学園91
下手をしたらショック死するかもしれない状況で、こんな事を言うのは滅茶苦茶で、一理すらない。
ツバメとリナの時は、画像に映し出されなかったから、最後の一瞬までやらせてしまったが、こうして目の前で死ぬかもしれない状況を見過ごす訳にはいかない。
『バンッ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!』
「ぐぅはぁ!!ぼへっ!!」
上級生がマガジンを交換して、火内の体に弾丸をぶち込み、さらに激しく血を吐き出しているの見せられては、美優の戯言に付き合っている暇は無い。
「教官!!」
「問答をしている場合ではない!!」
美優の叫び声のような大きな声に、大きな声を被せて、システム課に連絡をしていると、
『ばごっ!!!!!!』
銃声とは違う鈍い音がなる。
それは満身創痍の状態で、まだ戦う事を諦めずに拳を振り下ろす、火内の姿が映し出される。
『ばごっ!!!!!!ばごっ!!!!!!ばごっ!!!!!!』
死に物狂いで一発、二発、三発と上級生の顔面を殴り続けている。
パワードスーツが万全な状態でなら、この時点で決着が付いていたかもしれないが、駆動系がおかしくなって、パワードスーツの力を借りた全力のパンチが打てないらしい。
上級生も上級生で死に物狂いで、殴られながらも手探りでマガジンを交換をすると、銃口を火内に向ける。
『こちらシステム課です。何かありましたか?』
「いや……システムのトラブルがあるみたいなんだが……少し待ってくれないか」
『?はい分かりました。』
システム課と連絡が付いたが、教官はここで強制終了の依頼をするのを止めてしまった。
最後までやらせてやりたと気持ちが湧いて来た……というよりも、もう決着が付く。
美優が声を掛けなければ、強制終了する時間もあったが、
『バンッ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!』
『ばごっ!!!!!!ばごっ!!!!!!ばごっ!!!!!!』
これで決着が付くと、自分の中の経験が言っている。
『バンッ!!』
『ばごっ!!!!!!』
どちらかが先に力尽きるか、
『バンッ!!』
『ばごっ!!!!!!』
どちらの方が、勝ちたいと願っているか、
『バンッ!!』
『ばごっ!!!!!!』
戦う意思が強い方が、
『ばっ!!!!!!』
勝った。
火内の振り上げた拳が、上級生の顔面を完全に砕いて命を絶つという瞬間、勝ちたいという願いが折れた。
端末に『模擬戦終了』の文字が浮かび上がると、
「ツバメ手伝え!!」
「人使い荒い」
「文句言うな!!アタシの部下が勝ったんだからよ!!」
美優がツバメを連れて、最後の瞬間まで勝つ事を諦めなかった者を迎えに行くのであった。




