新たな交易品
今回は少し短いです。
次回は…… 頑張ります。
達也が、村長と話しをした日から10日が経過した。
あれから、村人総出で復興作業を推し進め、粗方の問題も片付き、あとは失われた家屋の建て直しをするだけとなった。
達也は主に、木材の調達や加工、森で採れた薬草を使って、回復薬の調合をしたりと、村で貢献する事ができた。
そういった中でも何気に喜ばれたのは、ハンター達の武具の修理やメンテナンスの依頼である。
このリユート村では、まだ鍛冶が出来る人がいないらしく、メンテナンスは各自でやるか、商人との交易で新しい武具を買い直すぐらいしかなかったとの事だった。
そこで、村長と相談して、村の一画に鍛冶が出来るようにと交渉をまとめ、石材を削った簡易的なレンガで窯を造って、武具の修理を開始したのだった。
魔法とスキルによる作業だったので、些か迷ったが必要とされていたので自重はしなかった。
薬に関しても同様であった。
村にある薬草は、森の中で採集してきたもので、大半は交易に使う売り物であり、村の回復手段となる物は、自前の煎じ薬か、薬草をすり潰しての傷薬程度でしかなかったのである。
復興作業中にそれを知った達也は、自分が所持していた回復薬を提供し、重傷を負っていた村人に使って癒やした。
他にも、火傷の塗り薬や軽傷の軟膏なども調合して、村人たちに感謝された。
「あんちゃんは、何でも出来るんだな」
ドワイトさんに指摘された時は、やらかし過ぎたかとも思ったが、ハンター達のリーダーなだけあって豪快に笑い飛ばし、親指を立ててニカッと笑っていた。
「あんちゃんは、すげぇ奴なんだ。 胸張って、堂々としてりゃあいいのさ! はっはっは!」
などと、達也にいって去っていったその背中は、大きく見えた。
これ程に人を惹きつけ、纏めあげる男を初めてみた瞬間であった。
「かっけえ。 ああいうのがカッコいい男と言う奴なんだろうな」
◇◆◇
復興作業も順調に、あれから5日が経った。
達也が、木材を加工して建材をつくり、村人がそれを使って家を建て直していくという流れで、思ったより早くに復興は加速していた。
とくに建材として多く作ったのは、煉瓦であった。
達也が造った窯を使い、村にあった汚泥や灰などを材料にして、焼き上げた煉瓦である。
若干、不安ではあったのだが、作成の加工レシピに煉瓦があったので、問題なく作れた。
これも、日頃からコツコツと石を加工したり、木材の加工を続けてきた成果であった。
材料を集め混ぜ込み、型に入れて乾かした後、窯で焼く流れを、作成のスキルで作られていく煉瓦は、村人たちにしたら魔法といっても、差し支えないレベルである。
そして、明日はまちに待った商人がやって来る日である。
「今回の交易は、いつも以上の取り引きが出来そうです。 これも、タツヤ殿のおかげです。 ありがとうございます」
つい最近、ゴブリン達の襲撃により、少なくない損害がでたはずなのだが、村長は嬉しそうな笑顔である。
「いえ、自分は素材を貰って作っただけですし、革や肉も皆さんが頑張った成果だと思います」
達也が作った薬品や皮革、燻製やドライフルーツの数々をみて、村人たちも笑顔であった。
とくに、森でとれたウサギ肉の燻製は美味しかったらしく、村人たちも絶賛していた程である。
「あんちゃんが作った燻製ってやつ、あれは絶品だった。 オレらが作ってた干し肉なんて、あれと比べたら食えたもんじゃねえよな」
「「「おう、食えたもんじゃねえ!」」」
ドワイトさん率いるハンター達も、挙って燻製肉の虜となっていた。
干し肉は一般的に食べられていたみたいなのだが、達也が所持していた燻製肉をみると、興味を示し差し出してみたところ、食い付きもよく気に入り、作り方を聞かれたので、実際に作ってたみせたのが切っ掛けで、騒動となった。
それからは、燻製肉ができ次第、ハンター達の間で取り合いが始まり、村長にまで迷惑をかけてしまって、いっその事特産品として扱おうとなって、量産を請け負う事になったのである。
今回の交易で取り引きされる品物の大半は、達也がスキルで作った物ばかりである。
いずれは村人たちが生産し、それらが交易品として扱われて行くことを願う達也であった。
「鍛冶や薬で手一杯なんだよ。 何とか作れるようになってくれよ……」
達也の口から、自然と愚痴が零れてしまうほどであった。
次回は商人の登場です。
タイトル回収はまだまだ先の予定です。
頑張りますので、よろしくお願いします。




