学園89
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上級性と下級生の、最後のトリを務める模擬戦。
それはシミュレーション室にいる者達だけでなく、視聴覚室にいる者達すらも大騒ぎにさせる。
初手は完璧だった。
遅れて開始した時間を取り戻すかのように、いきなりロケットランチャーを持ち出して撃ち込んだ。
ロケットランチャーから撃ち出される時の、空気が噴出される音で位置がバレてしまうが、そんなのは関係無い。
相手が音に気付いて振り向いた時にはロケット弾は眼前に迫り、逃げる事も出来ずにロケット弾を受けて模擬戦が終わる。
爆発音と煙が立ち込める中、パワードスーツが地面を激しく転がる音が聞こえ、これで終わったとロケットランチャーを捨てて、このシミュレーションの世界から帰るのを待つだけのはずだったが、
『ガシャ…ガシャン……』
模擬戦は終わらなかった。
立ち込めた煙が消えた後に姿を現したのは、パワードスーツに傷が付き、片腕が吹き飛んだ姿であった。
ロケット弾が直撃するという瞬間、腕を伸ばしてロケット弾に触ると、胴体への直撃だけは避けた。
だが、その結果は見ての通りのボロボロの姿。
この時点でシミュレーション室では、まだ模擬戦が続いている事に驚いたが、
『ガシャンガシャンガシャン!!!!!!』
ボロボロになったその体で動き出す。
慌ててハンドガンを取り出そうとするが、ロケット弾を絶対に避けられない距離まで詰めていて、決着が付いたとそこから動かなかったのが仇になる。
相手の死力を尽くしてのタックルに捉えられて、地面に叩き付けられると腹の上に乗られ、
『バッギンッ!!!!』
片腕となった、残された腕が振りかぶられてバイザーを殴る。
自分の事を殺そうと、死に物狂いで殴って来る。
ヘルメットを殴られながらも、ハンドガンに手を掛けると、
『バンッ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!バンッ!!』
マガジンに入っている全ての弾丸を、当てずっぽうに胴体にぶち込むと、
「ぐふぅ……!!」
装甲を貫通した弾丸が体に喰い込んだのか、吐血してバイザーの中が真っ赤に染まる。
今度こそ決着が付いたはずだと、必死に抜いたハンドガンを降ろすのだが、
『バギッ!!』
自分に馬乗りになっていた者が、おもむろに、赤く染まった自分のバイザーを叩き割ると……
「ひっ……!?」
バイザーの下から現れたのは、真っ赤な目であった。




