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記憶消された復讐者  作者: 納豆にはネギ
第2章 復讐編
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第十五話「ボクっ子少女」


 どうして……ボクは、こんな所にいるんだろう。

 どうして……ボクは、家族を殺されたんだろう。

 どうして……ボクは、逃げられないんだろう。


 いや、そんなことを考えても無駄か。

 ボクはあの日、ある人達に全てを奪われた。


 そして、アペプ一族という集団へ勝手に参加させられた。

 その理由はボクが、呪い魔法持ちだからだ。

  

 たぶん、呪い魔法を持ってるせいで、

 家族を殺されたのも全部自分のせいなのかな。

 


 ボクは……過去に1人だけ呪いをかけてしまった。

 2年前くらいになるんだろうか。

 あんまり覚えていない……。


 でも、あの人はとても強かった。

 もしかしたら、助けてくれたのかもしれない。


 ふふ。

 そんな願望を持ってても仕方ないか。


「オラァ! シビア、さっさと酒入れろや!」


「は、はい!!! すみません……」


 始まった……。


「はは! ガゼル、あんまり虐めたらダメだよ! 

 死んじゃったらどうすんの!」


「フン、いっそ死んでもいいんじゃないか? 

 最近役に立ってるところを見ていないぞ」


 彼らは、ボクの背中を蹴りながら喋っている。

 これが毎度のこと。


 そして、彼らこそアペプ一族の男3人。

 ガゼル、ビズリス、ロバルタ。

 

 ボクの名前はシビア。シビア・ソーティア。

 このグループ唯一の女。

 

 女だからと言って性的なことをされた事はない。

 彼らがいうには、ボクは呪い魔法持ちだから、汚いだとか。


 『こっちのセリフだ』と言いたいのも我慢しなければいけない。

 奴隷魔法を……かけられているから。

 従わなければいけない。

 攻撃も許されない。

 

 

 ほんと、このまま死んでいくんだろうな。

 ボク……。


 そんなことを考えつつ、汚れた部屋の端にチョコンと座った。

 3人は真ん中でソファを置いて、そこに座っている。


「それにしてもよぉ! この村最高じゃね!?」


「たしかにね! ロット村って案外汚くないし!」


「フン。それに広いしな」


 嫌でも話が聞こえてくる。

 静かになった事は一度もない。


「それでよぉ。次はどこにする?」


 ……これが1番聞きたくない。

 「どこにする」それは、

 次にどこの家庭を壊すか。そういう意味だ。


「そうだね! この前見かけた家族が幸せそうだったよ!」


「ホウ。それは壊したいな」


「……」


 壊したくないです。

 なんて言える訳もなく。


「な? シビアも壊したいよな? な?」


「……は、はい」


 勝手に口が動き、賛成してしまう。


---


 1時間が経過した。

 彼らは、作戦会議をして、それが終了した。

 家庭を壊すことに、作戦会議なんてしないでほしい。本当に気味が悪い。


「てかよぉ! あんときやばくなかったか!?」


「かは! またその話ー! まぁやばかったけど!」


「フン。私も死ぬかと思ったぞ」


「……!」


 この会話はいつも聞き入ってしまう内容だ。

 ボクは、こっそり聞き耳を立てる。

 

「あいつ、名前なんだっけか! 忘れたけどよぉ!   あれはもう怪物だよな!」


「そうだね! 魔物よりも魔物だったよ!」


「フン。魔王よりも強いだろうな。戦った事はないが」


 

 その人物は、黒髪黒目の男。

 記憶消去の呪いをかけてしまった人でもある。

 ボクと同じで、こいつらに家族を殺されたらしい。

 ……今頃きっと、ボクのせいで全て忘れている。


 でも、本当に強かった。

 アペプ一族の3人はとても強いはずなのに、

 手も足も出ていなかった。

 

 もし、あそこでボクが呪いをかけなかったら、どうなっていたのだろうか。

 

 奴隷でなければ、必ず呪いをかけていなかったのに……。

 ふっ、それは言い訳か……。

 

 そんな後悔をしていると、ガゼルがこっちにきた。

 

「あんときはお前の呪いが助かったぜぇ! 

 あ・り・が・と!呪い持ち!」


 煽られている。

 呪い持ちという最悪のボクを際立たせてきている。


 その赤い髪を燃やしてやりたい。


 すると、次はビズリスがやってきた。

 すごくニコニコしながらゆっくりと歩いて。


「シビアは〜! 死ぬまで俺たちの奴隷だよ! 呪いを色んな人にかけてね!」


 嫌だ。

 こんな呪いを人にかけていいわけがない。

 これでもボクは、1人にしかした事ないんだ。

 

 ……これ以上増やさせないでくれ。

 それにしてもこの紫髪……きもちわるい。


「フン。シビア。お前はさっさと死んだらいい」


 黙れロバルタ。遠くから喋りかけてくるな。

 死ねっていうけど、

 ボクは14歳で、お前は50歳だろ。

 先に死ぬのはお前だよじじい。


 ……ふぅ。

 心の中では言いたい放題できるのが救いだ。


「どうせよぉ! 

 しょうもないこと考えてんだろシビア!!!!」

 

「ゴン!!」


 あ……痛い。

 視界が……赤い。

 なに……?殴られた?いや、蹴られた。

 顔面を蹴られた。……やばい意識が……。



「もー! 蹴るのは俺にやらせてよ!」


「フン。私もやりたかったな」


 う……るさい。

 1番やりたいのはボ……クだ。

 もう……やだ。誰か……助け……。

 

 「バタンっ」

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