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勇者さまは無双がしたい(仮)  作者: アイネコ
ダンジョン探索編
54/74

ダンジョン探索の再開



 初日のダンジョン探索を切り上げて、俺たちは有用な素材を回収するべく動き出した。


 取り敢えず、木炭の保管ができる倉庫と、湧き水を運ぶ為の樽がたくさん必要なので、ダンジョンとは反対の場所の森を切り開き、倉庫の土地と木材の確保をします。


「えっと、ここいらを伐採で良いんだよね」

「ええ、10メートル四方でバッサリとお願いします。 木はいくらあっても良いですが、ここで増やしても直ぐには使えないですし、切った木はスキルで木材にしてしまいましょう」

「はーい。 木工のレベルあげしたいです」

「私も、土木を上げますか」


 こうして、一時間と掛からず、倉庫の土地と木材の確保は出来ました。

 あとは整地と、倉庫を建てる建材と石材の加工をして、湧き水用の樽をつくる準備を開始します。



 木炭の保存をする倉庫なので、水捌けのよい土地でないと、木炭の品質に良くないので、倉庫の床は石材を敷き詰めて行きます。

 隙間や目地には、石灰の粉を撒いて埋めてしまいます。


「木材の加工はどうしますか?」

「そうですね。 角材と柱は必要ですし、樽用の板もたくさん必要ですね」

「では、私と理恵ちゃんは板の方をつくりますね」


「はい、そちらはお願いします。 徹くんは、俺と倉庫を担当します」

「よーし、頑張るぞー!」


 樽用の板を木村さんと理恵ちゃんに任せて、俺と徹くんは倉庫の建築に取り掛かります。


 大きさ的には、10メートルも必要もないので、4(けん)(7.273m)程を使い蔵の様な建物をイメージします。

 まあ、瓦はないので蔵とは別物となるのですが、あくまでもイメージであります。


 土台は適当な大きさの石材を並べてゆき、その上に角材を固定して柱を立てて行きます。

 土木工のレベルと建築士のスキルであっという間に組立てられていく骨組みに、竹ひごの様に細く加工した木材を均等に貼り付け、そこに土壁用の土を塗り付けて行きます。


「うわ、はやぇ! こんな事も出来んのかよ!」

「いいから、口じゃなく手を…… いや、スキルを使いなさい」


 元の世界ではこんなつくり方だと、絶対出来ない筈の作業も、どういう訳か可能なので、考えたら負けなのです。


 文句や反論はなしに、ただひたすら土壁をつくり、屋根となる部分に板を貼ってなんとか形となって行きました。


「ほへぇ〜 もう完成です!?」

「これは、また早いですな」

「へっへっへ。 どうだ、俺の本気は!」

「いや、まだだし。 あとは壁に漆喰をぬったり、雨漏りしないようにちゃんと対策しないとね」


 まあ見た目的には完成なので、漆喰を塗付けて目地を埋めれば完了です。



 ◇◆◇



 倉庫の仕上げは後日にまわし、木村さんたちに作って貰った板で、湧き水を運ぶ樽を量産していると、そこへちょうどドワイトさんがやって来ました。


「よう、あんちゃん。 手配の方はしといたぜ」

「あ、お帰りなさい」

「「お疲れさまです」」


 そんな報告と挨拶を交わし、ドワイトさんは何やら思案げに呟きます。


「やっぱ、あんちゃん達はすげぇな。 オレらの中からも、こんな事が出来るようになんのかね?」

「どうでしょう。 薬師の方たちを見る限り、道具を揃えて使い続け、研鑽を積めば技術スキルは成長するといえますが」


「そうか…… そうだったな。 まだオレにも、出来ることはあるよな!」

「そうですよ。 私もあなたと同様に歳は食ってますが、まだまだ諦めるには早いですよ」


 ベースキャンプも含めて、年長者であるドワイトさんと木村さんは、肩を叩いてお互いを鼓舞しはじめます。

 お二人は意気投合したのか、互いの肩を並べて笑い、周りの人達にも伝わって行きます。


「どうかしましたか? ドワイトさん」

「うん、まあそのなんだ。 昔の仲間のことを思い出してな。 もう少し早くに気付いていれば、なんとかなったのかと思ったんだ。 ハッハッハ」


 俺たちはそれ以上は聞かず、今後の計画を話し合い、これから始まるダンジョンの探索に思いを馳せました。



 ◇◆◇



 数日後、倉庫の仕上げは終わり、木炭の回収や湧き水の輸送も始まり、その仕事に就く人達も到着したので、ダンジョンでの人材育成が始まります。


 この地に来て、村に移り住み、ダンジョンの開放が起きて、はや一年と約七カ月が経とうとしています。


 少しづつ成長する人々を見てきて、やっとここまで来れたことに、神に…… いや皆に感謝しました。


「どうした、あんちゃん。 大丈夫か?」

「ええ、大丈夫です。 ここまで来れたんだなと、思いまして……」

「ふむ、なんとなく分かりますね」

「お、俺も分かるぜ。 ははは……」

「お兄ちゃん、無理しなくてもいいんだよ」


 まあ、いまさら『ここからが俺たちの冒険が』とか言えないので、互いに何となく伝わっていると思い、改めて言葉にします。


「では、行ってきます!」

「おう! あとは任せろ!」

「「「いってらっしゃいや」」せ!」


 こうして、ダンジョン探索は再開し、その奥底で待つ危険に、挑戦する日々が始まります。




次回は、5月の更新を予定しています。

体調を見つつ、更新していくつもりですので、よろしくお願いします。



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