私の記録①
そして時間はすぎる。
あの後メールで知らされたことだけど、どうやら雅人君女の子バージョンに声をかけたのもあの男だったらしい。
だから明日はいいよって言われたけれど、私は来ていた、雅人君の家に。
「いらっしゃーい」
「お邪魔しますね」
「うん」
事件も解決して満面の笑顔で迎えてくれる愛美を見ながら嬉しく思う。
そして早速、雅人君と愛美の二人を雅人君の部屋に呼ぶ。
「あのね、話したいことがあるんだ……」
そう、昨日帰って決めた。
友達に頼るということはちゃんと私の口から言わないといけない。
それに昨日迷惑をかけてしまったんだから、なんであんなことをしようとしたのかの理由をちゃんと言いたかった。
もしそれで幻滅されたっていい。
それは私が悪いことだから……
でももし、私の言葉が……
ううん、それはちゃんと言ってから考えることだよね。
一つ深呼吸をして正座をする。
そしてまずは頭を下げた。
「昨日はごめんなさい」
「いいよ、上手くいったことだから」
「そうだって、それに俺の方こそ助かったよ」
「そうだね、愛美の方はともかく雅人君だと私の方が迷惑を受けた可能性あるよね」
「あははは、言われてるよ、お兄」
「るせぃ」
三人で少し笑ったところで、私は表情を引き締めた。
「あのね、聞いてほしいことがあるんだ」
「そっか、お兄は外出てて」
「え……」
「いいから……」
そして顔をまだ伏せたままの私のことを見えないようにして雅人君を愛美は追い出すと私のことをギュッと抱きしめた。
「大丈夫だよ、美佳には私こと愛美がついているからね」
「うん……」
「だからほら、ギュッとしなさい、ギュッと」
「うん……」
私はなんとか震える手で愛美の背中をギュッとする。
知らないうちに涙はポロポロと頬をつたう。
「泣くの我慢していたんでしょ、美佳も意外とバカだよね」
「うん……」
「そこでうんって認めていいの?」
「うん、愛美になら、友達にならそう言われてもいい」
「わ、それって恋人にいう台詞だと思うけど」
「そうなの?」
「うん。変なとこで純粋?」
「なのかな?」
話しはそれ始めた。
それはたぶん気をきかせてくれている愛美の優しさだろうと思うけれど、私は話しておきたかった。
今の私の価値というものを……




