突然のデート計画⑦
ラーメンを半分ほどすすった頃、どこかの家のドアが開く音がしてそちらを向くと、そこにはなんと雅人君がいた。
「よー」
気さくに手を上げながらこっちに挨拶をする雅人君に、私は戸惑ったけれど、三人は違ったらしく同じように手を上げている。
そんな戸惑う私と雅人君の目があった瞬間、今度は雅人君も戸惑った。
そして頑張って何かを伝えようとしている。
えーっと、何々……
なんでここにいるのかですかって?
それは話せばいいことなんだけど、この距離で話すっていうのはなんだか近所迷惑な気がするし……
といっても二〇メートルほどしか離れてはいないけど。
だけど、どうしようか?
そう頭の中で悩んでいると、ここで舞姉から助け舟がでた。
「雅人君も一緒に食べませんか?」
「はい」
そしてその助け舟に、これみよがしにと便乗すると私の横に座る。
さっさと注文を済ませた雅人君はこちらにのみ聞こえるようにして小声で話しかけてくる。
「えっと、なんでこんなところに来てるんだ?」
「それは乃絵ちゃんたちに誘われて。」
「いやそれでもタイミングが良すぎないか?」
「うん?あれ聞いてないの、私って悠里やみんなと一緒に住んでいるんだよ」
「まじか……」
どうやら悠里は、私のことに関して信用できる人としか伝えていなかったらしく、このことを話してよかったのかなと後悔する。
だけど、いいよね。
私の方が雅人君の恥ずかしい秘密を知っているんだからね。
そんなバカなことを考えながらもゆっくりとラーメンをすすり終えた私たちは、まだお酒をゆっくりと飲んでいる伯母さんをおいて、夜の散歩に行くことになった。
ちなみに雅人君もついてきた。
少しの住宅の密集地をぬけるとすぐに田んぼなどのあぜ道が広がる。
そこから空を見上げた。
「星綺麗」
思わず口をでたその言葉は、私の本心だ。
田舎に来てからというもの、たまに暇があると夜の空をぼんやりと眺めていたくなる。
そんなにも都会と比べて綺麗な夜空に少し見とれていた。
そしてカエルの大合唱も聞こえる。
思わずカエルの大合唱を歌いたくなるほど、ゲロゲロと聞こえる。
それにしても、私は田舎に来てよかったのかな。
だからか、ふとそんなことを考える。
今日も始めてのことをした。
屋台でご飯食べたり、家族みんなで仲良くご飯を食べたり……
それは私が経験したことがないものだった。
そしてそこでふと頭の中に浮かんできたものを頭を振って無理やり忘れた私はそれを振り払うかのようにぐるりと体ごと回転させる。
嫌な願いなんか、飛んでいけー。
そう思いながら……




