28話 魔王、ドラゴンを仲間にする
「すいません、本当にすいません、本当にすいません……」
戦闘後、太ったドラゴンが100回ぐらい謝った。
なお、ドラゴンのステータスはこんな感じだったらしい。
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ガーゼル
Lv30
職 業:格闘家
体 力:325
魔 力:209
攻撃力:335
防御力:353
素早さ:332
知 力:259
スキル:ファイア・ブレス、コールドブレス、飛行、冷気・熱気への耐性、ヒール
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弱くはないし、たしかにショボい冒険者なら返り討ちにできるだろうが、まあ、そんなたいした実力ではないな。
ついでに名前もガーゼルと判明した。
結局、名のらせなかったな……。
「この城は魔王である俺が使う。それでいいな」
「はい、どうぞ! 差し上げます!」
まあ、もともとガーゼルのものでもないので問題はないだろう。
「ガーゼル、魔王様に仕えなさい」
「そうだ、お前も人間を滅ぼす先兵になれ」
また俺を飛ばして元軍団長が話を進めてしまった。
「はいっ! 僕とその部下ともども仕えさせていただきます!」
「こいつ、普段の一人称は僕なのね。ちょっと不似合いで不気味だわ」
ザフィーラ、そんなところまで全否定してやるなよ。
さて、一応部下の数もじわじわ増えてきたし、一度魔王として組織再編をしておくか。
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魔王ルシア(本拠:サイラッド城)
第一軍団長ザフィーラ
第二軍団長ベルク
第三軍団長ピョンタン――配下の獣人
第四軍団長ガーゼル――配下の者
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「軍団長が四人! やっと往時の雰囲気が戻ってきました!」
ザフィーラが想像以上に喜んでくれたけど、これ、順番に数字割り振って軍団長にしただけだぞ……。
「さあ、今こそ、魔王宣言をして人間たちに恐怖を見せつけてやる時です!」
「いや、まだ俺は人間でいる」
城が入ったといっても生活基盤がない。
「それにサイラッド城奪還によって金貨500枚の報酬がギルドから出る」
日本円でいくらぐらいだろう。2000万から2500万ぐらい?
もらえるものは俺は絶対にもらうぞ。2000万をはした金扱いする奴と俺は友達になりたくない。
「そうですね……軍資金と考えると、これは手にしたいところです……」
ザフィーラも納得してくれた。
「ということで、俺はギルドのシエナさんのところに戻る。ガーゼル、お前も来い」
「はは~! わかりました!」
なんか、こいつ、下級の武士みたいな反応を示すな。
「お前、背中に乗れる?」
「3人までなら大丈夫かと」
じゃあ、ちょうどいいや。
俺とザフィーラはガーゼルの背中に乗って、サイラスの町に戻った。
ピョンタンとベルクは居残りだ。
そこでシエナさんに「お城を回復したんで見に来てください」と言って、またドラゴンに乗せた。
背中に乗っている間、シエナさんは高いし速いしで半泣きだったが、そこは我慢してもらった。
「なるほど……。たしかに城にはモンスターの気配がまったくありませんね……」
シエナさんは幻惑の魔法でもかけられたような顔で、城をめぐった。
城にいたモンスターのたぐいは一時的に城外に出ていってもらっている。
まあ、オオカミみたいな獣系の奴らは兵士の役目で城にいただけで住んでたわけではないのだろうし、問題ない。
「わかりました……城を回復したと認めます……。すぐにギルド本部に連絡を入れますね……」
「ありがとうございます。大きな仕事をこなせてよかったです」
「まだ確定ではないですが、これ、Sランク冒険者になれると思いますよ……。もはや勇者に任命されてもおかしくない実力です……」
仲間がすでに勇者のパーティー一人負かしてるけどね。
「それは光栄です」
話を合わせておこう。
「本当にルシアさん、お強いんですね」
どこか熱っぽい視線をシエナさんが俺に向けてきた。
なんだ、これ……。
女は強い男に惚れるというのは本当なのか……?
「こほん」
ザフィーラが露骨な咳払いをした。
「夫に何かありましたか?」
「す、すいません! 何でもありません!」
まあ、浮気はせんよ。絶対に。
だって、ザフィーラがマジでシエナさんを焼き殺しかねんからな……。
嫉妬の炎が物理的に熱い。
そのあと、俺たちはゆっくりと引っ越しにとりかかることにした。
といっても、サイラッド城自体は汚いところもあったりして、すぐに住める状態でもないので、しばらく掃除をすることになった。
城一つの掃除というと、無茶苦茶大変そうだが、幸い、ガーゼルの配下がそれなりにいたので、こいつらも動員して、3日でかなりきれいな状態にまで持ってこれた。
さらに城の近辺の荒れているところも徐々に復旧させていった。
扱いとしては、城近辺も城主の土地ということになっているので問題ない。
「ご主人様、なんでずっと草を刈ったり、道を作ったりしているウサ? こういうのは引越してからやればいい気がするウサ」
たしかに早い段階から手入れしてるもんな。
「ここに村を作るつもりなんだよ」
「村?」
「ピョンタンが助けたような獣人の村な」
ピョンタンが目を輝かせてジャンプした。
「それはグッドアイディアウサ!」




