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記憶消された復讐者  作者: 納豆にはネギ
第2章 復讐編
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第十四話「準備完了」


 俺の脳には、瞬時に全て写し出された。

 アペプ一族の今いる場所、

 4人は今何をしているのか。

 そんなことが写真のように見えたのだ。

 

 そして奴らの所在地。

 そこは、このホンギル王国内だった。

 

 けれど王都と呼ばれる、

 この都会な国にも、魔物の襲撃によって潰れた村がいくつか存在する。

 

 その廃村の一つ。『ロット村』だ。

 ロット村にいるのだ。

 4人がいるのだ。

 固まっているのだ。


 これはチャンス。

 今すぐにでもロット村に迎えば、一斉に殺せる。

 

 でもそう焦ってはいけない。

 焦りすぎた結果、以前のような醜態を晒してしまう可能性もある。


 幸いにも、あの連中は動く様子がない。

 廃村で一体何をしているのかは知らないが、

 

 今やるべきことは、リリーとギルゾック。

 彼らを鍛えるんだ。


 俺の開発魔法を伝授して、強くなってもらわないといけない。

 これは保険。

 

 もし、アペプ一族が、

 俺以外を攻撃しようとして、それを俺が防げなかったら。

 

 そのための保険である。


 最初から4対1で戦うつもりではある。

 いや、戦うといってもすぐ殺せるだろつけどな。


 

 俺はリリーとギルゾックに、奴らの居場所を突き止めたと伝えた。

 そして、今から鍛えるとも伝えた。


 ミリアとアイクは、何が何だかよくわかっていないけど、

 魔法を練習するのにいい場所を教えてくれた。


 そこは、この魔法学園の体育館で

 『魔法訓練体育館』と言う名らしい。


 ミリア達は、王子と王女でありながら、

 王都魔法学園の生徒でもあるので、

 体育館を貸し切ってくれた。


 マリアは魔法を開発するといい、引きこもる宣言していた。


---


 体育館でリリーとギルゾックを鍛えて約3日が経過した。


「はぁ……はぁ……し、しぬぅ!」


「これは……しんどいな」


 別に休憩を与えていなかった訳ではないが、

 魔法は魔力を使う。その分疲れている様子。


「2人ともお疲れ様! 結構覚えたな!」


 自分の開発魔法を全て教えた。

 数十個中、リリーは4つ、ギルゾックは2つを使えるようになった!

 

 リリーの覚えた魔法は、

 ・青ファイアーボール

 ・空間魔法

 ・超加速移動魔法

 ・シゴロス防御



 ギルゾックの覚えた魔法は、

 ・青ファイアーボール

 ・シゴロス防御



 この中で1番大事なのは『シゴロス防御』。

 これは習得難易度がかなり難しいが、

 

 俺は心を鬼にして、この魔法を習得させた。

 理由は強いから。

 自分を守れるからだ。


 シゴロス防御は、どんな強力な攻撃でも、一度は防げる。

 それ以前に、ある程度の攻撃は無効にできるほどの防御力を誇る、俺の自慢の魔法だ。

 

 これで、

 2人とも自分の身は自分で守れるようになった。


 俺はタオルと水を渡した。


「リリー、ギルゾック。

 お前達は、かなり強くなった。

 準備完了だ。……そして最後にお願いがある」


「……」


「……」


 リリー達はその言葉で静かに頷いた。


 その様子を確認して、お願い。

 というよりも、頼みがあることを伝える。


「まず戦闘になったら、2人はシゴロス防御を自分にかけろ。そしてできるだけ離れていて欲しい」


 なにがあっても、こいつらに危害を加えさせたりはしない。


「はいはい! シオンの暴れっぷりを眺めておくね!」


「まぁ、俺たちが戦わないのは……なんか……あれだが、がんばれよ!」


「ありがとう」


 そう言って、俺達は体育館を出た。



 そして、ロット村へ向かう。

 ……と、思っていたのだが。


「ちょ、ちょっとまったー!!!!」


 ん、?結婚式に乱入してきたりするあのシーンか?

 いや、違うな。


 こいつの姿は金髪で青い瞳。

 そして美人。


 うん。ミリア・ホンギルちゃんだね。


「な、なに! ミリア! 今いい感じのところだったのに!」


 リリーがそう言った。

 俺もいい感じに出発できると思ったんだけどな。

 台無しだ!


「皆さん揃って、結局どこへ向かうのですか?!

 私、シオンさんと離れたくないんですけど!」


 ミリア達には、学園から離れることを伝えるのを忘れていた。


「み、ミリア? 俺達は、

 ある事が終わったら、ここへ戻ってくるつもりだから!」


 そう。戻ってくるつもりである。

 アイクがリリーに氷魔法をまだ教わっていないというのもある。


 が、普通にこの学園が楽しい。

 前世では色々あり、世界に色がついていなかったように見えた。

 青春とかなかった。学校が楽しくもなかった。

 

 できる事なら、復讐が終われば王都魔法学園に入学でもしようかな。


「そ、そうなのですか?」


「あぁ。だから……待っててな」


 そう言って、ミリアは渋々納得してくれた。

 本当に俺なんかを好いてくれて嬉しいものだ。

 ……時々騙されてるんじゃないかと思うけどね。

 

「よし!」


 次こそは学園を出て、ロット村へ向かう。

 次来る時は、青春を楽しもう。


 そう心に誓ったのであった!


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