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 しっぽをだいきの手に下からすくい取られて、身動きが取れない。ドライヤーの風が上から当たってあったかかったけど、それよりだいきの手が熱かった。


 僕のしっぽは細長くて、大きなだいきの手は軽く一周してしまう。毛も長いほうじゃないから手の形がはっきりと感じられてむずむずする。


 ちゃんと乾くように、だろうけど、毛並みに逆らって撫でられたときはぞわぞして、思わずだいきの手をしっぽで叩きつけて腰を浮かせてしまった。


「こら、逃げんな」


 後ろからお腹に腕がまわされて引き戻される。


「もうだいたい乾いたから!」


 振り返って文句を言ったら、思いの外、だいきが優しい顔して僕のしっぽを撫でてたから、びっくりするやら恥ずかしいやらで、体温がグッと上がった。


 あついのがそんなに得意じゃないから、自分でやるときは先のほうがまだ濡れていてもやめてしまうのに、だいきはしつこくて、すっかり乾くまで離してくれなかった。


 根本のほうを特に警戒していたけれど、先っぽもだめだった。毛をかき分けて、だいきの指が出たり入ったりして、思わず声が出そうになってはを食い縛った。


 いい加減にやめろと言おうとして体をひねりかけたとき、テーブルの向こう側にいた柴犬くんと目が合い、キッチンからポコポコとカレーのはねる音がした。


 だいきがキッチンのほうを向いた一瞬の隙を見て、僕は床を蹴りあげ、顔の熱が冷めるように願いながらコンロに向かって走った。


 狭いワンルームだ。全然熱は引かなくて、すぐに後ろを振り替えることも出来なくて。


「りくくんのフード、僕ので大丈夫かな」


 大きな独り言でごまかし、ばたばたと体を動かした。



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