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帳宗主の報告

 帳家にきて数日が過ぎてしまい謝砂たちも謝家に帰ろうと帳宗主に挨拶に来た。

 何度か門弟に尋ねたが誕辰が終わったあとすぐに先日の宝探しの会場の色んな後始末などで忙しいようですれ違っていた。

 招功や謝家の門弟も手伝いを申し出て鎮圧と浄化を手伝った。

 帳宗主の時間が取れずやっと会えたのは帳家を出ていく支度を整え翌日に控えた夜遅くだった。

 挨拶も限られた時間でゆっくりはできなかったが見送りに来てもらえた。

 

 帳宗主は会うなり謝砂と爛に膝をつき頭を下げて謝られた。

 謝砂はびっくりして慌てて帳宗主の体を起こす。

「謝宗主、爛殿には誕辰に招待したばかりに迷惑をかけて申し訳なかった。帳家の不注意だ。蛇妖の精怪の被害を食い止めていただけて感謝しています。爛殿も怪我じゃすまないところでしたしどう詫びればいいのか……」

「楽しかったですよ。ご招待いただきありがとうございました。爛も無事ですし」

「謝砂の言う通り大丈夫です。気にしないでください。帳家の責ではありませんし何が起きても同意の上ですよ」

「ありがとうございます。調べさせていたことで報告があります」

「では詳しい状況を聞かせていただけますか?」

「はい」



 それから帳宗主から報告を爛と一緒に聞いた。

「雲児が呼びにきて駆け付けたときには既に駆除されたあとでした。蛇妖の精怪が出現された陣のせいで会場一体が別の陣が現れて結界をはられたように目隠しされました」

「どうやって会場に入れたんですか?」

 爛が聞くと帳宗主は巻物を広げた。

 地図らしく蛇妖が出たところに印がつけられていた。

「方陣を解きましたが入れたのは帳荻が結印で宝石と結びつけたあとだと思います」

「星星が呼び出されて出てこれたのも結印された後で方陣も解かれてからだ」

「それは異変を感じた星星が妻に知らせたのです。星星は招功たちを見つけて連れてきたのですが妻は会場にはいるのに自分の簪を招功たちにわたして再度会場に入れました」

「参加者でない星星が宝探しで見つけたものってもらってもいいの?」

「星星殿は手持ち提灯を持ち会場に入ったため正式な参加者です。返礼は宝探しなので手に入れたものは運と実力です」

 宝探しで見つけた宝珠を自分の主張できるため異論は起きなかったらしく謝砂はほっとした。

 星星と契約者である謝砂が責められると思って絡まれないために部屋に引きこもっていた。

 蛇妖を駆除したのも会場入りした星星は神獣の立場だが謝砂と蛇妖の力で三百年分の修行した霊力を得ることができた。

 星星が話していたが蛛の精から精霊として霊力の格が数段一気に上がれたらしい。

 邪気や妖気にも耐えられるようになり人としての防御壁を得ることができたらしい。

 光を放つことはなく人としての実体を保てるようになったという。


「門弟たちに調べさせたところ各地で死体が消え悪鬼がはびこり害が起きていました。謝宗主と爛殿が出会った山鬼が出てきたのも山に邪鬼がうろつき出したせいでした」

「門弟の方が鎮圧されたのですか?」

「向かわせましたが悪鬼が現れた近くの小仙家は塵家の管轄だといい駆除は塵家の門弟が祓いに来たといわれて帰ってきました。門主となりその家を統べているようです」

「塵家の管轄地は拡大しているんだな」

「傘下になった家に塵家の門主が置かれるとなるといつ襲われるか分かりません」

「爛殿たちの考えは?」

「とりあえずは妖魔や鬼の取り合いというところだと考えています」

「蛇妖のことを知ったのかすでに帳家でも傘下の一部は抜けて塵家に入りました」

 帳家も各地で妖丹を持った悪鬼や妖怪の害がおきていて祓うためにすでに人手を割いていた。



「謝宗主が宝探しで見つけた返礼品のお箸です。同じ物を作り直しましたがお箸でよかったんですか? 心苦しくて玉で箸入れも用意しましたので受け取ってください」

「本当? うれしいな」

 謝砂は机から身を乗り出したが爛に後ろ衿を掴まれ戻される。

 帳宗主からと謝砂に木箱を手渡された。

 蓋をあけると箸が入っていた。

「投げたあとショックだったんだよね。よかった。お箸って便利だよね。はい爛の分もあるよ」

「爛様は何か手に入れれましたか?」

「爛はもらったのはないの?」

「謝砂からのお箸」

「それだけでいいの?」

 謝砂は箸を爛に渡すとお揃いの箸箱にしまい大事そうに腰につけた。

「帳宗主お気をつけください。私たちも失礼いたします」

 爛が手を胸の前で重ねて挨拶をする。

 謝砂も同じように挨拶をして謝家へと帰った。

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