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勇者さまは無双がしたい(仮)  作者: アイネコ
ダンジョン探索編
38/74

性能の差

今週は、この回までとなります。





 転生者三名との出会いをはたした翌日、俺は少し戸惑っていた。


 前日に話をした結果、俺と彼らの能力値の差が、大きくかけ離れていたのである。

 お互いにステータスの確認と、職業のレベルとその数、戦闘時の職種と、非戦闘系の職業の数やレベルなどを照らし合わせたところ、その数と実績に差が生じた。


 ざっと見積もっても、全職業のレベルを足すと、俺のレベルは280を超え、木村さんは40程で、田上兄妹に至っては二人分をあわせても50を超えるくらいであり、この一年間で伸びたステータスの差は、最大100を超える結果となって現れました。

 因みに、100以上の差がついたのは、精神(MID)と知力(INT)でした。


「達也さんって、チートなの?」

「マジでかぁ……」

「そこまで、差があるのですか……」


 お互い詳しくは語らぬとも、おおよその数値を知り、明らかになった力の差に愕然となっていました。


「いやいや、皆さんが居たところは、こことは明らかに状況は違いますし、自分が落とされた場所は魔界と云われている場所ですよ」

「はぁ、なんだかなぁ」

「…… あたし達は二人だったし、達也さんはひとりだったんだよね」

「まあ、私も魔物とは立ち向かいましたけど、倒せてはいなかったですしね」


 しかし、それぞれの活動量もかなり違うので、お三方の今後の努力しだいで、差は埋るはずですと諭すも、何処か納得出来ない様子でした。


「とりあえず、皆さんには装備と道具を用意しますし、この村にはいくらでも仕事はあるので、その中でレベルアップをしていきましょう」

「えっ? マジで? やった、俺もチートになれるのか!」

「あっ、私も魔法使いになりたいです!」

「では私は、錬金術師を目指しますかね」


 職業の開放条件となる道具や装備、道具(ツール)や施設などは揃っているので、実際に手に取り職業に就けば経験は積めると話すと、表情は一変して前向きな表情に変わりました。


 これは予想以上に、転生者の実力は環境しだいで、天と地の差が生じると分かり、俺は邪神のポンコツ具合いに怒りを覚えました。



 ◇◆◇



 午前中に、職業関連の話をすませ、お昼を済ませた後は村長さんとマリーさんにベースキャンプまでの道普請の件を相談します。

 ですが、それはお二方も予想して居たらしく、翌日から工事を開始するという話に纏まりました。


「ほうほう、もうそんなに出来ているのですか。 流石ですな」

「でしたら、キャンプまでの道が完成すれば、タツヤさんと仕事が出来ますね」


 道普請の予定が決まると、村長さんからは称賛の言葉をもらい、マリーさんからは期待に満ちた眼差しで語り掛けてきます。


「えっと、まだそんなに施設とかないですし、警備も足りてないので、まずは道が開通してからですね」

「はい! 私にお任せ下さい」


 俺の言葉に、何故かやる気を漲らせるマリーさんである。


「これは、うかうかとしてられませんな。 では早速、普請の従事者を募りませんとな」


 そして、マリーさんを追うようにして、村長さんも仕事に取り掛かると告げて去って行きます。


「うーん、すべてが読まれてるみたいだ。 大丈夫なのか? これ……」


 去っていく二人の背中をみて、少し寒気がしたが、仕事が出来る強い味方なので、任せようと思いました。



 ◇◆◇



「では、始めますかね」

「えっと、なにかすんのなら、俺も手伝いますよ」

「ふむ、では私も」

「なにかな、なにかなぁ?」


 俺は村の東、ベースキャンプ側の森の入口で、木こり用の斧と山刀を用意して、伐採の準備をしていた。


「おっ! もう始めんのか。 あんちゃん」

「はい、木だけは邪魔ですし、建材はいくらあっても足りないですからね」

「な、なんだ? どう言うことだ?」

「なんでしょうね?」

「ワクワク、ワクワク……」


 俺は腕まくりをしつつ、ドワイトさんに後をお願いして、期待に満ちた三人の視線に、自身の力を披露する事にします。


「では、見てて下さい。 あまり近付かれると危険なので」

「お、おう……」

「なにかな、なにかなぁ?」

「楽しみですねえ」


 ドワイトさんが村に向かうのを見て、俺は木こり用の斧を手にして、両手に革手袋をはめ直してから担いだ。


「では、参ります!」

「「「はい?」」」


 両手で斧を構えた俺は、間の抜けた声を聞きつつ、森の手前から見えている木へと、斧を振り抜きます。


 スコーーン、スコーーン! と心地よい響きで木を切る音が森から聞こえ、ミシミシミシ、ざざざざ、ザザーーンと後から追うようにして、木が倒れる音が続きます。


「はああ? なんだー!?」

「えっ!? うそぉ!」

「こ、これはまた……」


 三人の視線の先には、次々と倒れゆく大木がドミノ倒しの様に倒れていくのが見えます。

 俺は、ざっと20メートル程を斧を振り回しながら移動し、追いかけて来る倒木から逃れ、倒れる木が止まるまで、安全な場所で待機します。

 そして、倒木が治まったあと、倒れきってない木を引き倒して、森の入口へと向かいまう。


「大体、こんなところでしょうね」

「えーっと、お疲れさまです」

「す、すげぇ…… これがチートって、やつかぁ」

「ほへぇ……」


 森から出てくると、三人三様の反応が返ってくるが、すぐ後ろから声が投げ掛けられて、三人が同時に振り向きます。

 そこ先にはドワイトさんと、数十名にのぼる村人たちが連れ立っていました。


「おう、あいかわらず仕事がはえーな。 あんちゃんは」

「「「お疲れさまです!」」」


「お疲れさまです。 では早速で悪いのですが、よろしくお願いしますね」


 俺の指示を受けた村人たちは、鉈や山刀を持ちだし仕事を開始します。


「あっ、俺も手伝います!」

「では、私も」

「えっと、私も……」

「おっと、客人は手出し無用だ。 気持ちだけ受け取っておくぜ。 これは村の仕事だかんな! ガハハハ」


 三人が道具を手にして村人たちに近寄ると、ドワイトさんがその間に割って入り、止められます。

 三人は、その理由を聞き戸惑いますが、ドワイトさんの豪快な笑い声に圧倒されます。


 うん、まあドワイトさんの顔は慣れないと怖いし、ここでの要の人物なので、その指示には従った方が、村人からも信頼を得られるのも早いので、フォローだけはして置きます。


「どうですか? 鍛え方しだいで、これぐらい出来る様になりますけど」

「ははは、すげぇ! 俺も頑張ります!」

「私は…… 遠慮しときます」

「えっと、私もです」


 俺の問に、徹くんはやる気が漲った感じで手を握りしめ、木村さんは苦笑いで応えると、理恵ちゃんも同じ反応でした。

 人には向き不向きもあるので、それぞれに向いた職種のアイテムを準備をして置こうと思い、俺はドワイトさんに声をかけて村へと戻る事にしました。




次回は、3/28の0時更新となります。



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