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アイテム無限利用のチートを授かった俺が、なぜか最強の魔獣やスライムを従え世界を支配することになった件  作者: まるせい


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第15話 美少女エルフは異世界でのお約束、そんな彼女と何やら大切な約束をしてしまったようだ

「入るわよ、ラピス」


「相変わらず騒々しい、アルテミシア」


 中に入ると、一人の少女が何やら実験をしていた。


 耳が長いのでエルフのようだ。


「彼女の名前はラピス。宮廷錬金術師の筆頭でエルフよ」


「よろしくお願いする。リクシス=ロヴァンだ」


 一応対外的にはロヴァン王国のリクシスを名乗ることにしている。後で誤魔化したと言われるのは困るからな。


 握手を求めて手を差し出したのだが、ラピスは薄い目でじっと俺を見つめてくる。


「この人、何か、変?」


 首をこてりと横に倒す仕草が可愛らしいのだが、初対面の人に「変」と言われると流石に傷つく。


「魔力が二つある? 片方は微弱だけど、もう片方は最長老並に多いよ?」


「エルフの最長老並って、世界最強レベルじゃない!?」


 アルテミシアが驚きながら説明をしてくれた。

 微弱なのはネクロヴァーンのことだろうか?


 アビスエンドを抜けるまで襲いかかってくる魔物を倒しまくったせいか、相当実力が上がっている。ラピスはそれを見抜いたようだ。


「それで、何の用?」


「ラピスはエリクサーを作ることができるのか?」


 俺の質問に、彼女はピクリと一瞬動いたかと思うと固まってしまった。


「えーと……?」


 逡巡しているのか思い待ってみるが、1分経って瞬きすらしないので声を掛けてみた。


「エリクサーを作るの必要な材料は全部で512種類になり、どのような材料が必要かというと『フェニックスの尾』『聖樹の雫』『ドラゴンの血』『タイタンの心臓』『ベヒーモスの嘆き』『リッチの毛髪』『妖精の翅』……(略)があり、その中の幾つかは私も持っているが足りないのは……」


「ストップストーップ!」


 息継ぎさえしないで話し続けるラピスの言葉が俺の脳のキャパシティーを超えたので中断をする。


 ラピスは首を傾げると俺をじっと見る。先程までの多弁さは見る影もない。


「足りない材料だけ教えてくれ」


「足りない材料は213種。その中でも市場で買えるのは200種類までで残りは先程挙げた市場にも出回らない高級品やオークションにたまに出品されるのを待つ感じ」


 それでも13種類足りないというのに嘆くべきなのか、512種類のうち499種類を集められると豪語する彼女が凄いのか?


「ちなみに揃えられない13種類って?」


 俺が質問をすると彼女はリストを見せてくれた。


「『フェニックスの尾』『ドラゴンの血』『タイタンの心臓』『ベヒーモスの嘆き』『リッチの毛髪』『聖樹の雫』は俺が持ってる」


「本当ですか!? リクシス様!」


「アビスエンドによく湧いたからな、倒して保管してあるよ」


 もっとも、オリハルコンの収納袋の中なので、あまり長時間おいておくと食べられてしまう可能性はあるのだが……。


 今のうちに倉庫か何か借りて移しておくべきかもしれない。


「それでも後8種類足りない」


 ラピスが現実を突きつける。


「オークションはどうなんだ? それさえあればある程度は揃うんじゃないか?」


「それは無理ですよ、リクシス様」


「何で? 金ならあるぞ?」


 札束で殴る行為というのは一度はやってみたいと思っていたのだが、実際金に物を言わせて見るのは非常に楽しい。特に棚ぼたで得た金なので使うのに躊躇いがないからだ。


「現在は非常事態なのでオークションは開催されません」


「何で?」


「戦時中ですので……」


 それで思い出した。俺という人物がきっかけでエテルニスは現在多方面から侵攻を受けているのだ。


「なるほど、こればかりはことが片付いてからでないと無理かぁ」


「ですが安心してください。現在、使節団を派遣してこと鎮静化にあたってますので」


 アルテミシアを含む文官は各国に俺が生きていることを告げ、停戦を呼びかけているのだという。


 戦争さえ終われば平和な時間が戻ってくるので問題はないということだろう。


「えっと、じゃあエリクサー作ってくれるか?」


 俺は改めてラピスに問いかけるのだが……。


「あれ?」


 彼女はまた固まってしまった。


「エリクサーを作ることができるのは知識と魔力に長けたエルフくらいと言われています。ですが、ラピスを持ってしても成功させられるかわからないのが現状ですからね。簡単に頷くことができないのかと」


 アルテミシアが耳元でボソリと囁いた。


「ちなみに、こういう時に何て言えばやってもらえると思う?」


「ラピスの機嫌をとる方法ですか……? 私もそこまで長い付き合いではないのですが……」


 アルテミシアはしばらく考えこむと、


「そう言えば以前言ってましたね。『賢者の石欲しいなぁ〜』って」


 それならばネクロヴァーンが集めていたアイテムの中に存在している。


「頼むよ。成功したら『賢者の石』あげるからさ」


 ピクンと身体を震わせるラピス。先程までの思考モードではなく、あわあわと両手を動かし恥ずかしそうにチラチラとこちらを見ている。


「おっ? 反応があったか?」


「こんなラピスは珍しいです。後一息ですよ、リクシス様」


 アルテミシアのお墨付きももらったので、俺は彼女に迫ると耳を撫でた。


「頼むよラピス。こんなお願いをできるのは君だけなんだ」


 現状、エリクサーを作れる可能性がある知り合いはラピスだけだし、賢者の石で喜ぶのはラピスだけ。ここで逃すと次に了承を得られるのはいつになるかわからないので俺も必死だ。


「え、えっと……。よろしくお願いします」


 ラピスはコクリと頷くと恥ずかしそうにしながら上目遣いを送ってきた。


「ありがとう! ラピスならウンと言ってくれると信じてたよ!」


 俺が彼女の両手を握り締め二人で喜んでいると……。


「あれ、そう言えばエルフに対して『賢者の石を贈る』って何かの文献で読んだような読んでいないような……?」


 アルテミシアが何やら物騒な言葉を口にしている。目の前のラピスの反応がフラグにしか思えなくなるからやめてくれ!


 俺は深く考えないようにすると、ラピスと幾つかの取り決めをしてその場を立ち去るのだった。

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