助け合うというのはこういうこと②
ということでとりあえず愛美ちゃんをベッドに寝かせたまま、今度は雅人君に向き直る。
「あの、さっきのことなんだけど」
「ああ、すまない……」
そう言って少ししょぼくれる雅人を見て私も少し笑ってしまう。
別に怒ってなんかいないのに、そんな表情をされるとなんだかおかしく思ってしまう。
「でも、それならなんで愛美さんにあのこと話さないの?」
「いや、それは……」
「あのこと?」
ベッドで寝転んでいても話しを聞いていたらしい愛美さんは体を起こしてこっちを不思議そうに見てそう言った。
えっと、知らないんだ。
ふふーん、だったらこうだね。
「あのね、愛美さん」
私はそう言いながらゆっくりと愛美さんの隣に座ると、ヒソヒソ話しができるくらいに耳に口元をよせる。
ちなみに、この時は雅人君の方ばかり見ていたせいで愛美さんの表情は見ていない。
そしてそんな私のことをあからさまに慌てた様子で見ている雅人君は、たぶんあのことを知られなたくないのだと思う。
どうしようかなー。
頭の中で考えたところで一つ思いついた。
「それじゃ、雅人君。愛美さんを生徒会にいれない?」
そしてそれを口にしたとき二人に驚かれた。
それはそうだろう。
というよりも私だってビックリしていた。
今の行動全ては私が少し抱いた欲望そのままにしていたからで、本当は全くこんな感じに人の弱みと言っていいのかわからないけれど、それにつけこむようにして何かを要求するなんてことは始めてした。
だけど今更どうにもならない。
それに少しだけど、こういうのもいいのかもって思ってしまった。
って、違う……
私のバカ。
そんなのダメに決まってるんじゃん。
だって、これは雅人君と愛美さんに迷惑をかけてしまうかもしれないんだから……
そう考えてしまうと私の頭の中が瞬時に冷えた。
「ごめんなさい」
私はたぶんいつも通りの声でなんとかそれだけを言うと、自分の荷物を持ってこの部屋から出て行った。
たぶん何か私に対して二人が言っていたと思うけれど、私は何も聞いていないかのように去った。
その後はどうやって家に帰ったのかわからない。
気づいたら家に帰ってきていた。
玄関に少し立ち止まる。
悩むの禁止。
私は自分にそう言い聞かせて、いつものように晩ご飯の準備に取り掛かった。




