これからの私の気持ち①
その笑顔を見たお母さんが私を抱きしめたところで二人が親子に戻ったんだなーとなんとなく感じた。
お母さんもそう思ったのか、私の手を握ってくれる。
久しぶりに感じたお母さんの温もりはなんだかこそばゆいけれど暖かくて、安心する。
二人で車の中に入ると、お互いの話しをし始めた。
「へー、再婚の人って雅之さんって言うんだ?」
「そうよ、それに芳樹っていう小学生の子供さんがいるの」
「そっかー」
「うん。最近は料理もしてるんだけど、だめね。ブランクが大きくて美佳みたいな美味しいものが上手く作れないのよ」
「そうなの?」
「そうよ」
「そっか……
でも私の料理を教えてくれたのは、お母さんなんだからなんだか変な感じする。」
「え、私は教えたつもりないけど……」
「ふふーん、いっつもそばにいたでしょ。見て覚えたの」
「そっか……グス……」
「あ、お母さん泣きすぎだよー」
私は慌ててティッシュをさしだす。
「うう、ごめんなさい」
両目の涙を拭いながらお母さんは少し笑っている。
それはたぶん嬉しいからだ。
私との久しぶりの会話ができたことが……
そう私は思う。
「それで、美佳はいつ戻ってくるの?」
そしてお母さんの涙が渇いた頃にそう言われて焦る。
確かに私はお母さんと仲直りをした。
それは嬉しいことだ。
だけどこの後どうするのかまでは正直なところまだ決めていなかった。
もし、お母さんのところに戻るとなればそれはそれでいいのかもしれない。
普通にいろんなことをこれから話しながらくらすのもいいのかもしれない。
今までの私は忘れてこれからの新しい私になればいいのかもしれない。
そうだよね。
私もお母さんともう一度暮らしてみたいし、ちゃんと返事しないと……
そう思って顔を上げるといつの間にか伯母さんの家の前についていた。
「やっぱりさっきのなしね。
私に気を使って自分の気持ちに蓋するのはダメよ。
だからもし本当に私と暮らしたくなった時に戻ってきたらいいの」
そしてお母さんは私より先に車を降りると助手席をあけながらそう言う。
そうだよね。
ちゃんと戻ったんだもん。
私のしたいことをすればいいよね……
そう考えた私は自分の部屋に戻って制服に着替えた。




