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7章蛇妖の精怪2 

「葉(よう) 家の名を知らせる時がきた! 一斉に行くぞ」

 集まった仙師の中でも血の気が多そうな青年が呪符を飛ばした。

 帳雲児がおどおどしている。手を出すか迷っているようだ。

「葉家は傘下の中でもまだ新しい家です。玉石の加工技術が優れていて傘下に入った家なので霊力はそこそこ。技術で入った傘下の管轄地には帳家の門弟が駆除に出向くので駆除は初めてで戦い方も知らないはず」

「雲児、帳家は手を出せない。分かっているだろう。これは宝探しの一環であり提灯の灯りが消えてからでないと本家が手を出すと横取りに思われる。父上の誕辰だ。実力を知るのに参加している場合もあるから邪魔はできない」

「分かってます。招待状を持った傘下との約束ですから帳家の一員として守ります」

 爛の指示がないため桃展、桃常たちも手を出さずに様子をうかがっている。


 葉家の当主の霊力が足らないのか同じ火符のようだがでも威力が低い。

 蛇妖に触れる前に纏っている妖気に一瞬で火が吹き消される。

 それでも目くらましにはなったようで蛇妖は目を細めた。

「今だ!」

「「はい」」

 引連れてきた五人の門弟たちに指示を出し取り囲み蛇妖の首を斬ろうとする。

 妖気を漂わせた皮は分厚く刃は突き刺せない。

 蛇妖は首をうねらせて軽く振るだけで剣を弾き飛ばした。

 すぐさま女性が剣を持ち蛇妖を奪い合うように呪符の合間を抜けて続け矢を飛ばす。

 矢は木にストンと突き刺さり木から降りてこさせようとしていた。

 巻きついた木に縛られているのか木からは胴体は離れない。

 謝砂は観察していたが蛇妖は見かけに比べてやけに大人しいと感じた。

 見学するだけなら安心だと爛の背中からごく自然に隣に並んだ。

 入れ替わり立ち代わり次々に蛇妖に向かっていく。

 一斉に首を狙いに剣を持ち頭や胴体を斬るが擦り傷程度の傷をつけれただけのようだ。

 大したダメージは負わせてない。

「みんなで協力してるのかな」

「いいえ。首の取り合いです」 

 蛇妖は地面に伏せていた修師に口を開けた。

「危ない。逃げろ」

 鋭い牙をむき出しにするが呑み込む寸前にぐっと喉が痞(つか) えたように呑み込めず術によって防がれた。

 蛇妖は口にくわえるだけでぺっと吐き出した。

 吐き出すと痞えがとれたようで次の獲物に目を移す。

 吐き出されて生きているようでゴホゴホと咳込む。

 しかし食われたのを目のあたりにしても修仙たちは逃げずに剣を向けている。

 妖毒を吐く前にグッと木へと引っ張られて妖毒は逸れて岩を溶かす。

「帳荻公子、参加者を早く離れさせた方がいい。未だに食べられていないのは寸前で服従陣を発動させて弱らせているからだ」

「服従陣は攻撃を防ぐ防御陣の一つですが使い手なんて滅多にいません」

「服従って?」

「霊力を陣に流し精怪の意識を自分に一瞬憑依するように繋いで動きを制限するので術者に服従させる服従陣です。術者の意識でつなぐので自分への攻撃を防げません。精怪や魂の体という実態のない鬼などにしか使えず術者本人に危険の及ぶ陣です」

「そうなのか。だれが防いでる?」

 煌びやかなクリーム色の同じ外衣を来た二人の姿が目に入った。

 蛇妖と攻撃している様子が見えるように離れたところにいた。

 剣を地面に突き刺して手を広げて霊力を送っていた。

 陣が足元に書かれて発動中らしく光を放っている。

「塵昌?」

 謝砂たちの会話はきこえていたようだ。塵昌は軽く会釈した。

「謝宗主と爛様。久しぶりです。陣で蛇妖と繋いでいる術者は有眉姉上です」

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