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アイテム無限利用のチートを授かった俺が、なぜか最強の魔獣やスライムを従え世界を支配することになった件  作者: まるせい


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第12話 美少女から貰った肉にはとても刺激的なスパイスが入っていてドキドキした

 カチャカチャと食器が鳴る音が聞こえる。


 目の前にはエステルが座っており、黙々と料理を食べている。


 俺はというと、そんな彼女を見ながら食事をしているのだが、どうにも気まずい雰囲気を覚えて居心地が悪かった。


 それというのも……。


「まさか、ラインハルトに勝つとは」


 訓練場で勝手に訓練をしていたことを彼女が咎めてきたからだ。


「いやー、たまたまというかなんというか……」


「ラインハルトはエテルニスでも五本の指に入る実力者ですよ? 偶然勝つなどあってたまりますか」


 俺の言い訳をエステルは一蹴した。

 とりあえず、言い訳をやめ黙々と食事を取る。


 流石は王族が口にするものだけあってどの料理も美味しい。

 パンは焼きたてでフカフカしているし、スープは様々な具材からでる出汁が複雑に絡み合っており初めて食べる味だ。


 肉料理に至っては、一口サイズに焼かれたステーキに、ブルーベリーとワインを煮詰めたソースがかかっており、口に入れて噛み締めると肉汁が溢れソースの酸味とあってとても美味い。


 皿の端には岩塩と胡椒があり、それにつけて味変するとまた違った美味しさが口の中一杯に広がり、あっという間に食べ終わってしまった。


 やはり肉は正義、肉しか勝たん!

 そんなことを思い、物足りなさを覚えていると……。


「こちらをどうぞ」


 エステルがコトリと肉が入った皿を差し出してきた。


「いいのか?」


「ええ、私はお肉があまり好きではありませんので……」


 澄ました顔でそう告げるエステル。


「そんじゃ、遠慮なく」


 こんなに美味い肉だというのに楽しめないというのは勿体ない。

 俺は遠慮なく、彼女のお肉にフォークを伸ばすのだが……。


「んっ?」


「どうか、されましたか?」


 肉を口に含んだ瞬間、微妙な味が口の中に広がった。


「いや、別になんでもないぞ?」


 首を傾げるエステルは、気にせずに次の料理に手をつけている。


「ふむ……」


 俺は次々に肉を食べるのだが……。


『これは、毒じゃな?』


 ナビゲーターが料理に含まれている成分に付いて触れてきた。


『致死性の毒で、食べると血を吐いて心臓が止まり数秒で死に至るじゃろ』


 そんな毒が俺に効かないのは、アビスエンドで経験値を得た際に各種耐性を得ているからだ。


(これ、エステルが仕掛けてきたと思っていいのか?)


 政治的に厄介な相手を毒殺するというのはよく取られる手法のはず。彼女とは先日言い争いをしており、恨みを持たれていることが確定しているのでその可能性はあるのだが……。


(まあ、それはなさそうだな)


 もし仮に毒を入れた上で俺に勧めてきたのなら、結果が気になりこちらの様子を伺うはず。

 エステルは自分の食事に集中しているし、世話役としてこちらの食事速度を見て侍女に皿のサーブを指示しているだけなのだ。


(ということは、狙われているのは俺じゃなくてエステル?)


 俺は毒入りの料理を口にしながら、まだまだ彼女には何か裏がある。そう考えるのだった。







「はぁ、食った食ったー」


 楽しかった食事も終わり、満腹になった俺は一息吐くと身体を伸ばした。


 エステルの姿は既になく、彼女は公務があるからと出ていってしまった。


「それで、どう思う?」


『さて、わからぬのじゃ』


 ナビゲーターに声を掛けるが最初から何も考えていなかったような返事をされた。


「あれがエステルを毒殺しようとしていた場合、どういう目的でそれが行われたのかだよ」


『エテルニスの情報が足りぬのじゃ。暗殺については様々な理由が考えられるからのぅ。特に王族なら疎ましく思う者も多いじゃろ?』


「そりゃそうだ」


 この身体の元の持ち主もアビスエンドに連れていかれ殺されている。邪魔なら排除するというのはこの世界で圧倒的にスタンダードな考え方なのかもしれない。


『一つだけはっきりしておるのはじゃ』


 ナビゲーターは既に結論を出しているようで俺に言った。


『このまま何もしなければあの娘は数日の間にお主の前から姿を消すじゃろ』


 直接的に毒を入れてきたやつがこのまま長期的に様子をうかがうようなことはしないだろう。


 俺が黙り込んでいると、ナビゲーターはそれが気になったのかさらに話し掛けてきた。


『別にお主が気にする必要はないじゃろ? あの者とは出会ったばかりなのじゃし、言い争いをしていた相手なのじゃからな?』


「そういう話じゃねえよ」


 思わず苛立ちが声になって出てしまった。


「あいつも俺もまだ十三歳。元の世界では子どもなんだよ」


 せいぜい、中学に入ったばかりのガキだ。俺があのくらいの年齢のころは友達とゲームしたり漫画読んだりと幸せな時間を過ごしていた。


「それが誰かの都合で殺される? そんなの間違ってるんだよ」


 異世界の常識? 知ったことか!

 もしそれがまかり通るのが当たり前なら俺がぶち壊してやる。


「俺はあいつを守ると決めた。いま決めた。たとえ魔王が彼女の命を欲してるとしてもぶっ倒してやる!」


『流石に魔王と戦うのは勘弁して欲しいのじゃ。この国の騎士に勝って増長しすぎじゃぞ?』


「……言葉の綾だよ。煩いな」


 というか、今更だがこの世界魔王がいるんだな?

 まあそうか、いても当然だよな。エンシェントリッチとかエンシェントドラゴンもいるわけだし。


「そうと決まれば、あいつの護衛をするぞ」


 俺はそう宣言をすると、エステルを探しにいくのだった。








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