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猛獣の化け方ガイド  作者: 水蛍
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本日の収穫

椅子に座って、横長のテーブルに並べられた料理を手に取り。


ガツガツ!モグモグ!ガツガツ!!

うめぇうめぇ飯がうめぇ!!食わなきゃやってらんねぇぜ!!

魚、うめぇ!クリームシチュー(多分)、うめぇ!お茶、知ってる味と違うけどうめぇ!

膨らみのあるピッザァ!!うめぇ!


夜にピザとか育ち盛りには最高だぜ!ふぅー!


カルネ:「なんて品のない…………」


側から見ていたカルネさんがまた僕を蔑んでいる。

夕食はもう食べ終わったのかな?


ていうか、品?何それ美味しいの?

喰ねぇもんにこだわっていられるほど今の僕は余裕はないんだぜ!


ビオラ公爵夫人に途中まで送ってもらったけど、「このまま進んでいけばいい」って言ってすぐどこかに消えてしまった。

因みにカルネさんには怒られそうだから言ってない。

まあ大丈夫だよきっと!


それにしても、はぁ〜〜食わないとやってられないよ〜〜


まず朝はカルネさんね。

掃除がもう早過ぎて何やってるのかわからない。

適当にパァーっとやってるみたいな感じに見えるのにめっちゃ綺麗なんだよ。

もう魔法かと思うぐらい。


午後はセトさん。

雑な堅物。

カルネさんに近い匂いを感じるけど、ちょっと違う。

あれだ、仕事以外のことは基本関心のないタイプ。

仕事は淡々とこなすけど仕事以外の雑に処理していい部分は適当にあしらう感じだ。


そしてビオラ公爵夫人。

印象は、暗い!失礼だけど、どことなく闇っぽい感じがする。

あの人元からあんな感じだったかな?

最初に会ったのは檻に入れられて売られた時だったと思うんだけど……

あれ?確か銀髪に紅色の瞳じゃなかったっけ……?

瞳は暗くて何色かわからなかったけど、髪の色は……灰色?ぽかったような……


……………………いや、まさかね。


そんなそんな………………


僕:「カルネさん!こ、旦那様の奥様って、お一人ですよね?」


カルネ:「は?」


やば、唐突過ぎたか。

そりゃそうか、ここまで全部僕の脳内ミーティングなんだから。


カルネ:「…………奥方様に、お会いしたのですか?」


ん?


僕:「えっと…………ビオラ様に、道を案内していただいて……」


だよね?ビオラさんだけだったはず。

まさかもう一人いた?いやいなかったよ…………多分。

セトさんみたいな隠密スキルでもない限り、どんなに影が薄くても見えなかったなんてことはないはず。


カルネ:「案内!?ビオラ様に!!?」


僕:「あ、はい…………」


数瞬の驚愕の表情の後、みるみる眉間に皺がよって我慢しているようだけど口に強く力を入れて歯軋りが鳴りそうになっている。

大噴火の前兆を完璧に表現した恐ろしい顔をしている。

怖い。


首を振って辺りを見回すが誰もいない。


なんで食堂に僕たち以外誰もいないの?

皆んなもう先に食べちゃったの?


カルネ:「…………ッ………………ッッ!」


ワナワナしていらっしゃる。

落ち着いて!話せばわかるからまずは落ち着いて!

そうゆっくり息を吐いて吐いて、吸って、吐いて…………


カルネ:「…………ビオラ様は…………ビオラ様について貴方が知る必要はないのです。」


…………ノーコメント=肯定じゃないですか?

え、ええ?そういうこと??

でも顔は記憶と同じだったと思うんだけど…………


カルネ:「無駄話ばかりしていないでさっさと食べなさい!」


無理やり話終わらせた。

これは確実に何かあるな。

いやでも、これ以上色々知っても得することないだろうなぁ〜。

あ〜なんか色々面倒になってきた。

本当に、この屋敷は一体…………


<夕食後>


漸く自分の部屋に帰ってきた。


カルネ:「本来であれば見回りや明日の仕事に向けての準備があるのですが、今日はやめておきます。明日も、励むように。」


そう言ってカルネさんは扉を閉めた。

相変わらず睨む様な目つきで。

だから怖いんですって、カルネさん。


僕:「…………はぁ〜〜…………あ?」


部屋の中はなんとびっくり!

服や本、食器がぐちゃぐちゃに散りばめられていた。

誰だこんなことしたやつは!?


僕か…………フッ。

とりあえず適当にしまって……


僕:「明日片付けよう。」


床やベッドに散らかったものをひとまとめにして抱え上げ、机に乗せる。

そして、ベッドに飛び込む。

はぁああああああ!!


僕:「ふわぁ〜〜〜〜〜」


ふわふわ〜〜〜〜〜癒される〜〜〜〜〜

幸せだ、ああ幸せだぁ!


そうこれ!これだったよ僕が求めていたものは!

ふわふわの寝床に食事!!

あぁ、あの公爵のことは好きになれないけどこの幸せには抗えない。

生きてるって素晴らしい。


僕:「………………」


顔を上に向けて、考える。


今日、というか昨夜から今この時までで色々なことがあった。

その色々なことの中心には言わずもがな公爵、アルベド・ジル・ディオルネス。

あの公爵がこの歪な環境を作り出している。

仕事が大変だったていうのもあるけど、一番気になったのはやっぱりビオラさん。

カルネさんは知る必要ないって言ってたけど、そもそも道案内をしてくれたのは本当に公爵夫人だった?

似ていた気はするけど…………公爵夫人そっくりの人、影武者みたいな人がいるとか?


カルネさんが言い淀む時点で何かあるんだろうけど………アルシエラくんだけが本館ではなく別館に住んでいたことと関係あるかな?


う〜〜〜〜ん…………

結界のこともそんなに深掘りできなかったし、夜は迂闊に出歩けない。

カルネさんはどうやって廊下を迷わずに進んでいるんだろう?

セトさんの潜伏スキルもとい魔術や、アトラーネ・フラーケイルって人のことも気になるなぁ。

わからないことが多すぎる。


僕:「………………面倒臭いよぉ。」


はぁ〜〜〜〜〜、ひとまず、シャワー浴びて歯磨きして寝よ。

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