表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜夜一夜(よながよっぴて)~奇の断片~  作者: 夏の月 すいか


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/16

犬の話

 キザキさん(仮名)は朝のジョギングが日課になっており、もう10年以上も毎日続けている。

 キザキさんがジョギングを始めた頃、毎日すれ違う老夫婦がいた。

 毎日同じ時間、同じ場所ですれ違うのだが、話をしたことはない。 


 数年経ち、あるときからお爺さんの姿が見えなくなった。

 近所に住むSさんに聞いた話では、お爺さんは病気で入院してしまったらしい。

 お婆さんは散歩を一人で続けたのでキザキさんは今までと同じように毎日すれ違ったが、お婆さんの表情は今までとは違って寂しそうに見えた。

 キザキさんは気の毒に思っていたが、しばらくするとお婆さんに変化があった。

 お婆さんが犬と一緒に散歩するようになったのだ。

 犬のリードを手に、お婆さんはにこやかだった。

 その犬は近くに住む娘夫婦が飼い始めた犬で、朝の散歩をお婆さんがしているのだとSさんに聞いた。

 犬の名前はジョンだとSさんが言っていた。

 それから数年間、お婆さんとジョンの散歩の日々が続いた。


 やがてジョンがいなくなり、またお婆さん一人になった。

 今度はお婆さんは寂しそうにも元気そうにも見えなかった。

 それから少し経った頃、お婆さんが少し前に亡くなったのだとSさんが教えてくれた。

 キザキさんはその日の朝もお婆さんとすれ違ったので、その話が信じられなかった。

 亡くなった時期を聞くと、ジョンがいなくなってお婆さん一人になった時期と重なった。



 今もキザキさんは毎朝同じ場所でお婆さんとすれ違っている。


 最近また変化があったらしい。


 リードをつけていない老犬になったジョンがお婆さんに寄り添うようになった、とキザキさんは教えてくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ