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夜夜一夜(よながよっぴて)~奇の断片~  作者: 夏の月 すいか


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水を置く理由

 立地は悪くないのに何故(なぜ)か店がすぐに入れ替わってしまう建物というのはどこの地域にもあると思う。

 そのような建物には大抵何かしらの(いわ)くがつきものだったりする。

 以下の実体験をお聞きした(ゆみ)さんが以前働いていた飲食店にも、例にもれずそのような曰くがあった。

 

 弓さんが勤めていたのはチェーンの飲食店。

 仕事の初日に最初に教えてもらった事はというと。


 ・5番テーブルには毎日水の入ったコップを置く事

 ・店が満席になっても5番テーブルは空けておく事


の2つだった。

 「チェーン店のオペレーション」として教わったのではない事は明らかだった。

 「なんでですか?」と素直に疑問を口にした弓さんに先輩は教えてくれた。

 「あの席にはサラリーマンが座っているからだよ」と。

 当たり前のように他の従業員もそれを守っているので、弓さんも辞めるまでの二年間教えを守り続けた。

 

 二年間の間に弓さんより先輩は皆退職し、弓さんが教えを伝え続ける側になった。 

 弓さんが辞めた後にもその教えが守られ続けたのかは定かではない。

 その飲食店は弓さんが辞めて間もなく閉店した。


 その後もその建物にはいくつかの店舗が入った。

 中には、行列ができるくらい賑わっていた飲食店もあったのだが、どれも例外なく半年以内に閉店を迎えた。


 現在はその建物自体が取り壊されており、新しく会社のオフィスが建っている。

 弓さんはたまに幽霊のサラリーマンがその会社で働いているのを想像すると言って笑っていた。

 

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