↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
161/763

7章夜の宝探し2

 地面に埋まっていたのは宝箱というのは木の棺だった。

 謝砂は爛の背中に隠れてビクビクしながらも中身が気になり顔を出したりひっこめたりする。

「夜は棺なのか。中に遺体とかはいないよね」

「新しいから大丈夫だろう。桃展、開けてごらん」

「はい。開けてみます」

 桃展は棺にはられた札を剥がすとバンと棺の蓋が吹っ飛んだ。

 抑えがなくなると遺体ではなく紙で作られた人形が飛び出てきた。

「うわっ!」

 桃展ではなく謝砂が叫んだ。 

「葬儀用の紙人形だ。精巧な作りをしている」

「感心するところ?」

 飛び出してきた紙人形に持たされていた木箱も飛び出し桃展が受け取った。

 桃展が受け取ると紙人形はパンと弾けて紙吹雪になり祝った。

 小さな木箱の蓋を開けると、濁った緑色玉が牡丹のような花の形に加工された腕輪だった。

 覗き込んだ謝砂はにっこりと笑って桃展に拍手を送った。

「桃展おめでとう。綺麗な腕輪だね」

「煙光珠(えんこうじゅ)の腕輪だ。常に身に着けたほうがいい。よかったな」

 桃展が見つけたことで桃常たちも探し出した。

 木を見上げたり根元を突いたりしだす。

「それはどう物なの?」

 謝砂は桃展のはめた腕輪を見ながら聞いた。

「謝砂兄さん煙光珠というのは強い妖気や邪気に触れると光るんです」

「素早く逃げれていいな」

「逃げるのではなくて邪気や妖気に満ちたところを探すものです」

「そうなのか。使い方は人によってそれぞれだから」

 

 桃常たちも隠されていたのを探し出して開けていた。

 用意されていたのは棺だけではなく宝箱のようなものも埋まっていた。

「僕も見つけました!」

 桃常はスパンと棺から出てきた紙人形を斬った。桃常の紙人形は陰気を感じた。

 剣で斬った紙は紙吹雪ではなく火がついたように燃えて黒い煙となり消えていく。

 桃常は残されたものを拾った。

「これは水の波紋様が入ったヒ首(ひしゅ) です」

 謝砂には区別できず短剣のようにしか見えないが綺麗な模様が刃にあるのは綺麗だった。

 お高めのいい包丁に入っているような模様だ。

「本当に宝探しだな。いい大人が本気になるのは分かる」



 掘り起こされて目につく場所に蓋が閉じたままの箱もあった。

 霊力が噛み合わない箱は見つけても開けれずその辺に置かれっぱなしのようだ。

 柚苑は気になるようでグルグルと回る。

 謝砂は柚苑の後ろに立ち肩を押さえる。

「開けてみたらいいじゃないか」

「これはさっき僕よりも年上の門弟の方が剣で叩いても開けられなかった箱なんです」

 手に持っていた提灯の灯りで照らしてみると柚苑が言う通り剣で傷が数本入っていた。

「霊力に見合ってないと開かないんだろ。柚苑が試してごらん。気になるんだろ」

「はい」

 置かれていた箱の『封』を柚苑はぺりっと剥がす。

 謝砂の目には剥がした途端に箱から黒い気を感じて柚苑の背中を掴んでうしろに引っ張った。

「やった! 開きました。うわぁ」

 バンと人形が飛び出てきた。

 謝砂が引っ張ったおかげで飛び出した人形の一撃をかわした。

 飛び出した人形は後ろの木に飛び反動をつけて謝砂と柚苑に飛んでくる。

「うぁぁぁ! 人形が! 爛!」

 謝砂は人形に驚いて柚苑の背中を押して突き飛ばす。

 柚苑だけを狙っているようだ。

 大きさは三十センチぐらいある背丈で小さいが人のように服を着ていて凝っていた。

 人形劇で使われる操り人形みたいだ。手足が自由に動き瞬きもしている。

 

 柚苑は顔に目がけてきたのを反射でとっさに掴むが手首を蹴られて手を放した。

 宙がえりをし地面に着地すると笑っているように首をくるくるとまわした。

 ギシギシと音をいわせる。

 謝砂が叫ぶとすぐに爛が隣にきた。

 爛の腕を持ち上げて人形から身を隠す。

「爛! 人形が勝手に動いてるんだ」

「あれは木傀儡(きぐぐつ)というんだ。木でできた人形だよ」

「ピノキオの?」

「檜の木の斧ではなく振り回しているのは剣ですよ。よく見てください」

 謝砂の独り言に桃常が真面目に訂正してくる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。