↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/763

6章9

「あぁ! 柚苑も血が流れてる」

 柚苑も顔に流れる血を手で拭い謝砂と顔を見合わせた。

 謝砂はふわぁっと血の気が引いてふらつき気を失いかけた。

 桃展と桃常に脇を抱えられて木の下から石燈籠の明るいところまで引きずられる。

「二人とも落ち着いてください。柚苑だってどこも怪我してないですよ」

「だったらこれは誰の血? 雨じゃない」

 雨の雫ではなくポタポタと血が滴り落ちていた。

 土に染み込んでいたのは血だ。

 口の端に流れていた血は固まっている。

 血が腕や足を伝って流れている。

 飾りのように枝に括られていた。

 布で括られていているが死んでいるのか血を流して意識がないのか分からなかった。

「うわぁぁっ!」

 足の力が抜け膝をつき叫んだのは丁安だ。

 




 爛は柳鳳をつれて寧山へと歩いた。

 手入れがされた広い庭園から山へとひろがっていた。

 寧家が丁家の庭園のようだ。山中へと入っていく。

 すぐあとを柳鳳がついてきた。

 虎用の虎塚が立てられていて爛は立ち止まった。

 洞窟のような塚の入口には呪符がはられているが三本の爪でひっかかれている。

 妖気が立ちこめ黒い煙が立ち上っている。

 速足の爛に柳鳳が駆け足で近寄ってきた。

 爛と柳鳳は揃って階段を降り中に入っていく。

 暗い塚の中は石窟のようにこじんまりとした空間になっていた。

 爛は火符で燈籠に火をつける。

 燃やしたあとで供養した跡がある。

 邪気や妖気を抜いた後で供養しているらしい。

「虎鬼は虎を殺せば消えるから虎が精怪にならないように供養していたみたいだ」

 一人でさっさと調べる爛に蝋燭の灯りを柳鳳が近づけて表情をみた。

「そんなにいそぐなんて心配ですか? 謝砂兄さんあんなに強いのに」

「私のほうが知ってる。長居は不要だからだ」

「分かってますよ。謝砂宗主って怖がりですから爛様の名前を叫ばれていますよ。謝砂宗主は今では蜘蛛宗主って言われてると桃展たちから聞きましたよ」

「柳鳳が墓を調べろ」

「えっ? どうせ虎の骨しかないのに」

 柳鳳は有無をいわせない爛にはぁとため息をついた。

「呼び出した蓋のあとに召喚陣のあとが残ってます」

「ここから出て行ったんだ。虎妖になって飛び出した」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。