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7章蛇妖の精怪8 結印

「宝珠とかなんか持ってないかな」

 謝砂はガサゴソと巾着を探るが持っているのはお菓子とかガラクタだ。

「見合ったものじゃないとダメなんだよな。えっとなんかないかな」

「なんでもいいか」

 巾着に入っていた透明な小さな石に霊力を込めて質を上げた。

「帳荻は結印をできるか?」

「はい。帳家の師弟なので覚えています。どれにするんですか?」

 帳荻は小さな木箱を見つけていて蓋に指先を噛み血で結印の陣を書き謝砂の元に駆け寄る。

「うん」

「この霊玉は妖丹だったものですか? 霊力が注がれて白く光ってます」

「多分そうだと思う」

 血で描いた文字は擦れているが中に玉をしまい入れ蓋を閉じたら光った。

 帳荻が蓋を開けると蛇妖の精怪と引きあうように光る。

 すぐに帳荻が手で印を結ぶと木箱の中身と結び付けられてた。

 中に駆除符をはったから有眉を吐き出すはずだ。

 謝砂は蛇妖の攻撃を防いでいた爛に叫んだ。

 蛇妖は口を閉ざして胴体をうねらせていた。

「爛! 蛇妖の口を開けさせてくれ。有眉を吐かせる」

「なんの呪符だ? 水も毒も聞かない。燃やすと有眉殿も燃えるかも」

「結印を別のに変えた。いわゆる棺に入った状態にしたんだ」

「蛇妖の精怪に見合うものなどすぐに見つからないだろう」

「霊力が見合うほど込めたんだから大丈夫だ。入れ替えれて押し込んだら有眉殿も吐き出されるはずだから」

「分かった」

 謝砂は爛に小さな木箱を投げた。

 爛は箱を受け取ってすぐに真っすぐに突っ込んできて頭をうねらせると背後から脇腹に頭突きの一撃を受けた。

 謝砂はすぐに火符を飛ばしてバンと当て蛇妖の気を逸らせる。

 吹き飛ばされないように踏ん張り腹に手を当てて持ち堪えた。

「うっ」

「爛!」

 謝砂は腰に差していた箸を取り出し一本を妖丹に目がけてダーツのようにすぱっと投げた。

 力があれば鉄の箸で木の板に打ち付けているのを見たことがある。

「やっ!」

 同じように投げたが勢いは足らずカランと弾かれる。

「ぎゃぁぁ! やっぱ無理!」

 正面からみた蛇妖は恐ろしくて蛇に睨まれた状態だ。

 淡い精怪の光ではなく亀裂の模様から妖気が溢れている。

 そのまま口を開かせ謝砂を食べようと額と目を光らせ箸を跳ね返した。

 爛は蛇妖と謝砂の間に剣を飛ばし蛇妖を斬りつけた。

 謝砂を背中に押し下がらせて蛇妖の前に立つ。

「爛! 目と目の間の額に妖丹があるんだ」

「分かった」

 爛は剣ではなく箸の先端で妖丹を突くとパシッとヒビが入った。

 爛は箸を投げると蛇妖を喉から突き破って後ろの木に箸が突き刺さった。

 受け取った爛は蛇妖の口が開いた瞬間に木箱を口の中に押し込んだ。

 ぼわっとした明かりを弾かせて消えると蛇妖の妖毒も解かれたようだ。

 蛇妖の精怪はのたうち回る。

「うわぁ。見れない。いや見たくない」

 謝砂は爛の背中を掴んで見なくていいように盾にして下がらせる。

「オェ! グェッ! ガハァッ!」

 蛇妖の精怪はオッサンの歯ブラシが喉まで突っ込んだ時に聞くような嗚咽する声を出し吐き出そうともがいていた。

 蛇妖が呑み込んだ駆除符に腹からよじれて雑巾を絞るように捻って裂ける。

 爛の剣で裂け目を斬ると中から霊蛛で包まれていた有眉が出てきた。

「有眉殿! 無事です」

「素手で直接触れるな。妖気が強い」

 謝砂は桃展たちの行動を先読みして忠告する。

 霊蛛は溶けかけていたがまだ薄い糸で包まれていたが謝砂は手に仙筆を持ち振ると糸についた妖気を祓いながら消えて解かれた

 有眉を帳荻たちが保護する。

 木箱と結印されていて中から爛の足元に謝砂が入れた石が転がって出てきた。

 爛は腹を手のひらで強く押さえたままで眉が吊り上がってる。

 蛇妖が精怪の青白い光が消えそうに見えて謝砂は爛の隣に並んで立つ。

 蛇妖はちぎるように裂かれたあとバタンと伏したがまだ妖力が残っていた。

 煮えたぎるように一瞬カッと赤黒く瞳を光らせた。


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