7章大仙家の名
帳宗主は棚から古い木簡を取り出して謝砂と爛に見せてくれた。
九大仙世家名と書かれている。
「桃源の桃家 、雲翔謝家、 飛竜帳家。
白鶴白家 、玉芊芊家 、斉霞斉家 、韓元普家 、柴陽司家 が八世家。そして麻胡 塵家をいれて九大仙世家だったようです」
「塵家の名がどうして抜けたのかご存じですか?」
謝砂が帳宗主に尋ねると木簡をしまいながら教えてくれる。
「塵家は陣に優れているのは妖獣を召喚し管轄する仙府に置き悪鬼が現れると妖獣を戦わせて食わせていました。
塵家の初代の宗主は力を求め強力なものを召喚したのですが使役できず塵家は襲われ力をなくしたと先代の宗主から聞いています。そして廃れていったと」
「桃岳泰山符君がいる桃家が統べることになり時代は桃華と呼ばれるようになってまだ浅い。桃華になってから塵家は桃家の傘下になったと聞いています」
爛が付け加えて帳宗主に分からないようさりげなく謝砂に説明をする。
「それが今塵家が復活をしたのと各地で悪鬼や妖獣が出没しているのには関係がある。桃家も謝家も気をつけください」
帳宗主は何かを案じているようだった。
「帳当主祝いのときに報告することじゃないが道中で山鬼に出くわした」
「帳家の管轄地に山鬼が現れたとは。直ちに駆除に向かわせます」
爛が告げるとすぐに師弟を呼び数人を山に向かわせるように命じた。
「爛達が駆除してくれたけど帳家の山にはよくいるの?」
「数日前に商人たちが山鬼に襲われていると噂があり見回りをしたのですが山鬼を見つけられなかった。炎符を飛ばしても無駄で住民には竹を焼き爆竹をならし山鬼避けをするように言っていました」
「現れた山鬼は妖丹を持っていた。回収はしたがまだ妖気は抜いていないよ」
謝砂は懐から邪封袋を取り出したが帳宗主に受け取ってもらえず返される。
「あの、妖丹の妖気を抜くのに帳家では手に余ります。祓えるのはいつになることかわかりません。厚かましいですけどこれもお祝いだと思って謝宗主にお願いします」
「呪われるとか怖い物じゃないからいいよ」
「そのかわりに返礼品を楽しみにしてください。祝いの品に対しても返礼品を渡すのに同じものではつまらないと、帳家は一興を用意しているんです」
「一興?」
「謝砂殿たちを招いたのは帳家で行われる大会にぜひ出席していただくためです」
「大会? 誕辰なのに?」
「大会といってもいわゆる宝探し。山に隠してあって霊力を使わないと鍵が開けられない仕組みの箱に入っている参加者は制限はないので瑛お嬢さんもご一緒にどうぞ。とれたものは山菜でも妖怪でも持って行ってください」
「へぇ。なんか面白そうだ」
「開ける箱は霊力によっては開けられない。鍵が霊力を選びます」
「中にはなにが?」
「当たりは宝飾品です。それぞれの霊力に見合った品ですからその人にとって外れはありません」
霊力に見合ったというのが気になった。
「夫人の簪についてる赤い玉ってなにか尋ねてもいい?」
「いいですよ。飛竜の魂と言われている帳家に代々伝わるものです。玉のいわれが本当なのかはどうでもいいんです。それよりも細工された簪が素晴らしいんです」
帳宗主は簪を熱く語りだした。
謝砂は酔いが今更回ってきた。説明が子守歌のようになって寝てしまった。




