助け合うというのはこういうこと①
一通り指導を終えたところでがチャリと家の扉を開く音がする。
「「ただいまー」」
声はそろっているけれど、声は女の子と男の子になっている双子かな?
そう思っていると、慌てた様子の雅人君が服を着替えて元に戻る。
「あれ、誰かきてるのお兄?」
そして一目散にこの部屋に入ってきた双子の女の子の方がそう言ってから私の方をみる。
「ってあれ、美佳さん?」
「えっと、愛美さん?」
そこにいたのはクラスの中心人物となっている女の子の愛美さんで、よくよく似た男の子と喧嘩というのか話しているのかを聞いたことがある。
そんな愛美さんはこちらをもう一度確認すると、雅人君の方に歩いていく。
「あれ、お兄これって」
そして隠しきれなかった服が床に落ちていた。
あ、女性ものね……
でも、これって私が脱いだことにならないの?
もしかして変な誤解を生まない?
そう思っていると、愛美さんは納得した表情をして、こっちを向く。
「もしかして、お兄、美佳さんに知られたの?」
「ああ……」
それはたぶん、女の子になれることだろうと思った私は、ただ呆然とする。
知ってる人って私以外にもいたんだ。
そう考えた途端になんだか、少しおもしろくない。
だけど、先ほどから妙な視線も感じていた。
チラチラとこちらを見ている視線で、その視線をなんとか探すと、目の前にいた。
「えっと、愛美さん?」
「はい?」
少し裏返った声で返事を返してくれたのは先ほどからチラチラとこちらを伺っていた愛美さんで、今は顔を真っ赤にして明後日の方を向いている。
どうしたのだろうか?
熱でもあるのかな?
そう思った私はただ不思議に思って愛美さんに近づいて行って、おでこに手を触れる。
熱はないよね。
「わにゃー……」
ちなみに愛美ちゃんから変な声が聞こえたのはたぶんしんどいからだと思う。
私は少し決心を颯爽と固めると、すぐにお姫様抱っこをして雅人君のところのベッドに寝かせた。
「よし」
それを見ていた雅人君は呆然としていたけれど、すぐに笑いだす。
「なに?」
何か変なことでもしたのだろうか?
思わず疑問に思ってしまう。
そんな私は自分が天然だということに気づいていなかった。
そんなことを思うくらい私はその状況を理解していなかった。
その間、ずっと愛美ちゃんの顔は真っ赤だった。




