23・ドクショ カンソウブン?~前編~
ある日、先生が、教室に入ってきて、いきなりこんなことを言いました。
「えーっと、今日は、え?『ドクショ カンソウブン』を書きます。」
「先生、質問ですっ!」
「何ですか?」
「『読書感想文』じゃないんですか?」
生徒が質問します。
「でも、ここには『ドクショ カンソウブン』って書いてあります。ルールは、『自分で小説を書いて、自分で宣伝し、世界で一番に有名になったものが勝ちだ。』そうです。」
「す、すごーい!」
「みんな、これが終わるまでは、授業はこれよ!なんてったって、世界大会よ!!」
「はいっ!先生!」
そして、原稿用紙が配られました。
お花さんの書き出しはこうです。
「私はお花ッピー。いいッピーと仲がいいんだ。」
すると、先生がのぞいて、いいました。
「花!『お花ッピー』なんて名前じゃ、世界には行けないわよ!」
みんなが、ひそひそ話して、こんな手紙が回りました。
「なんかさぁ、先生、急に熱血になったよね。」
みんな、この手紙がみんな読みおわみると、集中して、また書き出しました。
可愛そうに思ったいい子ちゃんは、花さんにこんな手紙を書きました。
「花ちゃんへ 何か、わからないことがあったら言ってね。キャラの名前は、『花りん』がいいと思うよ! いい子より』
その手紙を渡すと、花さんの顔がぱあっと輝きました。
花さんの背中に、二つの視線。いったい何なのでしょうか。




