↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
記憶消された復讐者  作者: 納豆にはネギ
第3章 魔王の娘編
22/36

第二十話「掃除掃除掃除」


 マリアの研究室を掃除しだして10分が経過した。

 俺は必死にぜぇぜぇとやっているのに、

 この子、いやこいつはなに一つしない。

 なんなら、愉快そうに見てくるだけ。


 それでも俺は苦じゃなかった。

 なぜなら落ちているゴミが面白かったからだ。

 もちろんただのゴミもあったが、

 中には魔法陣の途中式、開発魔法の途中式、謎のアイテムや、謎の武器など。

 いろいろな物が落ちてたのだ。


「これもらっていい?」と聞くと、勝手にしろと言ってくれたのでたくさん貰った。

 しめしめ、途中式まで書いてくれている。

 俺がこっそり完成させてやるぜ!!


 そう思いつつも掃除を着実に進めていった。

 

---


「ふぅ」


 終了だ。

 なんということでしょう。

 足場を探す方が難しかったこの部屋が、

 床もピカピカ、物一つない!


 いや、それは少し盛ったけどね。

 俺はタオルで汗を拭き、達成感に浸っていたら、サボりマリアちゃんが話しかけてきた。


「はっは! よくやったぞ、でかしたでかした! 何か褒美をやろうか?」


「褒美?……うーんそうだなあ」


 別に褒美欲しさにやったわけではない。

 なので特に思い浮かばないが……。


 あ!そうだ。

 魔王の娘について知りたいな。

 彼はあまり探らなくていいって言いそうだけど。


「魔王の娘ってどこにいますかね?」


「うん、魔王か。そして娘とな」


 ……!しまった。

 魔王は倒されたことになっているし、

 娘なんて言ってしまったら……!!!


「おもしろいな。よかろう!! 占ってやる! 魔王の娘がどこにいるか!」


「あ、あれ?」


 なんだろう。

 魔王が生きてるの知ってるのかな。

 あまり驚かれなかった。


「あの、魔王が生きてるってことは……」


「うん! 知ってるぞ! 昔、試しに占ったら魔王が普通に生きてたから驚いたぞ!」


 なんだそれ……。

 マリアに隠し事は不可能じゃないか?

 怖い、ちょっと怖いぞ。


 

 そして、マリアは娘さんを占ってくれた。

 ……なんとその結果。


 娘さんは近くにいる。

 というのが見えたらしい。

 でも近くって?王国内?

 それとも学園内?まぁそれを知れてよかった。


 俺が知りたかったのは、正直まだ生きているのか。

 そのことについて。

 魔王が会えていないと言っていたあの時、

 とても悲しそうだった。

 生きているかどうかも知らないようだった。


 だから今度教えてやろう!

 俺の近くで生きているって!


「だが、不思議だな」


 突然マリアがそう言った。


「なにが?」


「いやな、ウチはかなり見える。詳細な場所も、その者の顔も名前も。

 だが、今回は場所だけしかわからなかった」


 確かに。

 前に、アペプ一族を占ってもらった時、

 結構具体的なものを教えてくれていた。


「魔王の娘、生きてはいるよな?」


「うん! 生きてるな! 場所がわかるし!」


 安心した。

 それが分かれば、それ以上のことは知れなくてもいい。


 俺はマリアに礼をし、その部屋から出た。


 ふぅ。なんかどっと疲れが今きた。

 トボトボと学園内をうろちょろする。


 すると、とってもでかい建物があった。

 近くに行き、その建物の名を読む。

 それは『闘技場』と書かれていた。


 この学園は、たまにトーナメントで戦うようなイベント?試合?があるらしいし、

 単純に模擬戦もできるっぽいな。


 うんうん。

 なんかすごくいい!俺もしたい!

 自分で言うのもなんだが、俺は強い!

 かなり強い。

 復讐のために、人の何百倍も努力した。

 

 ……今となっては行き過ぎた力のようにも感じる時がある。

 けれど、いつかきっと役に立つとそう思いたい。


「オラァァ!」


 ん?闘技場から咆哮のようなのが聞こえた。

 魔物ではない、男の声だ。

 だれか模擬戦でもしてるのかな。


 俺は中の様子が気になり、闘技場へ入ってみた。

 そこにいたのは男1人と女2人。

 1対2の魔法勝負って感じのことをしている。


 なぜ1対1じゃないのか。それはみてすぐにわかった。

 実力差を考えてのことだろう。


 ガタイがいい男の人。

 彼は魔法が得意みたいだ。

 しかもその体格。万が一があっても力で勝てそう。


 そして女の人2人。

 彼女らは魔法が普通くらい。

 だから2人がかりなのだろう。


「……」


 それにしてもいい試合をしている。

 男は目がいい。

 女2人の連携プレイにも対応できている。


「いくわよ! ライ!」


「あぁ! いくよ! アイ!」


 アイとライという名前らしい。

 そして、ライはアイの背後で魔力を貯めている。

 その間、アイは男の相手をしている。


 ……この魔力、この魔法は。

 ダメだな。止めに行こう。


 俺はライの異変に気付き、すぐさま止めに入った。


「やめろ!」


 間一髪というところで防御魔法を発動し、大事には至らなかった。

 そう、大事には……。


「なっ!!!」


「えっ!?」


 ん?まだ遠くにいるライは魔力を貯めている!?

 ……やばい止めないと!


「発動!! 世界崩壊!!」


「あぁ!! くそっ、シゴロス防御!」


 男とアイにシゴロス防御をかけた。

 そして、ライが貯めていた魔力にも。

 

 ……ライというあの女め。

 何をやっているんだ本当に。

 

 俺は、先程からなにを焦っているのか?

 それは彼女が放った魔法。世界崩壊。

 この魔法は名前こそチートみたいだが。

 

 そこまで威力はない。

 けれど、魔力をどれほど貯めるかによる。

 彼女の魔力は案外多く、最大火力で放ってしまったのだ。


 そして、俺が防げなかった場合。

 この闘技場は爆発し、俺は3人とも見殺しにしてしまうところだったのだ。

 ていうか、世界崩壊は、戦争用に作られたとされる魔法。


 学生が使っていいはずがない。

 授業でも習うはず。


 俺は3人を真ん中に呼び出した。

 そう、お説教タイムだ。


「君たち、何歳か知らないけどさ、あれはダメでしょう」


「バルクっていう名前っす。俺たち16歳っす。……ほんとすんませんでした」


「ライがご迷惑をおかけしました」


「……なっ!? アイが使えって指示したんでしょ!?」


 はぁ……年下か。

 いや、でも一つ年下でこの子供っぽさ。

 なんなんだこいつら。


「ほんとに反省してるの? 3人とも」


「……」


「は、はい! アイがすみませんでした」


「は、はい! ライがすみませんでした」


 

 説教してもあれだし、反省してるようなので、すぐに帰した。


 しかし、俺が闘技場を出ようとしたその瞬間。

 あの3人の意味不明な発言が、遠くから聞こえてしまった。


「あーあ。惜しかったなお前ら」


「そうだね、アニスさんに言われてたのに」


「まぁまぁ。次はあの先輩がいないところで使おう!  世界崩壊を!」


 ……聞き間違いかな?

 いやそんなはずはない。はっきり聞こえた。


 さっきあれほどいったのに、まだ懲りていないのか?

 ていうかアニスってだれだ。


 俺はあの馬鹿どもを追いかけようとした。

 ところがすでに姿を消していた。

 

 バルク、アイ、ライ。

 次見つけた時は牢屋に入れるか。


 そのレベルの犯罪なのだ。

 あんな魔法作られるのがおかしかった。


 ……いや、1つだけ、俺も作ったな。

 憎しみと復讐心だけで作ったあれ。

 アルゴス。

 もう2度と使わないだろう。


 まぁ……あれは人殺しにしか使えない魔法だから、まだましか。


 そんなことを考えつつも、俺は後悔しながら、


 魔法学園の男子寮へ帰宅した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。