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「このヘビ、アイテムボックスに入れとくね」


「お、おう…」


アデル達はアイテムボックスを持っていないので、手にしていた素材を剥ぎ取る為のナイフをそっと仕舞った。


「魔石はどうする?ギルドに解体をお願いした時に引き取るか聞かれるでしょ?」


いるって言っても解体料金に手数料を上乗せされる事はない。

買取価格が魔石の分だけ安くなるだけだ。

だから、自分達で魔石を取り出すの面倒になっちゃって、迷宮で活動するようになってからは早いうちからギルド任せだ。


「こんだけデカいなら魔石もデカいだろうな」とアデル。


「かといって、使い道はねぇだろ」とヒューバート。


「そうなの?」


「まあ、でも、本国で『魔導飛行船』っつう空飛ぶ船を開発中つってたし、他に何か新しい技術にでも使えるかもしれないからセディの土産にでもするか?」とアデル。


ほ~ぅ、列車より先に飛行船ねぇ……

そう、この世界に列車はない。

何故なら、魔物が線路に飛び出してくるから危なくてしょうがないからだ。

地下鉄を作っても地中を移動する魔物が穴を空けてくるだろう。

なので、作ろうと思った事すらない。

せいぜい、炭鉱のトロッコまでだった。

『デルタ8』は街中に路面電車があるけど、正直他の城塞都市では必要とされていない。

貴族は我が家から目的地まで馬車で乗り入れたいし、一般市民は日常生活の中でそんなに大移動しないのだ。


それにしてもノア王国は何故、今、一体何の為に新しい交通手段を開拓しようとしているんだろう?

素朴な疑問を口にしたら、アデルが説明してくれた。


今回のインフルエンザの流行を受けて、各国が連携する事の必要性を感じたのだ。

今までは国内の問題は国内で対処するのが当たり前だったが、速めの通達により疫病の封じ込めは成功した。

だが、完全収束まで時間がかかり過ぎた。

原因の白い鷲を討伐するまでに時間がかかったのは、主に討伐隊の移動だ。

さらに、瘴気の浄化も作業時間より到着までの移動時間が断然かかっている。

その移動時間を何とかしないとダメだ。


かといって、迷宮の転移魔法は失われた古代技術ゆえに容易には再現不可能だ。

魔導師や錬金術師が研究を重ねてきたが、誰も再現出来ていない。

ならば、魔女が箒で飛ぶように道のない空を一直線に飛べば速いだろう。

という事で、たくさんの人を一度に安全に運べるようにと空を飛ぶ船を開発する事にした、という事らしい。


セディ達はシロクマちゃんの転移魔法を黙っていてくれているんだね。

国家反逆では?と思ったけど、みんなが転移魔法を簡単に使えるようになるのは、たぶん軍事的にヤバいよねぇ。

暗殺が簡単に行えるし…

戦争はここ150年くらいないらしいけど、この先もずっと平和とは限らない。

軍事転用できる技術はそっと闇に葬ろう。

いや、自分達はちょいちょい使うと思うけど、悪用はしないもん。

っと、脱線した。


飛行船ねぇ。

前世では飛行船はガスで浮く、飛空艇は翼による揚力で飛ぶっていってた。

飛空艇の方がスピードありそうだけど、こっちは魔法があるから飛行船でも速いかも。

それに、滑走路がいると離発着の場所がかなり限定される点は今回の意図と外れてしまうから飛行船の方がいいかもね。


前世では、空を飛ぶのは飛行機だけじゃなくなってたなぁ。

ドローンを応用した空飛ぶクルマやフライボードエアなど。

こっちの世界でも、気球→飛行船→飛行機の順番で開発されるのかな?


「大きいと取り回しが難しいけど、小さいと強風で煽られそうだね。ちょっと怖いかも」


「浮遊石を使うから気球みたいに煽られないんじゃないか?」とアデル。


もう設計図が出来上がっているの?

前世の飛行船とは違う感じなのかな?


「なら浮遊石いっぱいいるね?」


「ああ。動力源の魔石もそうとう必要だ」


「そういえば空になった魔石ってどうしてるの?」


家馬車の冷蔵庫とかは自分で魔力を補充しているんだけど、補充出来ないタイプの魔道具もあるんだよねぇ。

補充したら1、2回で壊れたり…

例えば前世でいうと、乾電池にも充電できるモノとそうでないモノがある感じ?


ランプと水道とコンロがあんまり補充できないのよ。

生活の生命線なのにね?

………もしかして、魔力補充自体を商売にする為?

この世界でも光熱費ってかかってたのね……


魔石には属性がある。

だが、誰もが全属性の魔力を持っているワケではない。

正確には、体内の魔素を属性変換できるワケではない。


『魔素』に属性を持たせると『魔力』と呼ばれるのだ。

なので、魔道具には流した魔素を属性変換できる装置が付いている。

例えばコンロなら、スイッチに魔素を流せば道具が火属性の魔石を起動させる仕組みになっている。


ちなみに、照明の魔道具なら【ライト(光)】で全部つけることが出来るが、スイッチが付いていれば魔素で誰でも付けることが出来る。

ただし、壁や天井に回路を這わせるのは相当お金がかかるので、一般家庭ならば普通に手の届かない天上などにはスイッチ付きの魔道具は使わない。

あと、魔道具はやはりお高めなのでオイルランプを使っている家庭の方が多い。


そして、なんと【ライト(光)】は聖属性魔法ではなく無属性魔法だった。

なので照明器具は貴重な聖属性の魔石が使われているワケではない。

生活魔法は大雑把なジャンルで、生活に便利な魔法ならどんな属性の魔法でも生活魔法のくくりなのだ。

そういえば生活魔法には『属性』の二文字が入ってないね。


「魔石にもランクがあるからねぇ。クズ石になったら捨てるしかないんだよ」とメイソン。


ランク………はい、また鑑定するの忘れてました。

いきなり手にした能力はなかなか馴染まないな。


メイソンが教えてくれた。

サイズと強度を基準に魔石にもランクがある。

大きい方がより強度がある。

一番下がFランクで1回ぽっきりの使い捨て。

主にランタンに使われている。

Eランクは2、3回補充できる。

これがコンロや水道の魔石。

DからBランクに上がっていくほど可能な補充回数もサイズも上がり、Aランクとなると希少なので国が買い上げる。

Sランクは国宝レベルなので滅多にない。


長く生きている魔物ほど魔石が大きくなるが、それでも限度があり、体が大きい魔物の方が魔石も大きいことは言うまでもないかな?

なので、討伐しにくい魔物の魔石はやっぱり価値があるのだ。


白い巨人の魔石は間違いなくSランクだろう。

通常、冒険者ギルドで受けた討伐依頼で出た魔物の素材は冒険者の物、というルールがある為、本当は討伐したS級パーティーの物なのだが、彼らは持ち帰らなかった。

置いていった物の所有権は後からは主張できない。

私が浄化依頼を受けたが、討伐ではなかったので魔物の素材の所有権は…主張したら貰えたのかな?

まあ、別に欲しいとは思わなかったし、地域の復興に使われればいいなとか思ってたら国宝か…

国宝として献上されたのなら、市場でお金が動く事もないので景気は動かない。

でも金額が金額な為、欲を出した人達の間で揉めるよりいいのかもしれない。



「浮遊石と言えばさ、なんで宇宙まで飛んでいかないのかな?」


「そりゃぁ、重力に負けるからある程度までしか浮かないんだよ」とメイソン。


「そうなんだ。ん?でも、浮遊石自体はその辺に置いておいても浮かないよね?」


「ああ、名前が浮遊石だからよく勘違いされるんだけど、とある鉱石を加工して初めて浮遊石になるんだよ」


「ほえ~、人工物だったんだ」


「そうだよ。さらにちゃんと回路を組んでセットして、初めて浮遊の効果を発揮するんだ」


「宝箱から出たからてっきり自然の鉱石かと思ってた」


「持ってるの?」


「うん。イーデンの騎士団にちょっとあげちゃったけど、少し残ってるよ。ほら」


アイテムボックスから取り出して見せるとメイソンは目を見張った。

それは滅多に手に入らない程の良質な浮遊石だった。


「これを、イーデンの騎士団にあげた…?」


「正確にはお風呂とトイレを売ったんだけど、移動できないと困るから家馬車に改造した時に浮遊石も付けないとお馬さんがかわいそうだから付けてもらったの。タダでいいって言ったけど、お金を押し付けられちゃった。副団長さんっておっとりしてるのに押しが強いの」


メイソンの顔が強張っている。

ナナが無欲で子供だから、あとで文句を言われないように形ばかりの金額で買い叩いたのではないのか?と訝しんだのだ。


「値段を聞いても?」


「え?え~っと、家馬車が金貨5枚(=50万円)と、改造が大金貨1枚(=100万円)だけど細かいのしかないって金貨で10枚だった」


遠征に大金持っていき過ぎじゃない?と思ったけど、1年くらい駐屯せざるを得ないと思っていたから食料調達用など多めに持ってきていたんだって。


「ふむ…ギリ許容額ってところか。もう少し吹っ掛けてもよかったんじゃない?」


「えぇ…中古だったし、家馬車にしたら狭くなったし、貰い過ぎたと思ってたよ」


お風呂には水道はついていない。

だが、洗い場には桶ですくって使う用に小さな細長い水槽(?)がある。

蛇口を捻って桶にお湯が溜まるまで待たなくていいって評判だった。

でも誰かが魔法でお湯を入れないといけないので、高い金額で売るのは気が引けたのだが。

あとで蛇口を付けるにしても、追加料金がかかるワケだしね。


トイレにはもともと手洗い場はあったよ。

家馬車にしたことで小部屋が3つに増えたけど、汲み取り式なんだよねぇ。

私が時々ドアの外から【クリーン(清掃)】と【キュア(浄化)】でキレイにしていたけど、もうそれは出来ないのだ。

小姓のレオン達のお仕事を増やしちゃったかも。

すまぬ……




迷宮探索を切り上げて冒険者ギルドにやって来た。


「ちわ。魔物の素材の買取をお願いします」


「おや、ナナさん。早速迷宮に潜ったのですか?熱心ですねぇ」


「成り行きでねぇ。合同パーティーで潜ったんだよ」


大変さを思い出してしょもしょもしちゃった。


へぇ、と目を細めて後ろに立つ男達を見る買取カウンターのおにぃさん。

長いから『買取にぃ』と呼ぼう。

約2ヶ月の間にA級パーティー『アルゴス』と、クランマスターであり貴族の御曹司率いる『白刃の残光』の顔は覚えていた。


「では、いつものように隣に移動しましょうか」


何故かいつもの受付のおにぃさん(こっちは『受付にぃ』で)も呼んで移動した。

この2人はもうセットなのかな?

受付コンビなのかな?


全長20mの巨大ヘビをデデン!と出す。


「………やらかすとは思っていましたが、これは私のアイテムボックスには収まりません」と買取にぃ。


「これは……もしや第86階層の『ロック・サーペント』では!?」と受付にぃ。


「そだよー」

「ツララでー」

「ちゅどんー」


「…は?まさか、ナナさん達も戦闘に参加を?」と買取にぃ。


「参加も何も、トドメを刺したのがこいつ等だよ」とアデルが私を親指で差す。


「ロック・サーペントは表面が硬質な鉱石で覆われていて、物理も魔法も通りにくいんですが…」と受付にぃ。


「そうだったんだ…凍ってもすぐ割って出てきたはずだよ」


「ええ、それを、どんな攻撃をしたら頭部貫通するんです?普通は打撃を与え続けて体力を奪い、倒れたところで鱗の裏の急所に槍を突き刺すんですよ?」と買取にぃ。


そんな、さも私が非常識な事をしたみたいな目で見られても……


「あぁ!ごめん、ごめん。買取の事とか考える暇なくって、大穴開けちゃった」


「いえいえいえ、問題はそこではありません。討伐方法です」と受付にぃ。


「ん?何?別に特殊な魔法とか使ってないよ?」


受付コンビにも銃の原理の応用で氷を撃ち出した幼女+3匹の合作魔法を説明した。


「「天才か…っ!?」」とハモる受付コンビ。


いい反応してくれる。


ん?カリンちゃんが背後から買取にぃに向かってシャドウボクシングしてる。

いつも足蹴にしているのに、構って欲しいのかな?

今日はナデナデもして貰ってないもんねぇ。


すると、気づいた買取にぃが速攻でカリンちゃんに抱きついた。

不意打ちだったのか、頬ずりを許してしまっている。

カリンちゃんはぶーたれているけど、とうとう買取にぃの勝利である。

イチゴちゃんとラムネちゃんがカリンをはなせーとよじ登る。

と、受付にぃが巨大ヘビに向かって走り出した。

ビックリして私も追いかけた。


その直前に買取にぃが受付にぃに目配せをした。

ナナは気付かなかったが…




「で、あなた達はあのコをどうしたいのですか?」


受付にぃが少し険しい表情でアデル達に詰め寄った。

買取にぃの目配せは、今の内に事情を聞けという合図だった。


「どうって……」


こいつらに話してもいいものか…?

アデルはヒューバートを見た。

すると、ヒューバートは自分が話そうと頷いた。


「あいつが特別なのはわかるだろう?」


「ですが、まだ子供です」


「…世界に異変が起こっているのは知っているな?」


冒険者ギルドに持ち込まれる依頼が少し変化してきた事は大陸中のギルドで情報共有されていたが、外部には漏らしていない。

だが、A級パーティーともなると気づいてしまうのか、と受付にぃは肯定した。


「それと何の関係が…?」


「おそらくだが、あいつが中心だ」


「は?」


「あいつはこの世界における『特異点』だ、と思う」


ヒューバートの言う『特異点』とは数学や物理学のそれではなく、ラノベで言うところの『常識を超越し過ぎた異分子』や『突如現れた歴史の分岐点となり得る存在』という意味である。


「まだ疫病の事だけだがな…教会がナナを狙っている事も理由の一つだ」


確かに、心当たりがない訳ではないが、それは偶然とも片づけられるのでは…?

受付にぃは納得は出来なかった。


「それに86階層を初見クリアした奴はあいつぐらいなもんだろ」


「昨夜リーダーに言われていたのでナナを観察していたのですが、迷宮のトラップを知っているとまでは言いませんが、想像がついている風ではありましたね。常に考え込んでいて、予測が次々と当たり、面白いほど順調に進むことが出来ました」


『アルゴス』のメンバーである魔法剣士のロイドも同意した。

口裏を合わせたワケではないが、マップの事はヒミツのままだ。


「あいつの導き出す答えは、俺には出せなかったぜ」


A級冒険者で経験豊富なヒューバートに出来なかったコト、ですか…?

そこまでのコだったとは………

受付にぃは少しの間放心した。



ヒューバートはハッとしてアデル達を振り向いた。


「お前達もすぐに86階層以降に行くことになると思うが、判断に迷ったら必ず引き返せ。ナナの思考に辿りつくにはちょっと賢いくらいじゃ無理だ」


「それは俺が徹底します」とサイラス。


彼もナナの特異な部分に気づいていた。

年齢とかそういうコトを置いておいても、知識と思考回路と実力が常人のそれではない、と……


昨夜、食堂でナナに地図を一緒に見に行くかと問われ、是非にと応じた後で大人達はこっそり話し合っていた。

以前、アデルがなんとなく『ナナが関わるといつもすぐ問題が解決しねぇか?』と言った言葉がずっと気になっていたのでヒューバート達に相談したのだ。


思い返せばゴーストナイトパレードでの活躍も、

妙に迷宮遺物を持っている事も、

『幻想亭』や『世界樹の雫』に出入りできる事も、

ヒュージスライムとの遭遇のうえ討伐した事も、

オーランド帝国の王族と親しい事も、

迷宮を攻略するスピードも、

回収屋にセーブクリスタルを貰った事も、

白い巨人の浄化の事も、

さらには殺人詐欺集団の所為で迷宮に缶詰になった時でさえナナが来たらすぐに解決に転じた。

極めつけは迷宮のシステムを理解している様子だ。

マップの存在以外にも何か知っているのだろう。

流石に尋常ではない。

よく考えたら異常だ。


途中、メイソンが話を聞くだけだと「特異点みたいな存在だな」、と言ったがその場はノリで流された。

結局、これからはもっと注意深くナナを見ていこうと無難な結論に至っただけだったが、ヒューバートが思い付きで86階層に行こうと言い出して結論が出たというワケだ。



「そんなワケでな、俺等はあいつのやりたいようにさせてやるつもりだ」とヒューバート。


「無理矢理86階層に連れて行った理由になってませんが?」と受付にぃ。


「あれは最終判断に必要だった。無理ならすぐに引き返すつもりだったさ。だが、サクッとクリアしちまった。だから確信しちまったってワケさ」


「何だか私もそんな気がしてきました」


「だからな、ナナが特別だという事がバレたら探索者にも狙われかねねぇ」


「ええ、それは確実にロクでもない事になりますね」


「教会に渡すワケにもいかねぇ」


「勿論です」


「まあ、お前さん達もあいつらのコト気に入ってるみてぇだし、ひとつヨロシク頼むわ」


ヒューバートと受付にぃはガシッと握手した。



「あり?どしたの?」


シロクマちゃん達を抱えたままの買取にぃを追いかけて、そのまま一緒に巨大ヘビを査定して戻った来たら何だか急に仲良しさん?


「別に、何でもないぞ」とアデル。


他のみんなもニコニコしてて怪しいんですけど……?

ま、いっか。


「あ、査定終わったって」


「必要経費を引いて大金貨7枚と金貨5枚です。魔石は後日取りに来てください」


買取にぃがサラっと答えると、アデル達はかぱっと口を開けた。

顎が落ちそうってこういう顔のコトを言うんだ…


「1匹でそんなにするのか?」とヒューバート。


「ええ。ナナさんはいつも魔物を丸ごと納品していただけるので研究が捗ります」


「お前、いつもこんな金額を…?」とアデル。


「1匹でこの値段は初めてだよ。そもそも中層までしか潜った事なかったんだし」


「ですが、ナナさんは1度も預金していませんよね?アイテムボックスとはいえ大金を持ち歩いて大丈夫ですか?」


「預金のコトすっかり忘れてた。遺書を書かないといけないって言われてたけど、なんて書けばいいのかわかんないよ」


「遺言は大事です。誰にどれくらい残すのかよーく考えて提出してくださいね」


「あーい」


「お前、ちゃんと管理してるんだろうな?」とヒューバート。


幼女に大金なんて危ないと今更気づいた大人達。


みんなに一斉に見られて怖いんですけど…

ってか、私だって中身は大人なんだからお金の管理くらい……

あり? 今いくら持ってるか数えた事なかったな。

どれどれ………え、ナニコレ…

日本円で7500万円以上あるんですけど…?

巨大ヘビの分け前貰ったらもっとすごい事になるんですけど……!?


フリーズしたナナを訝しむ大人達。


「どうした?」とアデルがナナをつついた。


「ぴえっ…!?」


「はは~ん、さては思ったより多かったんだな?」とヒューバートがナナのほっぺをムニムニした。


「ぴえっ…ぴえっ…!?」


ビックリし過ぎて最早『ぴえ』としか鳴かなくなった幼女ときゃっきゃとはしゃぐシロクマ達を抱えて帰路に着く大人達。

どんなに凄い奴だろうと幼女には変わりない。

ナナの事を『妹』だとか『姪』だとか『娘』だとか、それぞれ庇護すべき存在として再認識するのだった。


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