7章 蛇妖の精怪
謝砂が連れられてきたときにはうっそうとした大木に皆がそろって集まっていた。
木の周りに手持ち提灯を地面に置かれている。
提灯が集まっているため木は下から照らされていた。
ガサガサとした葉が擦れて揺れると木がビシビシっと音がする。
大きなしめ縄のようなものが木に巻きついているようだ。
「へ、へ、蛇だ! どうしよう」
謝砂は頭を見なくても巻きついた蛇柄の皮膚をはっきりと目にした。
木の幹と同じ色をしていて縄に見えただけだった。
謝砂はすぐにでも逃げ出したかったが駆けつけてきた参加者たちに阻まれて逃げ場がない。
どうしようもなく爛の背中にとりあえず隠れる。
すでに帳家の傘下だけでなく会場にまだいた者たちが年齢問わずに集まってきた。
中年ぐらいの大柄の修師が一人が先に斬りにかかる。
大木と見間違うほどの大きさの蛇だった。
精妖となり重さはないはずなのに枝はベキベキと折れドサッと地面に落ちた。
青白い光を放っている。
一人が弓で毒矢を放つが効かないようでジュワっと蛇妖の毒で矢が溶かされた。
巨大な胴体も長く蛇妖の頭に斬りかかった修士は吹っ飛ばされた。
「一匹だな」
「あれは一匹と数えていいの? 一塊じゃない?」
よく数えると巻きついた木は三本まとめて縛り上げていて一つの大木に見えていた。
大きな木だというのは目の錯覚だったが蛇の大きさは目を擦っても変わらない。
食うのを防ぐように結界陣をはり防いだが頭をぶつけさせて結界を破ろうとしていた。
巻きついた木は絞められて浮いていた二本の根が完全に引き抜かれ中心の木に重なった。
背後からバタバタと駆け抜ける足音が聞こえて振り向くと雲児と帳家の門弟だった。
雲児が近くにいた門弟を集めてきた。
「これはどこから出てきたんだ?」
「棺や木箱を探しましたが結びつけられたような形跡はありません」
帳荻にその場を監督していた帳家の門弟が話す。
雲児や帳荻と変わらない年頃の若い門弟はとてもじゃないが蛇妖を駆除できるとは思えない。
「蛇の精怪は帳家の管轄地では報告はない。こんなに巨大な妖気を放つ蛇妖がいればすでに祟りを起こして害が起きているはずです。絶対に帳家へ報告されるはずです」
帳荻はぐっと袖を握りしめた。パニックになりながらも謝砂と爛に伝える。
「この土地に用意されていたのは一番厄介なので狂死し屍となった鬼ぐらいです」
「宝探しに用意したのは帳家が捕らえていた鬼と妖怪、精怪も放ってますですが必ず呪符で宝箱の中に封じています」
「どんな箱を開けたのでしょうか? 謝砂兄さんはどう思いますか?」
桃展が尋ねると帳荻たちも一斉に爛の背後を突き抜けて視線が刺さる。
謝砂はマントから顔を覗かせた。
「聞かないでくれないかな。駆除なんてできない。宝と思わずにみんなで逃げた方がいい」




