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勇者さまは無双がしたい(仮)  作者: アイネコ
ダンジョン探索編
26/74

ゴブリンたちの異変

今週も、よろしくお願いします。





 鉱物資源を確保すべく、リユート村は動き出した。


 俺は自身の装備を整え、ダンジョンを探して旅立つ。

 工房は一時的に閉鎖にはなるが、鉱物資源が少ないのだから仕方がない。


 今回の旅は、一週間ほどの予定であり、以前いた東の森からダンジョンの特定を目指す事にした。


 ある日の早朝、大量の食料やアイテムをインベントリに収め、俺は村の東門から出発する事にした。


「それじゃあ、行ってきます。 後のことは、よろしくお願いしますね」

「はい、お任せ下さい。 タツヤさんも、どうかご無事でお帰り下さい」


 俺の旅立ちを見送る為に、マリーさんを始め、村の皆が集まっている。


「ははは、いい加減あんちゃんを放してやれよ。 マリーは心配性だなあ」

「マリー殿、タツヤ殿も困っておいでですぞ」

「「「はははは……」」」


 このやり取りは既に5回目であり、俺が離れようとすると、マリーさんが回り込み行く手を遮る行動を繰り返していた。


「だ、だって一週間も会えなくなるんですもの。 もう少しだけお側に……」

「あ、あのですね、マリアンヌさんには、お店と買取り所をお任せしたいので…… ちゃ、ちゃんと帰って来ますから」


 泣きそうな表情で縋るマリーは、達也の袖を掴み放さない。

 そんな彼女に説得の言葉を掛けるのだが、俯くと同時にその手を放した。


「絶対ですよ。 絶対、帰って来て下さいね」

「ははは! いい歳をしてても、マリーは乙女だったんだな」

「ドワイト、それを言ってはいかんぞ。 マリー殿は、これでも立派な淑女であるのだからな」


 そんなこんなで、俺は無事に旅立つのだが、マリーさんがここまでの態度を示すとは思わぬ事であった。


 去り際で、皆からからかわれるマリーさんは可愛かったが、ちょっと可愛そうにも感じた。

 まあ商売の話をしてしてても、その好意には気付いてはいたが、年上の彼女とどう接すれば良いかは難しく、また商会の会頭という立場があるのもあってか、お互いに距離があった事も、こうなった要因かも知れない。


 難しいな、俺にここまで好意を示してくれた女性は初めてだし、貧乏人の俺には縁のなかった話である。



 ◇◆◇



 リユート村を出発した俺は、ダンジョンを探す為に、職業を盗賊へと設定する。


 盗賊は、いわゆる斥候職であるが、狩人のレベルを上げている関係で【鷹の目】というスキルが使用可能となっていた。



【鷹の目】探知系レアスキル。

 複数の職業で、探知系のスキルを経験した者だけが、獲得可能となる隠しスキル。

 半径200メートルの気配を察知し、俯瞰による索敵を可能とさせる複合技。

 また100メートル以内の敵には、投擲による攻撃の成功率が上昇する。



 狩人の【気配察知】と、盗賊の【索敵】スキルのレベルが一定値たまった状態で発現したらしい。

 スキルのレベル表記はないので、また()()()の手抜きによる可能性は高いが、性能は折り紙付きの様なので、文句は言うまい。


 この索敵能力であれば、まず敵に遅れを取ることもなく、ダンジョンを探すことも可能だろうと予想した。

 それに、今回のもうひとつ目的には、例のデカぶつゴブリンの所在も把握したいというのもあった。


 恐らくだが、東の森からくるゴブリンの親玉であろうヤツが、ボス的な存在であるのは間違いないと踏んでいる。

 そして、その配下であろうゴブリンたちが、定期的にリユート村へと流れて来るのも気になっていた。


 もし、今後のリユート村の驚異となるのであれば、討伐するのも視野に含め、行きがけの駄賃に間引くことも必要かと考えている。


「よっしゃ! いっちょう行ってみますかね!」


 以前みた、イノシシとヤツの戦いを思いだし身震いするも、あの時とは違い装備やレベルもあがり万全であると、己に活をいれて歩きだした。



 ◇◆◇



 リユート村を出発してから、一日経過したころゴブリン達のテリトリーに到着した。


 以前に活動してた河原へ、リユート村から半日という時間で到達し、そこで再度天幕を張りキャンプ地とした。

 そして、その翌日から奴らのテリトリーに向かい、ゴブリン達の様子を確認する。


 そこはかつて達也がレベル上げを繰り返し、ゴブリンたちとの死闘をした場所であり、巨躯のゴブリンを見かけた場所でもある。

 だがそこは以前とは違い、まるで支配者が変わったが如く、ゴブリンとは違う巨躯のモンスターが群れを従えていた。


 結論からいうと、ゴブリン達のテリトリーは一変しており、イノシシ顔の巨人がゴブリンたちを従えていたのである。


「おいおい、マジかよ。 あのデカぶつはどうした。 もしかして倒されたとか?」


 俺は森の木に登り、鷹の目を使って、可能な限りの情報収集を開始する。




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