修学旅行一日目
さぁ、いよいよ今日から修学旅行!!
ただいま新幹線で移動中。
僕らはお菓子を広げながら、トランプを楽しんでいた。
「うっしゃー!! 大富豪!!」
「荒井ぃー。手加減したげてよぉ。さくやん大富豪初めてなんだからさぁ」
「勝負の世界に手加減はご法度だよな! そうだろ? 月城♡」
このかた勉強と柔道に打ち込んできたから、カードゲームなんてやったことがない。
......麗さんに情けないところ見せたくないのに。
「よぉし! それならアタシが朔弥とペア組んでやる! それくらいのハンデがあってもいいだろ? 大富豪のあ・ら・い・君♡」
「いいぜぇ! 負ける気しないね!!」
「負けた方が明日の班別行動の時にお昼奢りね!!」
「よぉし!! 乗ったぁ!!」
***
「な、なんでこうなった......?」
「もう三回も私達が大富豪だけど、どうする?」
麗さんが味方についてからは怒涛の勢いだった。
荒井なんて目じゃないほどコテンパンにやっつけた。
「これ以上やっても無駄だね」
「わーい!! 明日はただ飯ぃ!! 流石麗様!!」
「く、くそう......!!」
***
そして、トランプを楽しんでいると、新幹線が停まった。
いよいよ、京都だ!
「うぅ......」
「朔弥?」
「気持ち悪い......」
「さくやん?!」
「月城?! せんせーい!! 月城が酔った!!
「あぁ?! オレだって飲んでねぇんだぞ?!」
「乗り物酔いだよ! バーカ!!」
なんと情けない。今まで乗り物酔いなんてしたことなかったのに......。
......麗さんにも情けないところばっかり見せて......ん?
......なんだか、麗さん嬉しそう?
「れ、麗さん??」
「......え?」
「いや、なんだか嬉しそうな顔してるからさ」
「......だってこうなっちゃたらさ......」
「月城―。お前残念だがこれからバス移動での観光だから先ホテル行って休んでろ。......誰か付き添いに......」
......なるほど。
麗さんはこれを狙ってたってことか。
「先生! アタシが付き添います!!」
「お、おぅ。そうか。頼んだぞ?」
「ハイ!!」
***
僕と麗さんはタクシーに乗ってホテルへと向かった。
タクシーもしんどかったが、麗さんが移動中ずっと膝枕してくれてたのが嬉しかった。
ホテルに着くと、先生が先に連絡を入れてくれたおかげですんなりと部屋に入ることが出来た。
「朔弥。横になる前にこれ飲んで」
「......これは?」
「吐き気止め。気休めだけど飲んでおいて」
「......ありがとう。助かるよ......ごめんね麗さん」
僕は申し訳なくて、麗さんに謝った。
麗さんの修学旅行一日目を潰してしまったのだ。
「なぁに? らしくなく弱気じゃん。アタシはむしろラッキーだよ? だって二人っきりで過ごせるんだもん!」
「......麗さん」
――僕の彼女は優しさで出来ています。




