学園83
復讐心の炎で燃えて揺れる焔の瞳で、シミュレータ室の出入り口を見つめ、
「見ていろ、この俺を…………」
どこにいるかも分からない仇に、自分という存在を見せ付けると心に決めた誓いが、少年を突き動かす。
焔の瞳をした少年は、自分の番が来るであろうタイミングを計り、出来るだけ自分の存在感にアピールするため、遅刻してシミュレーター室に入ろうとすると、
『『ゴンッ!!』』
「あうっ!?」
開いたドアの目の前に何故か人が立っていって、部屋の中に入る事しか考えていなかった少年に避ける術も無く、互いのおでことおでこがぶつかると、先程の恐い表情はどっかに消えて、少年らしく可愛らしい声を漏らしてしまう。
そして火内は、ぶつかってクラクラする額を抑えながら、
「あの大丈夫で……」
つい素を出したのか、穏やかな声で自分の事よりも、相手の事を心配してしまいそうになるが、今の自分の立場とするべき事が頭の中をかすめると、
「っ何するんだテメェ!!」
声を無理矢理荒げて相手を威嚇する。
「人の事が言える立場……パイロットカード!?」
「へっ?へぇっ!?」
自分がぶつかった相手は一度、火内の言葉に反応して頭を叩こうと手を上げたが、火内の顔を見た途端に、頭を叩こうとしていた手を肩に置いて、そのまま外に押し出すと、一度開いた扉が閉まった。
「な…なんのつもりですか!!!?」
部屋に入ろうとしていたのに、外に押し出されては堪った物では無い。
このシミュレーションの模擬戦をボイコットしたくて隠れていたのでは無いのだから、それに、ここで模擬戦に参加しなかったら、模擬戦が怖くて逃げ出したとレッテルを張られるかもしれない。
「邪魔です!!どいて下さい!!」
廊下に倒された火内、自分の肩に手を置いている女性を追い払って、部屋の中に入ろうとするが、
「どうせポケットだろ?」
上級生は、火内の間近での怒気を浴びても何ら臆する事無く、火内の言葉を取り合わずにパイロットカードが腰にあると考えて少年の腰に手を回す。
「ちょっ…ちょっと……!?」
上級生と火内は対峙しているから、上級生が腰に手を回そうとすれば必然的に、体と体が正面から触れ合う訳であって、
「うっ……」
手を腰に回された時に上級生の柔らかい物が胸に当たると、顔を強張らせて、体を硬直させて、出来るだけ胸の感触を味わわないように様に努める。




