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8章 柳雷州の宿

 柳雷州につくと謝砂はげっそりしてとにかく休みたかった。

 謝砂は道端でもなんどか吐きながら歩いたためすっかり夜になった。

 辿りつけずに近くの宿に泊まった。

 先についてきた桃家の公子たちと謝家の桃展たちと変わらない年頃の数名の門弟が宿探しに向かわせた。

 桃展たちは宿を見つけて荷運びの牛車を連れてきた。

「爛様言われた通り探したのですが馬車がなくて。兄さん、ほら寝ころんでください」

「柚苑、最近扱いが雑だと思わないか。でもありがとう。助かった」

 一応痛くないように藁を引かれていて謝砂は桃展と柚苑に投げ込まれた。

 干された藁の中に埋もれると暖かい。きっと干し草のベットってこんな感じなんだろう。

 爛は宿で落ち合うといい数名の門弟たちを連れて行ってしまった。


「野宿でもよかったんですけど無理して歩いたせいで謝砂兄さんはボロボロですね」

「野宿はまだ無理。うおぇぇ」

「謝砂大丈夫か。全部吐いた方がすっきりする。ほら塩水を飲め。隠れて何を食べたんだ?」

 謝砂は爛から塩水を受け取り少しずつ飲む。

「これは御剣したせいだ」


 謝砂は爛に騙された。

 馬車を用意したと聞いてたのに正門から出ると馬はなく勘づいて逃げ出そうとすると爛に霊弦で繋がれる。

「御剣こそ仙師の憧れですよ。謝砂兄さんが嫌がるのが分かりません」

 爛は謝砂につないだ霊弦を手繰り寄せしっかりと手綱を引く。

 眺めていた桃展が謝砂に言った。

「御剣ができないんじゃなくて高いところが苦手なんだ。足元は剣で空を飛ぶというのが怖いんだよ。気功で体が浮いたり飛ぶとかなら怖くないかもしれない。こうやってさ」

 謝砂は両腕の拳を握りしめ空に高く伸ばすと軽くジャンプしたが空は飛べずに重力に引っ張られてすぐに着地する。

「軽く跳ぶとこはできますが言われれば空を飛ぶことはできません」

 柚苑が桃展を呼びにきたのだが会話に入ってきた。

「修行して霊力を高めて育み一定以上安定し剣に霊力を注ぎ霊剣を扱えるようになって始めて御剣できるのに僕たちは距離も限定されてます」

「そうなのか。距離を伸ばす練習にもなるから一緒にいくんだね。でも好き嫌いはあるだろ」

 謝砂は地面に座り込み抵抗をする。

「立って。謝砂、瑛が見送りに来た。教育によくない」

「騙すのも教育によくないだろ」

「御剣をするのは人里離れた山を歩くのは嫌だと言うからだ」

「だって怖いじゃないか」

「ふぅ。じゃあ文句は道中で行ってくれ」

「ちょっとなにをする。尻を叩くな」

 謝砂は爛に担がれてお尻の土埃を片手で払われる。

 担がれたまま爛の剣に二人で乗った。

 桃展と柚苑は謝砂が怖がりになれているから馴染んでいる。

 謝家の門弟たちは謝砂が泣きながら爛の剣に二人で乗る姿に驚愕していたが桃展たちの変わらない態度に桃家の御剣方法だと思いすぐに受け入れたようだ。



 そのまま御剣したせいで見晴らしがよすぎた。

 目を開けると山と川があり足元にはなにもない。

 浮いているのが恐ろしくて地面に降り立つと絶叫マシンに乗せられた後のように吐いた。

(どうしてもじゃない限り絶対乗らなかったのに。体が入れ替わっても弱いのはなぜだろう)



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