ)、やはり排水口を掃除した時に、どう考えても自分のものではない長さと色の髪の毛が多く混ざっていたのに気づいた時点で警戒しておくべきだったのかもしれない。

 

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