最終話「友達と幸せ」
王都にある、
ギルゾックが新しく開店した酒場にやってきた。
ここにいるメンバーは以下の通りだ。
魔王、とその奥さん、リリー。
アイク、ミリア、シビアの6名。
あ、あと店主のギルゾックもいる。
彼らから、近頃あった出来事が語られる。
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魔王の呪いは解呪された。
これによって、人間からの憎悪が無くなり、奥さんとリリーと、一緒にクレスタで暮らせるように!
が、リリーはまだ学園生活を楽しみたいらしく、当分の間は魔王夫婦で暮らすらしい。
惚気のようなものを、にんまり笑顔で魔王から聞かされた。
幸せそうで何よりですな!
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ミリアは、退屈だったらしい。
俺が旅……いや、そこまで大層ではないか。
学園を離れていた期間は、わずか1日。
それでも彼女は長く感じたとのこと。
しかも、アイクから、リリーと一緒にデートに行ったと聞かされて号泣。
3日以上帰ってこなかったら、国王の権力を使って、俺達を探そうと決めていたんだとか。
……デートじゃ無いし、そんな簡単にお父さんの権力使わないで!
ちなみに、アイクは魔法の練習ばっかりしていたと。
いや、誤解を生んだこと謝れ!
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シビアは呪いの修行をたくさんしてたとのこと。
彼女は、呪いもそうだが、普通の魔法も才能がある。
元学園最強のアニスを倒したらしいし。
俺はとんでもない子を育成しているのかも。
あ、友達もできたらしい!
これは普通に俺も嬉しいことである。
最初は、アペプ一族の奴隷だった。
初めて彼女を見た時の印象は、形容し難いものであった。
このまま死んでいくと覚悟しているように見えたし、逃げたいと悲しんでる気もした。
そんなシビアが今はもう!
学園生活を楽しめているんだ。
なんか、泣けてくる。
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ギルゾックは楽しかったんだとさ。
何ヶ月か経ったのか、よくわからんけども。
この店を立ち上げた時は、チラシ配りまくって、
一度来た客はその味に魅了されて、
もう、わんさか客が来るようになって〜。
そんな、自慢話を聞かされまくった。
今では、王都で一二を争う店にまで!
最近会えてなかったけど、少しだけ有名人にもなっていてびっくりした。
やっぱり、実力がある人は王都に行けってこのことだわ。
魔法とかじゃなくて料理の実力だけど……。
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皆の話も、聞き終わり、味を楽しむ時間となった。
新たな飯が机に並べられると、それをすぐに、口の中に頬張る。
その美味さを、ただただ幸福に感じる。
「うめぇ」
意識なんてしてなかったのに、その言葉がぽつりと口から溢れでた。
「シオン! これもうまいよ!」
フォークに刺された一口サイズのお肉を、リリーが俺の口に向けてくる。
「ん、ありがと」
と、その時。
「ちょっとまったぁ!!!」
それを見ていたミリアがすかさず止めに入る。
「ちょ! なにミリア!」
「なにって! 間接キ……」
最後まで言わずに、顔が赤くなった。
何を言おうとしたのか俺には分からず、
リリーに尋ねようと、顔を見てみると、
「か、か、か、……」
彼女も顔を真っ赤にしていた。
この状況を理解できないでいると、
遠くから、シビアが可愛く走ってきた。
謎のジュースを片手に。
「シオンさーん! これ!」
飲んで、と言わんばかりの顔である。
「ん!」とコップを突き出した。
それに従って、
既に半分くらい減ってるジュースを飲んでみる。
「ん、うま!」
その味に、ビビっときた。
な、なんだこれは。
オレンジ……いや、いちご……?
すべてのフルーツが混ざっている!?
「し、シビアさん」
「んー? なんですか?」
「あ、あなた、それ、ストロー……」
「あ! 間接キスってことですかー?」
間接キス?
あれ、あぁ確かに。
ストローで飲んだな。
けど、それがどうしたんだろ。
ん、もしかして……。
「ミリアと、リリー。
もしかして、間接キスを意識して、恥ずかしくなった……わけないか」
うん、そんなわけはない。
前世の恋愛的な照れなわけない。
しかもあれって、漫画だけだろ。
……恋愛したことないから分からんけど。
てか、俺の口から間接キスって言うのきも!
など考えていると、俺の言葉に、2人が反応した。
「な、な、な、わけないじゃん!!」
「そ、そうですよ! そんな子供みたいな!」
シビアは子供だけど照れたりしてなさそうだったがね。
「おー? なんだなんだ?」
この騒ぎにギルゾックとアイクが、こちらの席へと来た。
「ミリア、そこはね。『照れちゃいましたぁ』って可愛く言えばシオンくん堕とせるんじゃない?」
おいお兄さん、なんのアドバイスしてるんだよ。
てかそれ、ぶりっ子ってやつじゃないの?
俺は、そんなのでおちません!
いやまて、ミリアのような美人にされたらわからんな。
「照れちゃいましたぁ」
いや、実行に移るの早すぎ!
あ、上目遣いだ。
瞳、綺麗だ。
こう見ると、ほんとに王女なんだなってわかる。
と、キュン! とかしてる間に、
「ミリア」
うわこわ!
なにこの声!
鬼のような声音だ……。
ミリアと呼ぶ、リリーの声。
それと同時に、上目遣いしてる彼女の頭が掴まれた。
……リリーの手によって。
「いったぁーーーい!!!」
ミリアの悲鳴が店中に響く。
うわ、やばいって。
片手だけで、ミリアが少し持ち上げられてる。
リリー怪力すぎだろ。
さすが、魔族!
魔王と魔族の娘だ!!
「リリー!」
おっと、魔王……お父様からご指名がきてるぞ。
魔王の横には怒った顔をしている奥様。
彼の声に恐る恐る、リリーは振り向く。
「ぱ、パパ?」
「こっちにこい」
呼ばれ、テクテクと向かっていく。
かなり遅い。
が、ようやくして彼の元につき。
遠いので会話は聞こえないが、
パパの魔王が叱っている。
ママの魔王妃も、怖くはないが叱っている。
ミリアに暴力振るったと思われたんだろう。
ま、あながち間違ってないか。
ほぼ暴力だなあれ。うんうん。
数十秒後。
リリー半泣き。
父のあんな姿見たことないんだろう。
なんなら、最近初めて会ったくらいだし。
「シビア、ミリアのこと治癒してあげて」
「はーい!」
さっき悲鳴をあげた彼女だが、怪我はしていない。
なのに、大袈裟に痛がっている。
これもアイク直伝の俺に向ける攻撃……いや、ハートなのだろうか。
と、感心していると、隣のデカ男が口を開いた。
「なんだか、リリーも嬉しそうだな」
ギルゾックが、我が子を見る目で、遠くのリリーを見ている。
「嬉しそう? そうか?」
どちらかといえば、悲しそうだけどね。
めっちゃ怒られてるし。
「ふっ、わからんか」
「はぁ? なんだよ」
「リリーも、女友達とかいなかったろ。
あと、父親とも仲良くしてるしな」
「……」
確かに。
リリーは、いかつい男のギルゾックと、
平凡な男である俺くらいしか友達はいないっぽかった。
けれど、今はミリアがいる。
あと、歳は違うが、シビアもそうだ。
男の俺たちには分からん友情があるに違いない。
あと魔王。
彼が父親ってことに、俺は驚いた。
でも、リリーは嬉しそうだった。
魔王とか、関係なしに。
父親がいて会えたことに喜んでいた。
今こうやってとても仲良いしね。
……こういうところだよなぁ。
ギルゾックも大人なんだよなぁ。
俺が考えられる事以上に、考えている。
彼のことは、人として、見習いたいな。
でも……。
俺は、ギルゾックの背中を叩いた。
「いって! なんだよ!?」
「かっけぇけどさ! リリーより弱いぞお前!」
「なっ!? そこはいいだろうがよ!」
「はははっ!」
俺たちは笑い合った。
不思議と、これが懐かしく思えた。
笑いで出た涙を拭きながら、
改めて周囲を見渡す。
近くでまだ、笑ってるギルゾック。
叱られてるリリー。
叱りつけている魔王達。
それに、飯を楽しんでるアイク。
ジュースを飲みながら、魔法の練習をしている真面目なシビア。
皆それぞれ、違うことをしているけれど。
楽しんでいるのは間違いないと感じられた。
一応完結です。(おまけ回があとひとつ)
かなりゴ……こほん!変な作品になりました。
それでも見てくれた人に感謝!!!
次の作品は面白くするので!(たぶん)
次はいっぱいみてね




