19話縄
羅衛は傀儡を使えなくされるとギリギリと歯ぎしりをして自ら手を出してきた。
羅衛の腕輪は鞭の姿に変わり手に持たれている。
鞭は邪気の強い黒い煙を帯びている。
「謝砂、気をつけろ。鞭で打たれると傷口から邪気が入り毒にやられて腐る」
「嫌だよ。8の字縄跳びも怖くてぐるぐると回転する縄の中に入れなかったのに」
「輪くぐりか? 縄跳びとはどうするんだ? 修練の方法として参考になる話だ。今度教えてくれ」
「嫌いだって言っただろう。縄が回転するときに足を引っかかないように輪の中に入るそして飛んだらすぐに輪を抜けるんだけどタイミングがずれたら入れないし抜けれないから縄をよく見ないと」
「分かった。じゃ立って」
爛は謝砂を立ち上がらせた。
羅衛は縄をグルグルと回して謝砂をめがけて鞭を振った。
「よく見て避けろ」
羅衛は大きく鞭を振り足元を狙われて飛んで避けた。
(縄跳びには違いないが、なんか違う! 命がけだし)
着地するとすぐに再び縄が足元をひっかけようと横から飛んでくる。
タイミングを計って縄が当たる寸前に両足を閉じて床を飛んで避ける。
片足ずつ順番に飛んで避けるなんていう高等な技術は使たことがない。
かならず両足で兎のように飛んでいた。
着地をすると足首にズキッとした痛みがきて次に備えられない。
爛は縄を剣で切ろうとしたが縄は刃先からぐるっと巻きついた。
爛も羅衛もぐっと力を入れて縄を引っ張りあうと縄は持ち上がった。
謝砂の目の前に縄が張られるとちょう首元を狙った高さで腰を反らせギリギリで避けた。
「うわぁ」
謝砂が叫ぶが巻きついた縄と剣の金属音のような擦れあう音のほうが耳に響く。
絡んだ縄を解こうとしたのか巻き付けさせようとしたのか大きく輪のようにお互いが円を描く。
「嫌だって言ったじゃん!」
逃げそびれた謝砂は縄の円から出ることもできず痛みに耐えてそのまま縄を飛ぶ。
飛びながらパチンと地面を弾く音を聞いて数えた。
「いーち、にーい、さーん、よーん、ご!」




