塵家の傘下
塵家には丁家と同じくして邪鬼が出没し手に負えないと気が付いた小仙家が傘下になり塵家の門弟がすぐに送られて対応し邪鬼を斬った。
塵千の思惑通りだった。
無縁塚に落とされた妖丹によって骸は消えたが魂になった鬼を呼び起こした。
切り捨てられた者や斬首されたものたちの怨念が引き寄せられ変死した屍が悪鬼となっていたがすでに妖丹は鼈宝で操られる傀儡と化したが襲わせていた。
遣わされた門弟はそのまま小仙家に望まれて滞在した。
忠実な当主の座ではなく塵家の門弟として霊力を高めるのため邪鬼から取り出した魂霊丹を使って急激に霊力を高めて修錬した。
塵家の大広間に書を送り傘下に入った小仙家が土地の権利書を持ち師弟が列をなしていた。
塵千が書に書いていた契約通り管轄地になると塵家の実力のある門弟たちを向かわせた。
妖獣や悪鬼に対応させると実力もあり浄化まで行う対応に悩んでいた家も訪れていた。
塵辰は門弟になった者たちを祠堂に入らせ妖丹の妖気で魂に傷をつける。
そして魂の傷から妖丹に集まった魂から作られた魂霊丹をごく少し入れるだけで魂の霊力が高まり傷跡もなく思わせていた。
祠堂の奥に建つ塵宗主の執務室である私室は塵辰だけが出入りを許されていた。
「失礼します。父上申しつけ通り妖丹を塵家の仙府だったところに記されていた無縁塚に置いてきました」
空っぽになった邪封袋と地図を塵千に渡した。
「この地図に記載されているのは今では無縁塚になってしまったが塵家が管理していたころは衣冠塚だった場所だが今では弔われなくなり無縁塚と変わった。悪鬼が眠る場所だ」
「傘下になった小仙家には門弟をつかわせました。そして妖丹から魂霊丹になった頃合いを計り回収します」
「回収した魂霊丹を使って傘下の霊力を高める」
「傘下にいれるだけでいいのではないのでしょうか」
塵千は黙って塵辰を睨みつける。
「小仙家ではなく塵家の傘下としての力を授け霊力の格の違いを示すのだ」
「虎妖の妖丹も回収しますか? 新たに傘下に入った家の者から寧山の猟師村を虎鬼が襲い丁家も殲滅されたと聞きました。虎妖の対応に私が行きます」
「必要はない。丁家に近づくな。召喚した虎妖は炎虎の妖獣になった」
「あの死にかけが炎虎になるとは素晴らしい力ですね」
「お前が足を運ぶことはない。桃岳泰山の妖丹に込められている妖力は特別なようだ。怨念を増幅させることが分かった」
「有眉と昌を帳家に挨拶に向かわせる。ついでに丁家を見てくるように命じろ。私は籠る」
「分かりました」
塵辰はそっと宗主の室の扉を閉め出た。




