表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本の魔王は異世界でも魔王だったようです  作者: 森田季節


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/37

27話 魔王たち、城の住みやすさをチェックする

 いずれ俺たちの住居にもなるべき城の間取りチェックがはじまった。


 なお、途中、敵が攻撃してきたりもするのだが、俺以外のみんながあっさり撃退しているので、とくに説明もせずにやります。


 城というだけあって、部屋数は多いのだが――


「やっぱり全体的に暗い」


「お城ってどうしても防御上。窓を小さくしないといけないんです。なので光があまり入らないんですね」


「これはたくさん油を買ってきて、もっと灯す必要があるな」


 陰気な建物で暮らすと気分まで悪くなる。

 あと、人間は光を浴びないと健康にも悪い。

 光を浴びないと作れないアミノ酸とかあるからな。


 でも、魔王なら関係ないのかもしれんけど。


「いざとなったら、増築するか。茂ってる木を切れば、光自体は入ってくるはずだ」


 けっこう北の地域だけど、光ぐらいは確保できる――はずだ。


「魔女としては薄暗いほうがいいんですけど」


「俺は明るいところで活発に笑うザフィーラのほうがうれしいな」


「ああ、魔王様の奴隷として一生かわいがってくださいね……」


 ちょっとノロケたことを言いすぎたかな。

 ただ、ザフィーラの思考もわかってきた。こいつ、単純にM寄りなのだ。

 奴隷という響きに酔っている部分がある。


 まあ、本当にムチで叩いてくれとか言ってきたら困りもするが、現状、らぶらぶな感じになってるだけだからいいだろう。


「この部屋、邪神の礼拝堂にいただけませんか? 光も入ってこないし最適です」


 ベルクとしては暗いほうがうれしいらしい。


「ああ、いいぞ。幹部一人につき、一部屋は用意したいよな」


 と、小型のドラゴンがやってきた。

 これはドレイクと呼ぶ種だろうか。


 敵だとしたら、またザフィーラが魔法で迎撃するだろう。


「あの、すいません……うちの城主がなかなか侵入者が来ないということでイライラしております……。そろそろ来ていただけないでしょうか……」


 敵から要請を受けた。


「その……攻略が難しくて苦戦してるならいいんですけど、明らかに目的が変わってるようでして……」


「そうよ。城内の間取りを確認しなきゃダメでしょ」


 ザフィーラが突っぱねた。


「あの、城主のいる場所、意図的に外して移動してませんか……?」


 ドレイクの言葉は当たっている。


 ずらしている。だって、ボス戦みたいなの面倒だもん。


「あの、待つほうの身にもなってあげてください……。来そうで来ないというのが長引くとお風呂に入ったりとかもできないんで……時間を持て余すんです……」


「あっ、お風呂あるの? どこ、どこ?」


 ザフィーラの目が輝いた。


「教えなさい。でないと、焼き殺すわよ」


 ドレイクは泣きそうな顔で風呂まで案内して帰っていった。


「あのドレイク、ダメね。もっと居住環境の良さを説明してこないと住もうって気にならないじゃない」


 ザフィーラ、本当に住宅展示場だと思っているのではなかろうか。


「どうされます? 日も暮れてきそうですし、ここは一度近くの町に戻りますか?」


「ベルク、それは城主に失礼だし、行くだけ行こう……」


 広い部屋に入ると、玉座に太ったトカゲが座っていた。


 ただ、王の間というにしては狭く感じる。


 冷静に考えれば当たり前で、ここは魔王の城でも何でもないのだ。

 意味合い的には防衛拠点だった城である

 そこを無理矢理、城の持ち主が改造したのだろう。


「お前たち、遅い! いいかげん来い!」


 トカゲに怒られた。


「お前、なんて種族? リザードマン?」


「ドラゴンだ! 失礼な!」


「ああ、城主として贅沢をして太ったのでしょうね。ドラゴンは知能が高いですし、能力も高いので前代の魔王様がいなくなってから、独立した動きを示したのでしょう」


 ベルクの説明によると、もともとドラゴンは魔王と関係なしにこの世界に住み着いていたという。


 ただ、魔王がいた時は表面上はそれに従うポーズをとっていたが、魔王がいなくなればまたドラゴンが自由にやりだしたということだ。


 将軍がいなくなったら、地方の豪族が好き勝手にやるのに似ている。


「まあ、いい。ここまで来たことに敬意を表して我の名を教えてやろう。我はドラゴ――」


「あなた、もうちょっと痩せたほうがいいわよ」


「そこの女、話を聞け!」


 ザフィーラがダメ出しをした。


「よいか、我は現在、このサイラッド城を治めるドラゴ――」


「すいません、邪神への礼拝の時間なのですが、専用の礼拝堂などはありますか?」


「だから話を切るな! 日常的な祈りを捧げてる場合ではないだろうが!」


 今度はベルクが話を切った。


「我はドラゴンの中でも有名を馳せた者よ。お前たちも知っておるかもしれぬな。我は――」


「ニンジンがほしいウサ」


「お前、今のは確信犯だろ! このタイミングでニンジンを所望するわけがない!」


 むっ、これは俺もボケないといけない気がしてきた。


「いいか、我の名は――」


 ドラゴンに近づいて殴った。


 ドラゴンが戦闘不能になって、終わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ