助け合うというのはこういうこと③
夜ご飯はいつも通りの味だった。
そう自分では思う。
だけどなんだかいつもみたいな感じじゃない。
私は素早く食べ終わると、乃絵ちゃんと悠里をおいてさっさと部屋に戻る。
「ばふっ」
布団に少し勢いよく寝転ぶ。
何やってるんだろう。
自分にそう言い聞かせてみたけれど、なんだか落ち着かない。
昼間にあったことが頭からぬけなかった。
自分のわがままを言ってしまったことがまだ信じられなかった。
私は今まで一人だった。
だからわがままなんて言うことすらなかったし、逆に嫌なことでも率先してやってきた。
それが誰かのためになるならと頑張った。
そんな私だからこそ、人にそんなことは言っちゃいけない。
それに私さえ頑張ればお母さんが楽になってくれたから……
だから私は……
そうして少しだけ過去の出来事が頭をまわる。
自己嫌悪で少し吐き気がしそうだった。
それをなんとか抑えた私は時間をみてお風呂に向かった。
いつもよりのろのろと服を脱ぐとお風呂場に入った。
そして浴槽の蓋を取ると、ふわりといい匂いがする。
いつもと違う匂い……
そう思った。
いつもならもう少し甘いような匂いの入浴剤を使っているのに、今日は自然のような少し安心するような匂いになっていた。
なんでだろう?
そんなことを思っていると、不意にお風呂場の前にある洗面所の扉が開く音がする。
誰か入ってきたのかな?
そう考えているとお風呂場の扉がゆっくりと開かれる。
「一緒に入っていい?」
そこには少し不安そうな乃絵ちゃんが立っていた。
「大丈夫?」
そして入ってきてすぐにそんなことを言われた。
大丈夫ってなんのことだろう?
私はただ首を傾げて乃絵ちゃんの言ったことの意味がわかっていなかった。
そんな私のことを乃絵ちゃんはただ何かに耐えるようにして見ていた。
それにしても乃絵ちゃんのお胸大きいなー。
本当に私顔うずめていい?
そんなことを現実逃避気味に考えていた。
お風呂を上がるとまだ少しも冷めていない体を冷ますために外に出た。
今度は心配そうな悠里に話しかけられて正直戸惑う。
だって私は本当にいつも通りだもの、何も変わってない。
誰かを気づかって助ける。
それが私だから……
だけど本当は一度狂い始めた私の中の何かは確実に今はなおることはなかった。




