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記憶消された復讐者  作者: 納豆にはネギ
第2章 復讐編
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間話「ミリアの恋」

 

 私はあの日、恋をした。

 

 お兄様と一緒に、馬車を乗っていたあの日だ。

 盗賊と出会した私達双子は、何もできなかった。


 盗賊を倒せるか倒せないかでいうと、もちろん倒せはする。

 けれど私、ミリアは王女。

 お兄様であるアイクは王子。


 そんな立場もあって、人である盗賊に向かって魔法なんて放ってはいけない。

 それでもお兄様は倒そうとした。


 私はそれを止めようか悩んだ。その時。


 窓からとても綺麗な光が見えた。

 何かと思い、窓を少し覗く。


 そこには男性が立っていた。

 黒い髪の毛、黒い瞳。

 

 彼は、10人ほどの盗賊を、

 見たこともない魔法を使い、瞬時に拘束していた。


 もうそこで私は恋に落ちていたのだ。

 こんなに強い人は見たことがない。

 こんなに綺麗な魔法は見たことがない。

 

 こんなにも、頼れる人を見たことがない。

 

 そんなことを考えていたら彼が、ノックしてきた。

 私はとても慌てた。お兄様はすぐに出ようとしたが、それを止めた。


 まずは第一印象が大事。

 髪も今のうちに整えて。

 笑顔も忘れずに。

 

 何度も馬車内にある鏡を見て確認した。

 よし!と思い、扉を開ける。


 心の中で、驚愕した。

 窓越しに見たよりもかっこいい。

 

 色々、礼を済ませてお兄様も出てきた。

 

 彼はすぐに戻ろうとしていて、

 ここでさよならなんて嫌だったから、

 引き止めてしまい、そこからはたくさん会話ができた。


 はぁ。喋れば喋るほど好きになってしまう。

 声も好き。髪も好き。瞳も好き。

 シオン・グラジオラス。その名前も好き。

 何もかもが大好きになっていた。


 会話ごとに鼓動がバクバクと動いてしまう。

 バレていないだろうか?

 そんなことばかり考えてたりした。


 ホンギル王国につき、

 シオンさんの隣で歩けた。

 魔法について質問もできた。


 でも、リリーさんが厄介かも知れない。

 女の勘だが、この人もシオンさんのことが好きだと思う。きっとそうだ。うん、敵だ。


 私達のお城に着いた。

 この時、父上に話そうと決意した!

 婚約をさせてほしいと!


 緊張しながらも、婚約したいとちゃんと言えた。

 シオンさんは驚いていたけれど、私はそんなの気にしない女なのだ。

 早くしないと!誰かに取られる前に。


 ……ダメだった。

 やっぱりリリーさんに止められた。

 父上は反対してなかったのに……。


 まぁでも、シオンさんが『こ、婚約は……ちょっと今は……』と言っていたので、きっといつかしてくれるに違いない。

 そう思い、一旦保留にしておいた。


 

 はぁ……シオンさんに早く会いたい。

 どこへ行ってしまったの……私の王子様!


「……い!……おい! ミリア!」


「はっ!!」


 おっと。しまったしまった。

 シオンさんのことを考えていたら、ボッーとしてしまっていた。


「なんですか? お兄様」


「もう……さっきから呼んでたのに。

 ここ、ここ教えて!」


 今は授業中だ。

 そして、隣の席にいるお兄様が呼んでいた。

 わからない箇所があったからだと思う。


「あー。ここはですね……こうこうこうで……」


「……! なるほど! ありがとうミリア!」


「いえいえ!」


 私たちは双子。

 顔も似ているし、

 魔法の実力も同じくらい。


 でも、魔法の得意不得意が真逆なのだ。

 だからいつも教え合っている。


「ていうか、ミリアさっき

 シオンくんのこと考えてたでしょ」


「え!? なんでわかったんですか!?」


 やばい。

 それほど顔に出ていただろうか。

 ……いや、双子だから考えていることが分かるとかそんなことだよね。


「うん。顔が溶けてたよ。ほんとシオンくんのこと大好きだね!」


 ……普通に顔に出てました。

 溶けるってなに?

 ふにゃー。って感じ?

 ……恥ずかしい。


---

 

 授業も終わり、お兄様はマリア博士の研究室に、

 私は気分転換に校内で散歩をする。

 広くて綺麗なので楽しい。


 すると、男子生徒が騒いでるのを発見。

 

「なぁ! さっきの美人だれ!?」


「え、わからねえ。ウチの生徒じゃなくねえか?!」


「どんな人だった? 教えろよ!」


 男の子は楽しそうで良いね。

 私も混ざってシオンさんがかっこいい事を自慢しようかな?

 

 その時、1人の生徒が話題の美人の特徴を言う。


「えっと、青い髪のツインテール!」


 ……ん??それって……

 リリーさんじゃない?

 美人で青い髪でツインテール。


 私は男子生徒が見たという場所へ向かった。

 リリーさんに会いたいというわけではない。

 もちろんシオンさんに会うためだ。


 会いたい会いたいと。

 私は、胸の鼓動が高鳴った気がしていた。

 


---


 場所とは、学園の入り口付近。

 そこに今、私は到着した!


 そしてとてもかっこいい人がいた!

 周りに2人ほどいるがそんなのどうでもいい。

 ……ん?知らない女の子もいますね。

 まあいいや。


「シオンさーん!!!!!」


 私はシオンさんに手を振りながら走って行った。

 

「……? あっ、ミリア! 久しぶりだな!」


「はい! 待ってましたよ!!」


 はぁ。幸せすぎる。

 この人はなぜこんなにも素敵なんだろう。

 声を聞くだけで顔が熱くなる。


「ちょちょ、ミリア! ストップ!」


 ちっ。リリーさんめ。

 この人はいつも邪魔ばっかりしてくる。

 やっぱり敵だ敵だ!恋敵だ!!


「なんですか! 私たちは会話中です!!!」


「いや、シオン疲れてるから! 今日は寝かせてあげて!」


「……え?」


 え、え?そうだったの?

 シオンさん疲れてるの……?

 ってことは私とんでもないことを!


「す、すみません! シオンさんが疲れてるとは知らず!」


「いやいや、大丈夫だよミリア。でも今日はゆっくりするね。また明日喋ろう」


「はい!! おやすみなさい!」


 そして3人と謎の女の子は学園内にある、

 誰でも使用可能な休憩部屋まで行った。



 はぁ。私はさっきからなんてことを。

 少し自制しなければいけない。

 好き勝手していたら迷惑をかける。


 よし!明日からは良い子でいよう。

 良い子ミリアちゃんでいよう。

 それでシオンさんにアタックしよう!

 

 そう決めて、私は学園の女子寮へ帰宅した。




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