学園87
自分達の秘密をバラしたくないというのはあるが、学校生活をするとなれば、学校の協力者も必要になるだろう。
ここで訳アリの者を巻き込むのは、何かあった時に後腐れをしなくて済む……という考えもあるが、
「なんだ?アタシに惚れたか?」
「まさか…面白い人だなって」
「そうか、これからはもっと楽しくなるぞ」
「楽しくですか……」
美優から芯の強さを感じる。
同じ復讐を考えているのに彼女は泣かない……自分はこの復讐が果たされるのか不安を覚えいるのが、彼女は自分の復讐が果たされると信じている。
それは過去に、自分のように泣いて苦しんでここまで来たのかもしれないが、それでも彼女は前を見据えて、復讐という闇の中を進んでいる。
「行くぞ!!」
「はい」
握手していた手を離し、美優に連れられてシミュレーター室へと入って行く。
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「あの子か……」
「凄い髪色……」
最後にシミュレーター室に来たのだから、注目を集めるのは当たり前の話だが、火内の真っ赤な髪は人の目を引く。
見ただけで分かる人工的な赤い色は、みんなからの視線を集め、
『ファサァ』
自分の髪色が注目されているのを分かって、火内はわざとらしく髪を掻きげる。
「美形……」
「アイドルになれば良いのに……」
真っ赤な髪がサラサラと流れる様は、人工的な髪色をしているとはいえ美しく、火内の整った顔に相まって、さらに視線を奪う。
「こいつの面倒は私が見るから、準備してくれ」
美優は、最後に模擬戦をする同級生に合図を送ると、みんなの視線を集める火内をシミュレーターカプセルの中へと連れ込み、
「そこに座りな」
「分かりました……」
リクライニングシートに座らせて、寝そべりさせる。
「ふぅ……」
「緊張してるのか?」
「えぇ……」
緊張から息を吐いてしまう。
自分の実力は自分が一番分かっている……歴代二位の体力検査だったとはいえ、一位とは天と地の差があった。
その歴代一位の子がズタズタにやられた。
入学する時にどんだけ順位が良かったとしても、一年前に入学した者達も成長していて、技術を身に付けている。
身体能力は、訓練を積んでいるのだから互角かそれ以上か。
技術で言えば、実際にパワードスーツを装着して実弾を撃っている上級性と、パワードスーツも、銃すら触れた事の無い自分では、どちらが有利か問う事すら必要無い。
そう、勝つ条件よりも負ける条件の方が整っている。




