表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
82/169

学園81

(戦いに絶対は無い。奇跡を起こし、偶然を呼び起こすには、それ相応の実力がいる。君達に、私から教えてあげられるのは、実力及ばない者がどうなるかという事)



あの時の上級生が言った言葉が、自分の感情に触れて来る。



「ジン……」



こんな所で無理をする必要は無かった……二人で学校に通って、少しずつ成長していけば良かったのに……ジンが飛び降りた日に、全てが狂った。



ジンには問題があった。



それは彼が、この鳥かごで生まれたのではなく、地上生まれの人間であるという事。



話は簡潔(かんけつ)にしてしまうが、地上のとある準都市で起きたLRの襲撃、そこで多くの人達が亡くなり、生き残った人達を、鳥かごか都市で保護する事になったのだが、亡くなった人に入れ代わって鳥かごへの切符を手に入れたのだ。



その手筈をしたのは凛……彼の妹分がしたらしいのだが、それは別として、彼は違法移民という事になる。



彼は目立たないように……彼の人柄の良さは多くの人を魅惑して惹きつけたが、それでもどうにもならない事があった。



それは身分の問題。



亡くなった人の履歴を利用しているからこそ、派手な事は出来ない。



前例が無いのだ。



地上に住んでいる、都市に住んでいる者が功績を(いつわ)って、鳥かごに入り込む事があっても、町の出身?村の出身?どこぞの馬とも知れない者が、鳥かごに忍び込むというのは前例として無い。



どんな処罰を受けるのか分からない、いや処罰なら良い……こんな事が明るみになってはいけないと、罰を与えられずに処されるかもしれない……



そんな事にならないように、ましてや軍学校などという、身分を洗いざらいされるかもしれない危険な事はしなかったのに、



「ちょっとした伝手(つて)があってよ。もしかしたら、俺も軍学校に通えるかもしんねぇんだ」



それを言い残して、彼は忽然(こつぜん)と姿を消した。



残された凜と一緒に、彼を探し、彼の帰りを待ち……そして、あの日が来て、彼は居なかった事になった……彼が病院に運ばれたという記録も無く、葬式を上げて貰ったという事実も無く……ただただ、彼は居なかった。



彼がどうなっていたのか、どうなったのか知る由も無い自分に唯一出来る事は、



「僕が君となって……火内 刃となって……」



彼の名を偽って、彼を消した者達を誘き寄せことだけ。



(戦いに絶対は無い。奇跡を起こし、偶然を呼び起こすには、それ相応の実力がいる。君達に、私から教えてあげられるのは、実力及ばない者がどうなるかという事)



「やってみせるよ……」



これは少年にとっての戦い、奇跡を起こして偶然を呼び起こす……ただ問題があるとすれば、子供である自分にそれだけの実力があるか無いかという事。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ