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もうすっかり日が昇っているのを感じて、うっすらと目を開くと、目の前に黒いものがあった。まばたきを繰り返し、少し離れて焦点を合わせると、ハイエナの顔面だった。
だいきは僕のとなりで、伏せるような体勢で顔だけをこちらに向けて眠っていた。僕も伏せの姿勢をとって眠ってるハイエナを眺める。下から見るとまるで笑っているみたいだ。普段むすっとしてるのに、寝顔だけ笑顔なんて。ちょっと可愛いと思ってしまった自分が悔しい。
視線を感じて振り替えると、布団の小山から顔をのぞかせている柴犬と目があった。
人の寝顔を見ているところを見られた。
とっさに顔を反らしてしまった。鼻がむずむずするから舐めて、あくびもしたけど落ち着かず、結局起き上がって、着替えをくわえて風呂場に向かった。
とりあえず座って気持ちを落ち着かせる。ここで落ち込んじゃったら人型に戻れないからね。朝ごはんどうしようかな、カレーでいいか、と考えて、ぽんと人に戻った。
部屋に戻って、カレーの用意をはじめると、りくくんが近づいてきた。着替えを渡して、人になれるか確認してきてもらう。
「ふわあ」
冷凍ごはんをレンジにいれたところであくびが聞こえた。
だいきがベッドの上ですっぽんぽんだった。
はやく着替えるようおたまを持ち上げて脅すふりをすると、のろのろと着替えはじめた。
そこへ柴犬のままのりくくんが戻ってきて、だいきに驚くと僕の影に隠れてしまった。
「そんでどうする?今日はさすがに帰んだろ?」
カレーを食べ終わっただいきが、ベッドにもたれかかって言った。僕とだいきはテーブルを挟んで座っていて、僕のとなりで柴犬くんがドッグフードを食べていた。
今日は土曜日で、大学も休みだ。
隣を見るとりくくんが耳としっぽを少し垂らしてうなづいた。この様子じゃあ人型になるには、週末いっぱいかかりそうだ。だいきのせいで、怯えさせてしまったしなあ。
「今日、一緒にドッグラン行く?」
気づけばそんな言葉が口から飛び出していた。
何かしてあげたいという気持ちよりも、同族ともう少し一緒にいたいという思いが強かった。昨日の帰り道一緒に走ったけど、せっかくなら僕も犬になっておいかけっこしたい。
りくくんの耳としっぽが立ち上がった。一緒に遊んでくれそうだ。
「よし、行こう。親御さんともそこで待ち合わせしたらいいよ。近所に犬獣人専用のドッグランあってさ。ずっと気になってたんだよね」
僕は皿を片付けてリードやらを用意しに玄関に向かった。りくくんもついてくる。
「おい、犬専用って俺をおいていく気か?」
遅れてきただいきがしゃがんで言った。振り替えると、耳を垂らしただいきと目があった。うわ。出た。必殺上目遣い。
「だいきもそろそろ帰ったら?一緒に行っても、ドッグランのエリア内には入れないよ」
「俺も行く」
僕がわかったというまで、だいきは立ち上がらなかったので、三人でドッグランに向かうことになった。




