7章 夜の宝探し
瑛と星星は家屋がありそこで待っていられるようだ。
瑛を抱えてマントを一緒にかけていたが家屋の中は火鉢が置かれていて暖かい。
謝砂は瑛を下ろすと星星と二人は奥方に呼ばれて奥へと行ってしまった。
ついていこうとすると呼び止められた。
「謝宗主! 爛殿お待ちしてましたよ」
「参加しないお連れの方はここでお休みください。お二人はこちらへどうぞ」
「瑛と宝探しできて楽しかったです。参加させていただき感謝します」
「楽しめたならそれはよかった」
星星は仙筆で呼び出せるから瑛の世話を頼んでいた。
帳夫人も二人と一緒に座っているのが見える。
お菓子をつまみながら瑛の世話をして星星とも打ち解けているみたいで楽しそうな空気にお邪魔したかった。
帳宗主に案内されるがまま謝砂は爛と座らされて説明をきいた。
昼に参加したから関係ないはずなのにと不思議だった。
一方で参加者は準備万端で各自やる気に満ちている。
「宝探しは手持ちの提灯の蝋燭の灯りが消えたら終了の合図となりますので帰ってきてください。宝箱は開けられなければ壊すことも不可能です。ではどうぞはじまりです」
鐘が鳴らされた。
一斉に入場し散らばっていく。
「さあどうぞ。謝宗主も気兼ねせずに探しに行ってください」
「いえいえ。落ち着いてからで十分です。瑛がいるので心配なんですよ」
(瑛、ごめん。理由に使わせてくれ。あとで何か埋め合わせするから)
「瑛殿は妻がいるので心配いりません。遠慮しないでください。爛殿と謝砂宗主なら昔に隠された宝箱を探せそうです。ぜひどうぞ」
帳宗主に促されしぶしぶ歩くが爛に小声で尋ねた。
「宝探しじゃなくて肝試しだ。昼だけで十分だよ」
「昼間は瑛たちだったのに保護者としてついていったのにはしゃいでたのは謝砂だ。子供の太鼓やお面や簪を一緒に探して謝砂は楽しかった?」
「帳宗主は止めなかったのに嫌味か。爛だって楽しそうだった]
「昼に宝探ししたら逃げれると思ってたのに。夜にも参加させられることになるなんててひどすぎない?」
「帳家のご厚意だ。断ると帳家の顔をつぶすことになる」
「うーん。恨まれたくないし大人しく参加する」
「参加するからといって宝箱を探す必要はない」
「そっか。宝を探さなければいいんだ。見つけなければいい。見つけても開けなければいいんだ。もっと早く思いつけば悩まなくて済んだんだ。爛もっと早く教えてよ」
部外者だと考えると怖くなくなり、何が隠されているのか気になってきた。
桃展、桃常、柚苑と雪児は謝砂と爛が来るまで会場の中には入らず待っていた。
会場になっている山の中に入っても謝砂だけが冬の装いだった。
掘り起こされた跡を見つけると土を掘ったりしている人や場所の取り合いになっている。
子供の宝探しとはちがってピリピリとした空気が漂っている。
帳家の師弟たちは目星があるのかすでに数か所は掘り起こされていてすでに宝箱を見つけている。
謝砂は物音が聞こえるたび爛の背後に隠れるため山中をゆっくりと歩いて様子を見ていた。
「みんな寒くないのかな?」
「それどころではないんだよ。桃常たちもそれぞれ好きに探しに行ってもいい」
謝家の門弟は一人も謝砂のそばにいなかった。
本当に各自探しに行ってしまった。
「いえ。僕たちは一緒に探します」
桃展が言うと桃常と雪児も頷いた。
「途中から帳荻公子と雲児公子とも合流予定なんです。いいですか?」
柚苑が理由を話した。
「いつの間にそんな話になってたんだ?」
「謝砂兄さんと爛様が見つけた宝を見たいそうです」
「爛が見つけたものならすごそうだ」
「兄さんは?」
「昼は探すのが難しかったから夜はどうだろう」
「来てください。見つけました!」
桃展が剣を使って地面を探っていると何かを見つけ提灯で照らした。




