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勇者さまは無双がしたい(仮)  作者: アイネコ
ダンジョン探索編
57/74

ダンジョンの不思議 その2

暫くは3話毎にお休みを挟み、更新をして行きますので、よろしくお願いします。





 ダンジョン探索を一時中断して、次の段階に進む為にも、装備の強化をしたいと思います。


 ダンジョンで回収出来た新しい素材を使い、細かな強化を施していく事にします。


 とくに銅や錫は加工がしやすく、合金としても優秀です。

 錫は食器などもつくれるので、鍛冶初心者でもレベル上げにも活用出来るので、リユート村の産物に加える事も可能です。


 銅を使ったフライパンや鍋、ケトルやマグカップなども作って、色々とお試しで使ってみました。


「こりゃ、すげぇな。 銅がこんなにあるのもすげぇがよ、フライパンや鍋に使うたぁ、贅沢ってもんだよな! ガハハハ!」


「へえ、銅製品って贅沢品なんだあ」

「熱伝導が、いいんだったよな」

「電気を通したり、殺菌作用とか色々あった気がしますね」

「どんな金属よりも加工しやすく、様々な建物の装飾にも使われてますよ」


 電子部品とかのないこの世界でも、ドワイトさんが言うように、銅は様々な使い道があり、その有用性は高い鉱物であり、この世界でも貨幣となるほどに価値があります。

 単に多く産出するだけなら、鉄の方がたくさん流通するはずですが、銅の方が多く出回り貨幣に使われてる時点で、その価値が安定しているのだと聞きました。

 鉄は劣化したり、武器や防具となるのが主流で、貨幣としては向かないので、加工前の鉱石が貨幣として、取り引きに使われてるのだと思います。



 ◇◆◇



 思いつく物を一頻りつくり、サンプルとして職人さん達に託しました。


 生活雑貨などはリユート村へ、武具などはベースキャンプの職人さんが担当します。


 残るはお酒や発酵食品の開発と、まだ未完成な魔鉱石の研究となります。


「どうですか? 達也さん」

「ん? ああ、理恵ちゃんか。 うん、なんとかなりそうだよ」

「まじで!? マジで漬物が食えんのか!」

「おお! 懐かしの食、日本の味が再現されるのですか!」


 ダンジョンで手に入れたチーズを元に、錬金術で乳酸菌を抽出して増やし、現地の野菜を使って漬物の研究を開始しました。

 他にも、小麦や大麦などの酵母も研究に乗り出し、エールの製法も視野に入れて、実益を兼ねた趣味に邁進中であります。


「いやー、錬金術のレベル上げも大変ですなあ」

「うんうん、錬金術は奥が深いよね」

「だな。 錬金術のレベルを上げながら、漬物や酒がつくれるんだから、すげえよな。 ほんと、マジで尊敬っすわ」


 試作した漬物をいくつか用意して、適当に切って皿に盛り付け、爪楊枝をさして試食をすすめると、ニコニコと話し合いながら漬物を頬張ります。


「うん、うまぁ!」

「ほう、これはまた懐かしい味が…… うーん、美味しゅうこざいます」

「くーっ、白飯が欲しいぜ!」


 ぱりぱり、ぽりぽりと漬物が咀嚼される小気味よい音に、野菜と乳酸菌が織りなす香りは、口の中に清涼な風味を残し、いい塩梅で漬かった野菜たちを噛むたびに、旨味が溢れだしてきます。


 すっぱい物や、甘いものも好きな俺には、いい具合に漬かったお新香だけでも十分に満足できるのですが、やはり美味い漬物と、炊きたての白米の組み合わせは懐かしく、日本のごはんを想起してしまいます。


「やっぱり、お米が欲しいですねぇ」

「うんうん、お米は欲しいよね」

「はあ、米があればなぁ……」

「ですよねぇ……」


 しみじみと懐かしの日本の味を噛み締めながら、白米を求めて止まない呟きは、日本で生まれ育ったからこその、ごく当たり前の心情であった。



 ◇◆◇



 四人が、そんな事を思い過ごしている一方で、とある場所で修羅場に直面している人たちが居ました。


「うーん、ヤバいよー。 上は収まったけど、まだまだピンチなんですけどー!」

「大丈夫です? マスター」


 そこはダンジョンの最下層、達也たちが探索をしていたダンジョンの心臓部で、一人は人種であり、もう一方はこのダンジョンのシステム管理を担うNPCアバターであった。


 要するに、この会話の主である二人は、このダンジョンのダンジョンマスターと、そしてダンジョンコアが作り出した疑似生命体でありました。


「だってだって、まだあいつ等が居るんだよー。 上で好き勝手されてたネズミたちが居なくなっても、あの化け物たちが居座ってたら、何時までたっても地上に出られないでしょ!」

「落ち着いて下さい、マスター。 人種たちが倒したネズミのマナ(生命)回収で、DPダンジョンポイントが大幅に獲得出来ました」


 そう、この二人はダンジョンの支配者であり、管理人でもある存在なのです。


 今を遡ること、約一年と半年まえ、このダンジョンは生まれました。

 ちょうど主人公、前島達也がこの地に降り立った時に発生して、ダンジョンとして機能し始めます。


 そしてその半年後、このダンジョンは周りの魔物たちを引き寄せ、次第に取り込み、成長して行きます。


 その間に周辺に存在していたゴブリン達が流れ込み、今や彼らがダンジョンの支配権を奪う為に住み着き、防衛システムであるダンジョンコアは、マスターとなる人材を召喚します。


 そして、今現在を迎えている訳ですが、この状況は長く彼らを苦しめていました。


「もう、なんで私がこんな目に…… いい加減にしてよ! もうー!」

「大丈夫です、マイマスター。 我々の神が遣わした人種は、時期にこの事態の収拾に貢献してくれるでしょう」


「ホントかなあ? んー、その神様ってあれだよねぇ…… もう、マジでなんとかして欲しいんですけどぉ!」

「今回入手したDPを使い、彼らを支援しましょう。 防衛を強化して、人種と挟み撃ちをしても、十分なDPが御座います。 ご命令を……」


「むぅ…… やればいいんでしょ、やればあ! でも、これが終わったら、おやつにはプリンをだして貰うわよ! 生クリームものせなさいよ!」

「かしこまりました。 マイマスター……」


 そんなやり取りを、ダンジョンの奥深くにある場所で行われている事を、主人公たちは未だ何も知らずに居るのでした。





ダンジョンマスターの口調を修正しまた。

ボク→私、男子から女子口調となりました。

※2020.5/20修正



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