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勇者さまは無双がしたい(仮)  作者: アイネコ
ダンジョン探索編
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お酒の話

お酒の話ですが、あくまでも異世界基準ですので、未成年の飲酒は駄目です!

以上、よろしくお願いします。





 ベースキャンプでの工事も進み、報告を兼ねた補充をしに、村へ帰る事にした。


 日にち的にも一週間なので、食糧を補充したいとの事で、俺が戻ると申し出たからだ。


「明日には戻れると思いますが、なにか欲しいものはありますか?」

「ん〜、酒?」

「はあ!? なに言ってんの、お兄ちゃん?」

「お酒ですかあ。 そういえば、ドワイトさんも言ってましたね」


「なるほど。 毎晩、かなり呑んでるらしいですからね。 確認してみますか」

「ほれみろ、俺の助言は正しかったぞ」

「むぅ、そんなこと言ってぇ…… この間お酒を飲んだとか、言ってたよね?」

「お? それはい…… いや、けしからんですね。 まだ未成年なのですから、駄目ですよ、徹くん」


「まあ、こっちでは12歳あたりから飲んでるらしいので、グレーですね。 でも、身体や精神に影響がでない程々で止めないと、成長に良くないですよ」


「ほら、わかったよね、お兄ちゃん」

「ちっ、失敗だったか……」


 ベースキャンプでの嗜好品の扱いは、まだそれ程でもなく、村までの街道が繋がれば、定期的な購入も出来るので、入荷はまだまだ先の事です。

 徹くんが、酒の味を覚えるのは早いですが、ドワイトさんたちの士気にも関わって来るので、今回は仕入れても良いかと思います。


「それじゃあ、行ってきますね。 素材の買い付けて来ますので、残ってる材料でレベルあげしてて下さいね」

「「はーい」」

「あ、ポーションの箱は出してあるので、よろしくお願いします」


 ここ数日、森の狩りと素材の回収に走りまわり、三人の生産能力も増えて、木村さんは初期の回復ポーションを作れるまでに為りました。

 あとは道具の作成を繰り返し、ある程度のレベルになれば錬金術師にいたるかも知れません。

 ベースキャンプに常駐する職人さんも居ますが、やはり職業スキルには敵わず、生産量は倍以上の差がついています。

 この先、三人はこのキャンプでの稼ぎ頭になるでしょう。


「ありがとうございます。 売り上げを、楽しみにしてて下さいね。 では……」

「「「行ってらっしゃい」」」


 ドワイトさんに声をかけ、補充の確認と報告関連の書類を受け取り、ベースキャンプを後にしました。



 ◇◆◇



 魔の森なかを流れる川辺を川下へと向かい、やがてリユート村側がつくっている道へとたどり着きます。


 時刻にして、午後の六時頃。

 伐採されて広くなった川辺は、夕陽が赤く染めて、道となった先には仕事を終えた人々の声が、微かに聞こえてきます。


 大体、完成までにふた月と見込んではいたが、道幅もしっかり出来ていたので、工事は順調に進んでいます。

 切った木を運ぶ為の荷車や、枝葉をはらい集められた山が河原にあったりと、普段の仕事ぶりも窺えます。


「これって、意外と早くに繋がるかも知れないな」


 片付けられた道具とかも、一箇所にまとめて置かれていて、道には余分なものも落ちていたりしません。

 マリーさんが集めた人達は、基本的に優秀で、協調性の高い人だったりと、こういった仕事をするのに、相応しい人材ばかりです。


「少し、予定を早めないと駄目かもな」


 そんな事を考えながら、リユート村へ向かいました。



 ◇◆◇



「お帰りになさい、タツヤさん」

「お待ちして居りました。 ささ、どうぞお入り下さい」

「ありがとうございます。 では、お邪魔しますね」


 村に入り、村長とマリーさんに報告をした後、村長宅の夕食に招かれました。

 丁度いいので、街道の状況を聞くことにします。


「こちらに着いた時に見ましたが、ベースキャンプへの道はどんな感じですか?」


「ん、そうですな。 ハンターもそうですが、村の住民もかなり協力的でして、順調と聞いてますな」


「私のほうも、移住者や労働者(ハンターを含む)の募集で、外からの人がたくさん来てますわ。 どこも暮らし向きは苦しいようで、その選考も忙しいです」


 食事中には、あまり相応しい話題でもないので、さわりの話だけを聞きました。


「なるほど、人手が増えてるって事ですね。 この話は、また明日にでもしましょうか」

「そうですな。 今夜はゆっくり飲みましょう」

「良いですね、私もお付き合いします。 良いお酒も入ってきてますし」


「あ、そうだ。 お酒の入荷をドワイトさんに頼まれてるんで、そのお酒も融通して貰えませんか?」

「ははは、ドワイトが喜ぶでしょうな」

「分かりました。 では明日、ご用意しますわ」


 街道の話を切り上げ、食事を再開すると、村長の奥さんをはじめ、給仕をしていた人たちも参加して、飲み会へと突入しました。



 ◇◆◇



 次の日の朝、俺はぼーっとしていた。


 昨夜の飲み会でだされたお酒は、マリー商会の伝手で入ってきた物で、かなり飲みやすい果実酒であった。


 近年ではあまり出回らない物で、なかなか入手できない状況の品らしく、今回はイノシシの燻製肉の流通に対し、酒類を扱う商会との交渉で手に入れた、秘蔵のお酒でした。


「うーん、飲みすぎたかぁ……」


 うまい酒を飲めたのだが、少しよろしくない事態となっています。

 なにしろ、酔った勢いもあってか、マリーさんとある約束をしてしまったからである。



 ――――――――



 俺は、マリーさんから得た情報に気を良くして、かなりの量のお酒を飲んでしまっていた。


「あ、あの、タツヤさん。 お、お願いがあります」


「え? はい、なんれすか? マリーさんのお願いなら、大丈夫です」


 この時の状況は、はっきりとは覚えていません。

 だが、かなり上機嫌であったことは覚えています。


「今回の取り引きで得られた利益は、マリー商会始まって以来の最高額でした。 ありがとうございます」


「ん? そうなのです? それは良かった」


「えっと、えっと、それでですね。 その取り引き先との縁で、縁談のお話が来てまして……」


「ふぇ!? 縁談ですか? 誰のです?」


「わ、私のです……」


「はい…… えっ!? ほ、本当ですか?」


「はい。 ですが、お断りするつもりです。 おそらく、その取り引き先とは、不仲になるかも知れません」


「えっと…… そ、それでは……」


「でも、いいのです。 私は…… 私には、あなたが居ます。 私は、あなたを愛しています!」


 顔を赤く染めたマリーさんは、とても可愛らしくも、皆の前で熱く宣言したことで喝采を浴びて、村長や奥さんたちに囲まれ、嬉しそうに語りあっていました。


 そこから先の記憶はおぼろげで、周りからの祝辞の声と、拍手喝采が鳴り響く音としか覚えになく、どうやって帰宅したかも、定かではありません。



 ――――――――



「はあ…… ど、どうすべ、俺で良いのか?」


 あの後、なんと答えたかは自信がなく、おぼろげな記憶しかない上に『俺にまかせろ!』と宣った記憶が、妙に残っています。


 はっきりと覚えていさえすれば、まだ良いとは思うも、よく覚えてないとかは口にも出来ません。

 薄っすらとだが、記憶はあるので、思い返すと顔から火が出そうな程の思いも溢れてきます。


『うおぉー!! やり直してえぇー!!』


 俺は、昨夜の醜態を思いだし、朝っぱらから恥ずかしさのあまり、掛け布団を頭から被り、枕に顔を押し付けて叫び、ベッドの上で悶絶しました。





酒の席でのやり取りやセリフは、主人公の補正が入っています。

皆様のご想像や妄想など、あとの展開はお任せ致します。



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