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記憶消された復讐者  作者: 納豆にはネギ
第4章 バルク編
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おまけ「シビアの友」


 俺は、18歳になった。

 中々に、充実した学園生活が送れた。

 もう満足である。


 なので、今日をもって卒業します!

 


---シビア視点---



 今日、シオンさんが卒業してしまう。

 シオンさんは、ボクのヒーロー。 

 二度と会えないってわけじゃないけど、

 やっぱり寂しい……。


 他にも、リリーさんや、アイクさん、ミリアさん。

 彼女らもいなくなっちゃう。

 でも、悲しんでなどいられない。


 もっともっと、魔法が上達するように頑張らなければ。

 シオンさんに練習ノートも作ってもらったし。

 

 もう、1人でがんばれるぞ。

 よし。


 などと、意気込んでいると、

 

「ねぇねぇ! シビアちゃん!」


 後ろから喋りかけられた。

 振り返ると、マロンちゃんがいた。

 あ、マロンちゃんは友達である。


「ん? どうしたの?」


 彼女は、どこか不思議な女の子。

 眠そうで、フワフワと、してる雰囲気でもある。

 しかし、見た目の割には魔法が得意。


「あのね、シオンさんって知ってるよねえ?」


 ん?

 シオンさん?

 なんでシオンさんなんだろう。


「まぁ、うん。知ってるよ?」


 そう返事をすると、

 彼女は、ポッと顔が赤くなった。

 

「そ、そうなんだぁ……」


 モジモジとし、髪を触っている。

 トイレに行きたいのかな。


「あのさ!!」

「わっ!?」


 急に肩を掴まれ、大きな声を出してきた。

 いつもは、こんな子じゃない。

 大きな声とか聞いたことがない。

 普段は、眠たそうな声である。


「どうしたの!? マロンちゃん熱ある!?」


 赤すぎるその頬を触ると、ものすごい熱さだった。


「ちがうよ! あのねあのね……」


 さっきから、なにが言いたいんだろう。

 あーもう! じれったいなあ!


「シオンさんがなに!」

「……実はね」


 マロンちゃんは、ごくりと唾を飲み込んだ。

 なんだか、緊張してこちらも同じ動作をしてしまう。


「実は、シオンさんが好きなの!!!」

「……」


 あ、え、は、はい??

 す、好きって?

 

「えっと、らいく?」

「らぶ!!」


「アイクさんじゃなくて?」

「シオンさん!」


 どんどん、彼女の顔の熱が冷めていく。

 言えてすっきりしたのだろうか?

 緊張が解けたんだろうか。

 恋愛事は、詳しくないから分からない。


 けれど、今。

 こうやって、ボクにそれを話したということは、

 つまり、そういうことだ。


「今日卒業するからってことだね?」


 ボクの言葉に、彼女は大きく頷く。


「マロンちゃんを紹介すればいいってこと?」


 またもや、大きく頷く。

 正直、断る理由はない。

 シオンさんがモテるのはいいことだ。

 彼はボクのヒーロー。 

 その彼が、モテて嫌な気はしないからだ。


 しかし……。


「マロンちゃん……覚悟してね」

「……え? 覚悟?」


「リリーさんと、ミリアさんにだよ……」


 そう言うと、彼女は、キョトンとした顔で首を傾げた。

 この言葉の意味を理解できていないらしい。

 よし、分からせるには、この方法しかないな。


 ……連れて行こう。

 あと1時間後くらいには、

 シオンさん達が、卒業する。

 この学園は、わざわざ卒業式を開きはしない。

 身内同士で勝手にパーティーしてろ。みたいな感じだ。


 その場所は、ギルゾックさんの店。

 きっと、いつものメンバーがいるだろう。

 ボクも行くつもり。


 だが、今回はマロンちゃんも連れて行こう。

 いや、でも、怖いな。

 彼女、今日で死ぬかも。



---後日談---



 昨日、シオンさん達は卒業。

 ギルゾックさんの店で、宴をした。


 マロンちゃんを連れて……。


 シオンさんは、「君だれ?」と、

 歩み寄り、マロンちゃんの顔を真っ赤にさせてた。


 それを見たリリーさんとミリアさんは、マロンちゃんに向けて魔法を放った。


 近くにシオンさんがいたおかげで、彼女は死なずに済んだ。


 ……そう、これなのだ。

 彼に近づく女は、殺されるのだ。

 いや、流石にそれは誇張しすぎだが。

 危険なのは間違いない。


 なにせ、リリーさんと、ミリアさんは、

 学園最強の女生徒と記録されるほどになっている。


 その2人が、シオンさんLOVEなのだ。

 今までも、彼に近づいた女はいた。

 しかし、瞬きすると、いなくなってた……。

 もう、それが怖くて怖くて!


 あ、ちなみに、マロンちゃんは反撃しました。

 その勇敢さに、ボクは感動した。

 酒場で女達の争いが起き、

 ギルゾックさん半泣き。


 戦は、30分以上繰り広げられ、

 いつしか、マロンちゃんは認められていた。


 シオンさんは、なにが起きているのか理解できてなかった。

 少し呆れてしまう。

 鈍感にも程がありますよ。

 

 ボクもシオンさんが好きだっていうのに……。


 

おわり

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