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ザ――
水の音がして目を覚ますと、風呂場の床に寝そべっていて、足もお腹も濡れててびっくりする。
顔を上げるとシャワーの湯加減を調整しているだいきと目があった。
「おきたか」
だいきは長袖のTシャツを腕まくりして下はパンツしかはいてなかった。ちょっとぎょっとする。
下から見上げてるのも恥ずかしくなってきて、後ろを向こうと体をひねったら、だいきの手がお腹の下に回された。
「こら、逃げんな」
いや、逃げようとしたわけじゃないんだけど、と心の中で言い訳していたら、お湯をかけられてあっという間にビショビショになった。
背中からシャンプーの泡をのっけられる。手が大きいから撫でられる面積も広くて気持ちよかった。本当にこういうときの手付きは優しい。
しっぽやきわどいところに手が伸びてきたときは、逃げようともがいたが、痛くないのにびくともしないという絶妙な力加減でどうにもならず、うなってみたら笑われて、僕は鼻を鳴らすことしかできなかった。
泡を流されたあと、お決まりのように水を振り払って、だいきをびしょびしょにしてしまった。
怒られるどころか頭撫でられて、湯船に入れられる。僕が座ってちょうど肩までつかれるくらい、お湯が張ってあった。あれ、僕思ったより長い時間寝ていたんだろうか。
だいが出ていって戻ってきたと思ったら、服を脱いでて、急いでうつむく。そのまま沈んで鼻までつかってぶくぶくした。
ちらっと目だけ上を向けたら、ニヤニヤしてるだいきと目があって、隠れたくてなって頭の先までお湯に使ったけど、ぶくぶくしてたから息は全然我慢できなくて、しかたなく浮上したりした。
洗い終わっただいきはなんとそのまま湯船に入ってきた。もちろん逃げようとしたんだ。だけど
犬のままだとお湯のせいもあってどうしようもなかった。お湯をもう少しためるからと抱き上げられ、パニックになった僕は、人なら湯船の外に出れると、とっさの思いつきのまま人型になってしまった。
そのあとのことはご想像にお任せします。ゆでたこのように真っ赤になって、やっと離してくれて逃げるようにベッドに突っ込んだけど、僕は気づいたら犬になってて、そしてまただいきに捕まり全身を乾かしてもらうことになったのだった。




